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WRベッカムの訪問が終わるも、カウボーイズに契約の動きなし

2022年12月08日(木) 13:06


オデル・ベッカム【AP Photo/Alex Menendez, File】

2022年シーズン末までの期間に向けてフリーエージェント(FA)のオデル・ベッカム獲得にかなり意欲的だったように見えていたダラス・カウボーイズだが、今週にベッカムがチームを訪れたものの、状況は以前ほど明確ではない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェーン・スレイターが現地7日(水)に伝えたところによれば、カウボーイズは今回の訪問の結果としてベッカムにオファーを出しておらず、その理由はベッカムのワークアウトを直接見ることができないことへの懸念と、今季にプレーできるかに関する疑問が大きかったという。

ベッカムが第56回スーパーボウル中にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂してから10カ月が過ぎ、当初の予測では11月中旬にはプレー可能な状態になると見られていたものの、そのタイムラインはすでに延びている。スレイターによれば、カウボーイズはベッカムが実際に活動し、体を動かしてルートを走る様子を見ていないため、そういった重要な情報がないまま評価せざるを得ない点に懸念を抱いたとのことだ。

カウボーイズは今季に、そして、進出できるとすればポストシーズンにもプレーできる選手を求めており、ワークアウトがなかったこと――およびそれがベッカムの回復状況について示唆すること――が、ベッカムの訪問前に比べてダラスの姿勢を消極的にしているとスレイターは述べている。

正式な訪問が終わった今、カウボーイズ首脳陣はOBJとの契約について質問を受け続けるだろう。今週行われたインタビューで、ヘッドコーチ(HC)マイク・マッカーシーとオーナーのジェリー・ジョーンズはベッカムとの話し合いについて尋ねられた。

水曜日に行われた記者会見で、マッカーシーHCはベッカムの訪問は“とてもうまくいった”とし、「私は彼のあの雰囲気が気に入った。私たちの話し合いすべてに満足した」と話している。ただし、マッカーシーHCはカウボーイズが現時点でベッカムとの契約についてどう考えているかについては明かさなかった。

オーナーのジョーンズは火曜日に、ベッカムの訪問について『105.3 The Fan(105.3ザ・ファン)』のインタビューでもっと冗舌に語っている。ジョーンズはベッカムとの長い面談を楽しんだと話しながらも、ACL断裂を経てワークアウトを見ていない選手と契約を交わす上での自信について聞かれると、やはり未知の要素に対する懸念を示していた。

「そうだな、自信はない。まったくな。そこが問題なんだ。われわれは健康上の問題や、出場できるかについての問題があることを把握している。すべてをよく見なければいけないし、パフォーマンスなどの明白なものにとどまらず、健康に関するすべての問題を見なければならない。したがって、そういったことすべてを自分たちの目でよく見てなけれらばならず、解決される必要があるし、そのときに契約ができるかどうかが判断できる」とジョーンズは話した。

カウボーイズは他のチームではなく自分たちがこのワイドレシーバー(WR)を獲得すべく、数日にわたってOBJをもてなした。しかし、いかなる契約であれ、今の段階で最も影響力を持つのは本人の健康状態のようだ。

ベッカムはアリゾナの自宅に戻り、家族と共に選択肢について話し合い、次の一歩を決めるだろうと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラオポートが伝えている。ベッカムが自分の進路について熟考する間、カウボーイズもこの取引を進めるかどうかを決めなければならない。

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