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NFLがビルズ対ベンガルズ戦の中止を発表、場合によってAFCチャンピオンシップの会場は「中立地」に

2023年01月06日(金) 11:51

【NFL】

NFLは現地5日(木)、シーズン第17週マンデーナイトフットボールとして試合開始を迎え、その後、延期されていたバッファロー・ビルズとシンシナティ・ベンガルズの一戦を再開せず、中止することを発表した。

NFLは声明の中で「シーズン第17週のバッファロー・ビルズ対シンシナティ・ベンガルズの試合は再開せず、中止とする」とし、「ビルズおよびベンガルズ、NFL選手会(NFLPA)幹部と相談」した上で、発表に先だってNFLコミッショナーのロジャー・グッデルから全チームに対して今回の決断を通達したと説明している。

また、グッデルは声明の中で「非常に難しい1週間だった。われわれは引き続き、ダマー・ハムリンの回復に注力しており、彼の容体の回復はもちろん、全米から寄せられているダマーと彼の家族に対する多大な支援と配慮に勇気づけられている。加えて、医療関係者の素晴らしい取り組みにも心から感謝しており、そのひとり一人に深謝申し上げる」と述べた。

NFLの声明では今回の決断について次のように説明されている。


今回の結論に至った主な要因:
◆ビルズ対ベンガルズ戦を試合終了まで実施しなかった場合も、いかなるクラブのポストシーズン出場権獲得に影響を及ぼさない。この試合の結果によって、ポストシーズン出場権を獲得するクラブも脱落するクラブもいない。
◆(編集部訳注:試合を再開する場合)プレーオフの開始を1週間延期する必要があり、それによってポストシーズンの出場資格を得る14クラブ全てに影響を与える。
◆シーズン第18週の前に決断を下すことが、われわれの競争原理と一致しており、レギュラーシーズン最終週の試合を実施する前に、全クラブがプレーオフの可能性を把握できるようになる。

ビルズ対ベンガルズ戦を中止することは、特定のプレーオフ戦線のシナリオにおいて競争上の不公平を生む可能性がある。このような不公平を緩和するため、NFLクラブは明日のリーグ特別総会において、コミッショナーが推奨し、かつ本日に競技委員会が承認した2つの要素からなる決議案を検討することになっている。

1)AFCチャンピオンシップゲームに出場を決めたチームの試合数が不均等だった場合、かつ、AFCの全クラブが17試合のレギュラーシーズンをすべて戦っていたとして勝ち進んだ両チームが第1シードとホームフィールドアドバンテージを獲得できた可能性がある場合、AFCチャンピオンシップゲームは中立の会場で開催する。これらの状況はビルズもしくはベンガルズがロード(アウェー)チームとして試合に出場することに関連しており、そのケースは下記の通り。

<シナリオ1>
ビルズとカンザスシティ・チーフスの両者が勝利、もしくは引き分けた場合、ビルズ対チーフスのチャンピオンシップゲームは中立地にて実施する。

<シナリオ2>
ビルズとチーフスの両者が敗北し、ボルティモア・レイブンズが勝利もしくは引き分けた場合、ビルズ対チーフスのチャンピオンシップゲームは中立地にて実施する。

<シナリオ3>
ビルズとチーフスの両者が敗北し、ベンガルズが勝利した場合、ビルズもしくはベンガルズとチーフスによるチャンピオンシップゲームは中立地にて実施する。

2)シーズン第18週にレイブンズがベンガルズに勝利した場合、地区ライバルのベンガルズに2勝したことになるが、16試合の日程となるベンガルズの勝率が、17試合の日程であるレイブンズの勝率を上回っているため、プレーオフの試合をホームで実施することはできない。

もしレイブンズがベンガルズに勝利し、この2チームがワイルドカードゲームで対戦することになった場合、会場はコイントスによって決するものとする。ベンガルズがシーズン第18週に勝利する、もしくは、レイブンズとベンガルズの対戦がワイルドカードラウンドで実現しない場合、試合会場は通常のスケジュール調整手順によって決定される。


また、グッデルは「フットボールのスケジュールを検討するにあたり、リーグ全体の混乱を抑えつつ、競技上の不公平を最小限に抑えることを原則とした。完璧な解決策がないことは認識している。しかしながら、われわれがオーナーシップに検討を求めているこの提案は、今回の緊急事態の中で試合を行わないという、困難ではあるものの不可欠な決定によって生じる最も重大な潜在的不公平の問題に対処するものである」と述べている。

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