暫定HCウィルクスの下で追い上げるパンサーズ、プレーオフ進出の可能性も
2022年12月13日(火) 13:47カロライナ・パンサーズで暫定ヘッドコーチ(HC)を務めているスティーブ・ウィルクスは、チームがシーズン終盤にかけて大躍進を遂げる準備を整えている。
現地11日(日)、パンサーズはシアトル・シーホークスを30対24で打ち負かし、1年以上ぶりにアウェーでの勝利を手にした。
パンサーズはシーズン序盤に苦戦を強いられており、それはマット・ルールの解任にもつながっている。そうした状況にもかかわらずウィルクスがチームを一つにし続けてきたことを、選手たちは評価しているようだ。
チーム公式サイトによると、ラインバッカー(LB)シャック・トンプソンは「俺たちはウィルクスの後ろについている」と語ったという。「彼は本物のリーダーとしてここにやって来た。みんな彼の後について行っている」
「彼がやってきたことはアメージングだ。俺たちが経験していることを見てほしい」
暫定HCとして職務を引き継いだとき、ウィルクスは押しの強いプレーを展開して強固なディフェンス力を発揮し、ミスを避けながらランでボールを前に進めていくチームにすると約束した。シーホークスを撃破した試合でパンサーズはそのすべてを実行に移している。
パンサーズは223ランヤードを稼ぎ、時計を狂わせ、チェーンを動かした。第1ダウンを24回獲得し、そのうち14回をランプレーで成功させている。パンサーズは最後の19回のプレーのうち17回でランプレーを選択し、勝利をものにした。守備陣は相手クオーターバック(QB)ジーノ・スミスに2回のインターセプトを決め、試合の行方がかかった第4クオーターでは相手にパントを強いている。
ウィルクスは「ロッカールームにいるメンバーがどれほどハードに、どれほど献身的にやってきたかを考えたら、またもや興奮させられた」と述べ、次のように続けた。「私たちは“それ”を乗り越えられることに気がついた。私はいつも、どんな“それ”であれ、“それ”に邪魔をされないようにしようと話している。そして、それはコーチの交代から始まった。選手が去ったり、コーチが去ったりと、いろいろなことがあった中で、私はそれを進めることができている。また、ロッカールームにいる選手たちは、再び集中してやり遂げる方法を見つけている」
今回の勝利を受け、パンサーズはここ4試合中3試合で白星を挙げ、ウィルクスが就任してからのチームの成績は4勝4敗となった。タンパベイ・バッカニアーズが調子を崩し、ニューオーリンズ・セインツが自らの困難な状況を脱することができず、アトランタ・ファルコンズがここへきて新人QBの起用に踏み切るなど、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区は悲惨な状況となっている。その中で、ウィルクス率いるパンサーズは最も安定したチームへと変貌を遂げた。
トンプソンは「プレーオフのメンタリティに関して言うと、昨夜、チームと話をしたとき、プレーオフに進出できるチームになるには、こういう試合、こういう環境に打ち勝たなきゃいけないんだとみんなに伝えた。そして、彼らは打ち勝ったんだ」とコメントしている。
パンサーズは今シーズン最後の4戦で、現時点で勝率5割を切っているチーム――ピッツバーグ・スティーラーズ(5勝8敗)、デトロイト・ライオンズ(6勝7敗)、バッカニアーズ(6勝7敗)、セインツ(4勝9敗)――と対峙する予定だ。最後に地区ライバルとの2戦を控えているものの、彼らには前回の試合ですでに勝利を挙げている。そうした中で、パンサーズには地下から屋上へと登りつめるような信じられないチャンスをつかむ可能性があるのだ。
トンプソンは「俺たちはいつも、ただただ一緒にやってきた。それが一番大きなことだ。勝っても、負けても、引き分けても、俺たちはずっと一緒にいた。みんながお互いのために戦おうとしていた。このチームには全員の名前が乗っかっているし、俺たちは華々しく終えて見せる」と強調している。
「全員が責任を引き受けている。今は1ゲーム差だし、同時に1つ1つ着実にやっている。これ以上ないほどこのチームを誇りに思っている」
パンサーズが一つにまとまり、ポストシーズンに進出する可能性を引き寄せていることは、ウィルクスの手柄だと言えよう。ウィルクスはその信じられないほど素晴らしい仕事ぶりによって、カロライナでフルタイムの仕事を得ることになるかもしれない。
【RA】