他の多くの人々と同じように、シンシナティ・ベンガルズのクオーターバック（QB）であるジョー・バロウも現地2日（月）に起こったことを受けとめるのに苦心している。

水曜日、バロウはバッファロー・ビルズのセーフティ（S）ダマー・ハムリンがベンガルズとのマンデーナイトフットボール中に心停止に陥ってから初めて、公の場で心境を語った。シンシナティ大学医療センターで今も予断を許さない状況が続いているハムリンだが、ビルズは回復の兆しがあると水曜日に明かしている。

過去2日間の経験について、バロウは「感情があふれた。もちろんね。ものすごく怖かった」とコメント。

「はっきりしたことは分からなかった。たくさんのうわさがあって、いろいろなことが起こっていた。だから、すごくエモーショナルな48時間だった。これまで起こったことについて、言えることはあまりない」

恐ろしい光景に、ビルズとベンガルズの多くの選手が、フィールド上で感情的になっていた。両チームがハムリンの元に集まり、痛ましい事態の前でお互いを支えていた。バロウはビルズのQBジョシュ・アレンに近づき、医療関係者がハムリンに緊急の治療を施す中で、友人を助けようとしていた。

このときに何が起こっていたのかを水曜日に説明したバロウは、報道陣に「普通のフットボールのケガではないのは、最初からすごくはっきりしていた」と話している。

「俺たちは自分にできるすべてをやろうとしていた。そこに集まり、彼を見て、あなたが言ったように、ああいう状況で自分にできる限りのサポートをしようとした。あんな状況で、誰もプレー続行を望んでなかった。もし俺たちの選手の一人に起こったことだとしたら、俺たちのロッカールームでみんながどう感じていただろうかは分かっているし、自分たちがどんな感情になっていたか分かっている。そして、それは彼らの選手の一人に起こったんだ。だから、恐ろしくて、気持ちがめちゃくちゃになる夜だった」

試合が延期された直後から数時間の間で、バロウはチームメイトたちへの愛情と支持を確実に示す一方、マンデーナイトに起こった前例のない出来事の中でチームを率いる存在となっていた。

バロウは水曜日に、ヘッドコーチ（HC）ザック・テイラーがこういった状況の中でどう責任を果たしたかについて感謝を示し、“ザックのような人のためにプレーすることを誇りに思う”と話している。

ディフェンシブタックル（DT）D.J.リーダーも、自分の先発QBに同様の感情を抱いたようだ。

「（バロウは）特に素晴らしい働きをして、俺たちの先頭に立ってそこへ行き、彼らのキャプテンと話をしつつ、一つのチームとしてまとまって、俺たちはお互いを愛しているって声をかけあったんだ」とリーダーは水曜日に振り返った。

「これだけマッチョなスポーツだし、本当ならそうするべきだけど、そういうことはブラザーたちにあまり言わない。特に、一緒に移動して、一緒に汗を流し、血を流し、いつも一緒にメシを食ってきた仲なんだ。それこそ、このゲームで俺たちが互いに抱いている敬意なんだから、そういうことはもっと言うべきなのにな」

「だから、みんなが集まってお互いに愛してるって伝え、互いの体に腕をまわして、ただお互いのためだけにそこにいたのは、よかった」

シーズン第18週は土曜日にスタートしようとしており、バロウとベンガルズには頭を切り替えてショートウイークでの試合に向けて準備するというタスクが課されている。ベンガルズはボルティモア・レイブンズを本拠に迎え、日曜日にAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）北地区のタイトルを決める可能性のある一戦に臨む。

バロウはそのタスクが、マンデーナイトに自分とチームメイトたちが目撃したものからただ精神を切り替えるといった単純なことではないと分かっている。チームメイトたちが今週末のプレーを望んでいるか知っているかと問われたバロウは、確証が持てない様子だった。

「個人的には、プレーするのは多分・・・タフだって思う」と言うバロウは「でも、プレーしたがっている人もいるし、そうじゃない人もいる。個人的には、俺は多分プレーしたい。できるだけ普通の状態に、できるだけ早く戻るっていうのが、こういうことに対するやり方だと思う。だが、さっきも言ったように、人によって対処の仕方は違うんだ」と続けた。

NFLは水曜日に、シーズン第17週のビルズ対ベンガルズを再開するかどうかについての協議を開始したと発表。NFLコミュニケーション広報制作担当副社長のジェフ・ミラーはカンファレンスコールで、リーグは試合のステータスに関して何の結論も下していないものの、今後数日以内に決定する予定だとしている。

日程を改めて試合を終わらせることについて、バロウは「厳しいとは思う。単純に、スケジュール的な部分で」とコメントし、次のようにつけ加えた。

「バッファローがどうしたいかが、俺たちがどうしたいかでもあると思う。俺たちは彼らを100％支持しているし、彼らがこれから何をやると決めても、彼らをサポートする」

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