初めてシーホークス戦に挑むラムズLBワグナー、「単なる1試合だ」
2022年12月02日(金) 13:12ロサンゼルス・ラムズのラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーはすでに気持ちを切り替えているかもしれないが、かつて所属していたシアトル・シーホークスとの対戦を週末に控えている中で、シーホークスに関する質問を避けることはできないだろう。
2022年シーズンを迎えるまで、シーホークスはワグナーが所属したことのある唯一のフランチャイズだった。2012年ドラフト2巡目指名を受けてシーホークスに入団し、3シーズン目にはオールプロ選出を果たしたワグナーは、2014年から2021年にかけて毎年プロボウルに選出されるキャリアを歩んできた。ワグナーはその間にオールプロに6回選出されており、2014年にはMVP投票で5位にもランクしている。
そのワグナーは現地4日(日)にシーホークス――オフシーズン中、32歳の誕生日を数カ月後に控えていたワグナーを放出した――と対峙する予定だ。
ワグナーは水曜日に報道陣に対し、「これは単なる1試合だ。うちのスタジアムでかなり良いチームと対戦するというだけの話だ」とコメントしている。
ラムズへの移籍は殿堂入りの有力候補でありながらチームから放出されたワグナーにとって、輝かしい次なるステップになるはずだった。シーホークスは若手を育成するためにロースターを入れ替えるタイミングだと思っていたようだが、ワグナーがラムズ――シーホークスの地区ライバルであり、昨季のスーパーボウルチャンピオン――と契約することを決断したのは少しばかり個人的な思いがあったからだろう。
ワグナーにとって残念なことに、彼の2022年シーズンは計画通りに進んでいない。2年連続でスーパーボウルを狙うどころか、相次ぐ負傷者と選手層の薄さにより悲惨な状況になっているラムズは、3勝8敗でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区の最下位につけている。
2022年シーズンにラムズの状況が好転すると思える根拠はほとんどなく、ワグナーとシーホークスが2021年シーズンに迎えた結末を繰り返すことになりそうだ。しかし、日曜日に行われる試合はワグナーを理由に関心を集めている。ラムズでいまだに十分な健康状態を維持しているスター選手の1人であるワグナーは、気持ちを切り替えたと主張しながらもシーズン第13週の試合に特別なモチベーションを持っている唯一の“ラム”かもしれない。
ワグナーはシーホークス戦の感情的な要素を軽視する態度をうまくとっている。シーホークスで状況に応じて適切に動くように訓練されていた彼にとって、それは難しくないことなのだ。
「あの組織の一員であることがその手法のようなもんだから、かなり簡単なことだ」と強調したワグナーはこう続けている。「試合を大きくも小さくも捉えない。マンデーナイトゲームやチューズデーナイトゲーム、それから対戦相手を実態より大きなものと捉えはしない。そうしたら一貫性がなくなってしまうし、1試合は勢いに乗れても次の試合では立ち上がれなくなるからだ。だから、個人的には今回の試合を通常の試合と同じように捉えている」
シーホークスはワグナーについて好意的な意見しか述べておらず、称賛と感謝の言葉を浴びせながら王道を歩んできた。
シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは「彼のすべてが恋しい。彼の代わりはいない。彼はユニークで、唯一無二だった」と述べている。
その唯一無二の選手は低迷しているチームを率いてかつてのチームに大金星を挙げたいと望んでいるはずだ――たとえそれが彼にとってはただの1試合に過ぎないとしても。
【RA】