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レジー・ブラウンに触れつつビルズSハムリンについて語るペイトリオッツHCベリチック、「人生はこのゲームより重要」

2023年01月06日(金) 11:55

ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【Perry Knotts via AP】

現地5日(木)、ニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはバッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンについての思いを語った。シンシナティ大学医療センターの医師によると、月曜夜に行われたシンシナティ・ベンガルズ戦で心停止に陥ったハムリンは、現在も集中治療を受けているものの、“相当な進歩”を遂げているとのこと。

シンシナティで起こった恐ろしい出来事を見て、ベテランコーチは25年以上前に起きた別の恐ろしいケガを思い起こしている。

1997年、ニューヨーク・ジェッツがデトロイト・ライオンズと対戦するために敵地を訪れたとき、ベリチックはジェッツの守備コーディネーター(DC)を務めていた。その試合はライオンズにとって祝賀会のようなものになるはずだった。というのも、ライオンズはプレーオフ進出まであと一歩のところまで迫っていただけではなく、元ランニングバック(RB)バリー・サンダースがあと数ヤードで2,000ランヤードを達成しそうになっていたからだ。しかし、それは一瞬にして悲劇的かつ衝撃的な試合となっている。

当時、キャリア2年目だったラインバッカー(LB)レジー・ブラウンはジェッツのランニングバックだったエイドリアン・マレルに対してタックルを仕掛けた。それはどう見ても通常のプレーのように見えた――その点では月曜夜に起きた出来事と似ている――が、その直後、ライオンズの選手たちは異変を察知した。ブラウンは動けず、呼吸も困難な状態となり、その後に意識不明になったのだ。

その瞬間、ライオンズの全員がブラウンのそばにひざまずき、観客で埋め尽くされたシルバードームは静まり返った。ブラウンはCPR(心肺機能蘇生)を必要としていたが、それにより命をつなぎ止めている。当時23歳だったブラウンは、この日に負った脊髄損傷が原因で、NFLキャリアに終止符を打つことになった。

ベリチックは木曜日に臨んだ記者会見で「あれはとても恐ろしい試合だった。当然ながら一生忘れることはないだろう。多くの試合に参加してきたが、印象的な瞬間があった試合がいくつかあり、あれはそのうちのひとつだ」と振り返っている。

月曜日にハムリンが倒れる場面を見たとき、ペイトリオッツの選手とベリチックを含め、NFLの選手やコーチは確かに不安に襲われた。

「私に言えること、言おうとしていることは、誰もがベストを尽くしていると私は思っているということだ」と述べたベリチックは次のように続けている。「どんな見方をしていたとしても、恐らく誰もが同じことをやっているんだと思う」

「繰り返しになるが、このリーグにいる人たち、あるいはこのような経験をしたことがある人たちと話してみると、みんなそれぞれ違っているし、何も同じだとは言わない。だが、簡単な答えなんてないとは思う。ただただ、できる限りの対処をしているだけだ」

ペイトリオッツ(8勝8敗)は日曜日にバッファローでビルズ(12勝3敗)と対戦する予定だ。そうした中で、フットボールより重要なものがあることを知っているベリチックは、こう話している。

「フットボールはとても素晴らしく、コンペティティブなゲームだ。残念ながら、ケガやこうした出来事は時として起こってしまう。それはとても残念なことだ。とられた対応はとても迅速で良かったように見えた。それに対しては感謝している。しかし、人生はこのゲームより重要だ。あれはわれわれ全員を謙虚な気持ちにさせる瞬間だった」

【RA】