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「ここに来たのはあいつがいたから」とベンチに下がったQBカーについて話すレイダースWRアダムス

2022年12月30日(金) 17:57

ラスベガス・レイダースのデイバント・アダムス、デレック・カー、キーラン・コール【AP Photo/David Zalubowski】

デイバント・アダムスがラスベガス・レイダースにやってきたのは最前列で友人がベンチに下げられるのを見るためではない。

しかし、それが現実であり、現地28日(水)、アダムスはクオーターバック(QB)デレック・カーの降格についての質問に答えることを強いられた。

「ここにいる連中の中でそれにワクワクしてるヤツなんてどう考えてもいないと思うぜ」と彼は答えた。「あいつは俺のすごく親しい友人の1人だし、そもそも俺がここに来た理由はあいつだ。つまり、あいつがここにいなきゃ俺は今ここにいないってことだ。俺がどう思ってるかはみんな知っているだろう。けど、物事にはプロセスってのがあって、今ここであれこれ続ける気はないけど、俺があいつを支持することだけは確かだよ」

アダムスがオフシーズンにラスベガスに移籍することは、カーが積極的にフレズノ州立大学時代のランニング仲間をメディアインタビューで勧誘しだした1年近く前から予想されていたことだった。グリーンベイ・パッカーズはアダムスについて決断すべき時が来ると、彼にフランチャイズタグを付け、それが行き詰まった結果、トレードでアダムスはレイダースに行くことが決まった。すると彼はすぐに大型延長契約にサインし、これで旧友カーとの長期的パートナーシップが約束されたはずだった。

ところが、レイダースのヘッドコーチ(HC)ジョシュ・マクダニエルズがカーをベンチに下げ、バックアップQBジャレット・スティッドハムを先発に指名したことで、コンビは1シーズンもたたずして解消となってしまった。

レイダースがまだプレーオフ争いから脱落していないことを考えると、この決断は驚きをもって大部分に迎えられた。クリスマスイブの敗北で可能性は大きく減ったものの、他の試合の結果次第でレイダースはぎりぎりポストシーズンに滑り込める可能性を残してシーズン第18週に入れたはずだ。

しかし、マクダニエルズは第16週のピッツバーグ・スティーラーズ戦で3回のインターセプトを喫したカーに見切りをつけ、決断した。

オフシーズンに3年間の契約延長を交わしたにもかかわらず、水曜日のニュースはカーがNFLで唯一知るチームでの彼の未来に疑いを生じさせた。そしてアダムスは、レイダースに来た一番の理由となった人物がいない状態でラスベガスでプレーを続けなければならない可能性に直面している。

カーのレギュラー落ちがここでの長期的展望を変化させることはあるかとの問いに、アダムスは直接の返答を避けた。

「まあ、まだ2試合残っている」とアダムス。「今週は49ersで、あともう1試合、最後のがある。今はそれに全力で集中している」

プロになってから初めて一緒に過ごしたシーズンで、アダムスとカーは確かな生産性を見せてきた。アダムスは88回のキャッチで1,290ヤード、12回のタッチダウンを決めた。表面上は良い数字であり、2人の連携がうまくいっていることを示唆している。だが、レイダースは後半にボールを動かせないことが多過ぎた。そのために何度も痛い敗北を味わっている。

カーとアダムスのコネクションは生産的ではありつつも、オフシーズンに期待されたほどの勝利にはつながっていない。複雑な事情もあるだろうが、マクダニエルズがスティッドハムとの交代を命じたということは6勝9敗の戦績の原因はカーだということなのかもしれない。

マクダニエルズは興味にあらがいきれず、決断した。ポストシーズンに進む可能性が極めて少ないことから、信頼できなくなったクオーターバックにプレーを続けさせるより、スティッドハムの率いるチームを見てみたいと思ったのだ。

だからといって、シーズン第17週でアダムスの背負う責任が変わるわけではない。ただし、レイダースにいることについての彼の感情については、どうだろう。

「ボールは転がり続ける。考えなきゃならない」とアダムスは言った。「俺はあいつなしで8年プレーしてきた。それは当時そうしなきゃならなかったからだし、このシーズンの残りもそうしなきゃならない。そこから前に進んで、どうなるかを見てみるしかない」

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