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ペイトリオッツマスターのビルズQBアレンがまたも勝利して歴史を作る

2022年12月03日(土) 00:36


バッファロー・ビルズのジョシュ・アレン【AP Photo/Michael Dwyer】

クオーターバック(QB)ジョシュ・アレンは第2クオーターでサイドライン際からのパスを、見事ワイドレシーバー(WR)ガブリエル・デービスにつなげてみせ、素晴らしい8ヤードのタッチダウンを奪った。

事実上、この驚異的なプレーで、ニューイングランド・ペイトリオッツとの過去6度の対戦で圧倒的強さを誇るアレンとバッファロー・ビルズの5度目の勝利は決まったようなものだった。アレンは2回のタッチダウンを投げて24対10で試合を制しつつ、ペイトリオッツへの支配を続けた。

「彼が投げた時、私は見ていなかった。目を閉じていたんだ」とビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは試合後、笑顔で語っている。「それが彼なんだよ。つまりだ…ボールを危険にさらさないということが基本ラインであり、あれはよく計算された投球だと思った。オープンだったし、パスはしっかりと通った。ジョシュの本能と直感は相変わらず見事だ。彼の感覚は素晴らしいよ。でも彼は最後には、われわれがスマートなフットボールを続けなければならないことを知っているんだ」

最新の勝利によって、まだキャリア5年目のアレンは、ペイトン・マニング、ライアン・タネヒルと並んでビル・ベリチックがHCを務めるペイトリオッツを相手に5勝以上挙げた(プレーオフを含む)数少ないクオーターバックの仲間入りを果たした。また一方で、彼はリーグ全体でもシーズン屈指となるであろうプレーを見せてNFLの歴史まで作っている。

9勝3敗で現在AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第2シードとなっているビルズを率いて、アレンは試合で33回中22回のパスを成功させて223ヤードを獲得し、インターセプトなしでタッチダウン2回、ランで20ヤードを獲得した。この2回のタッチダウンパスで年間合計は25回となり、『NFL Research(NFLリサーチ)』によるとアレンはリーグ史上初めて3シーズン続けて25回以上のタッチダウンパスと5回以上のタッチダウンランを達成した選手になったということだ。

数字的にはこれよりはるかに良い試合も彼のキャリア――そしてペイトリオッツ戦――に存在するが、デービスへのタッチダウンパスほど目を引くプレーはなかなかない。

ビルズが10対7でリードする中、前半終了まで6分を切ったところで、アレンは第3ダウンでペイトリオッツの8ヤードラインから右に走った。ペイトリオッツのアウトサイドラインバッカー(OLB)マック・ウィルソンが彼を狙っていったが、アレンは左手のスティフアームでそれを退けると、サイドライン沿いにステップを踏みながらデービスに鋭いパスを投げ、タッチダウンを決めた。

人々を驚愕(きょうがく)させるこのプレーで、ビルズは点差を10点に伸ばし、楽な勝利へと進んでいった。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ/NGS)』によると、アレンはこのプレーで33.1ヤードのランを記録しており、パスの瞬間のサイドラインとの距離はわずか0.3ヤード(約27.4cm)だったという。NGSが記録を始めた2016年以降で成功したパスの中で2番目に近いものだったとのことだ。

2016年以降、サイドラインの1ヤード以内から放たれたパスで成功したものは4つあり、なんとそのうち3つをアレンが記録している。

このハイライトを決めながら、アレンはペイトリオッツ相手にインターセプトなしでタッチダウンパスを複数回決めた4回目の試合を達成。これはベリチックがチームの指揮を採った2000年以降に彼らと対戦したQBの中で最も多い。多くのチームを痛めつけてきたアレンだが、ライバルのペイトリオッツ相手にはもはや習慣のようになってきている。

ターンオーバー15回というのはリーグ最多だが、木曜日を終えてアレンは再び他者にはできないような驚異のプレーができることを示し、彼の前にQBを務めた何人かと違い、2方面で結果を出せることを証明した。

「今夜の俺たちはすごくいいプレーができたと思う」とアレンは言っている。「正直に言えばたった24点だけど、ディフェンスが素晴らしい仕事をしてくれた。無理をする必要もなかったし、ミスもなかった。やり直したいプレーもいくつかあるけど、こうした地区内、アウェーでの勝利はやっぱりいいものだよ。このリーグで勝つのは大変なことだからね。俺たちはここから学んで前に進む」

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