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QBカーをベンチに下げる可能性を否定しないレイダースHCマクダニエルズ

2022年12月28日(水) 10:14

ラスベガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/Don Wright】

ラスベガス・レイダースがジョシュ・マクダニエルズHC(ヘッドコーチ)の下で過ごした最初のシーズンは、途中でわずかな希望が見え隠れしながらも、底知れぬ深い穴へと続いていく恐ろしいジェットコースターのようなものだった。

チームから試合終盤に勝利を確定させることを求められたとき、クオーターバック(QB)デレック・カーはそれに失敗している。現地24日(土)夜にピッツバーグ・スティーラーズに惨敗したことで、レイダースのシーズンは絶望に近くなった。カーはその試合の後半に3回のインターセプトを犯して勝利の可能性をつぶしている。

パスゲームで一貫してボールを運べないことに、マクダニエルズHCは困惑しているようだ。

『Associated Press(AP通信)』によると、マクダニエルズHCは「この時期に勝利し、生産性を上げるには、オフェンス面でこの1カ月半で投げてきたボールよりも良いボールを投げる必要がある。全体的に見れば、それでも何度かは勝てたが、それが目標ではないのは明らかだ。目標はこれまでの自分たちよりも生産性を上げることだ」と話しているという。

カーはここ数週間でキャリア史上最も精彩を欠くパフォーマンスを見せている。カーが1試合で3回以上のインターセプトを喫したのはシーズン第1週を含めて今季2度目のことだった。カーはシーズン第12週以降に5試合連続でインターセプトを犯しており、その数は合計で9回におよぶ。これはNFLの中でも最も多い数字だ。レイダースのクオーターバックがインターセプトを記録した連続試合数としては2013年シーズンのマット・マグロインと並んで最も多い。

試合後、カーは「ベストを尽くさなければ、チームを失望させ、組織やファンを失望させることになる。それはつらいことだ。結局のところ、誰も気にとめない。立ち上がり、進み続けないと」と語った。

レイダースがこのままカーと共に歩んでいくのか、それともベテラン選手と離別する準備を進めていくのかが疑問となっている。

月曜日、最後の2試合でカーをベンチに下げてバックアップQBジャレット・スティッドハムに出場させることを考えるのかと単刀直入に質問されたマクダニエルズHCは、カーを熱心に擁護することはなく、次のように述べた。

「ポジションに関係なく、正しいことをする可能性はあると思う」

レイダースが最後の2週間でカーをベンチに下げた場合、それは次のオフシーズンにベテランから離れるという意思表示なのかもしれない。今シーズンが始まる前にカーがサインした3年の契約延長には、2月15日(水)までに彼をカットする場合を除いて、レイダースが2023年に約3,300万ドル(約44億0,438万円)を保証するという条件がついていた――カーをカットした場合、残されるキャップヒットはわずか560万ドル(約7億4,738万円)だ。カーが最後の2週間で深刻なケガに見舞われた場合、レイダースは保証金を支払う債務を負う。

マクダニエルズHCは落胆のシーズンを送っている責任は全員にあると指摘した。しかし、事態が悪化したとき、クオーターバックが主に批判の的になるのはよくあることだ。

「誰だって今よりもっとうまくできるはずだ。彼が誰よりも早く、自分にも同じことができると伝えてくれると私は確信している」とマクダニエルズHCは強調している。

【RA】