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ビルズSハムリンの病状が改善したと聞いて安堵するベンガルズWRヒギンズ

2023年01月06日(金) 14:08

シンシナティ・ベンガルズのティー・ヒギンズ【NFL】

現地2日(月)に行われた試合で、バッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンが心停止に陥る直前に彼とぶつかったシンシナティ・ベンガルズのワイドレシーバー(WR)ティー・ヒギンズは、ハムリンの家族から受けたサポートと、ハムリンの容態に改善が見られたことが、プレーに巻き込まれたことで経験したつらい状況を克服する助けになったと木曜日に語っている。

今回の出来事が起こってから初めて公の場に姿を現したヒギンズは「みんなが俺を元気づけてくれた。彼のお母さんとも話した。すべて問題なく、彼は大丈夫だ。だから、今は気分が落ち着いている」と話している。

シンシナティ大学医療センターの医師は木曜日、ハムリンについて「過去24時間の間に容体にかなりの改善が見られた」と発表した。

ヒギンズはハムリンの家族からサポートを受けている。この事実は、試合が終わってからこれまでにヒギンズに向けられたネガティブな感情を公然と押しのけることにつながっている。

ハムリンの母親であるニーナとの会話について「彼女は俺のことを考えているとか、俺のために祈っているとか、そういうことを伝えてくれた」と明かしたヒギンズは「彼女は、彼は大丈夫だと伝えてくれている。良いこと、ポジティブなことだけを話してくれたんだ」と続けた。

シーズン第17週マンデーナイトフットボールのビルズ対ベンガルズ戦の第1クオーター残り6分強となったタイミングで、ヒギンズはクオーターバック(QB)ジョー・バロウからのパスをキャッチしてそのままハムリンのいた方へ向かって走り出した。それを受け、ハムリンは13ヤードを稼いだヒギンズにタックル。その後、フィールドに崩れ落ちるように倒れ、医療関係者が彼に駆けつける事態となった。

ハムリンの重症度が明らかになるにつれ、何が起こったのかを考えざるを得なくなったヒギンズは、次のように振り返っている。

「最初は、いちフットボールプレーヤーとして、彼は単にバタッと倒れただけで、うちのチームの誰かとぶつかったんだろうなと思っていた。彼が倒れている姿を見て、そのあともう一度見て、何が起こったのかを目の当たりにした。だから、俺は顔をそむけて考えないようにしていた。何かおかしなこと、悲劇的なことが起こったのだと分かっていた。つらかったよ。明らかに、プレーを続行できるような状態ではなかったから、プレーしないという判断になってうれしかった」

月曜夜からの数日間は“つらかった”と語った一方で、日曜日に組まれているボルティモア・レイブンズ戦には出場するつもりのヒギンズはこうコメントしている。

「結局のところ、俺は仕事をするためにここにいる。チームメイトから必要とされているし、俺自身もチームメイトを必要としている。だから、チームメイトをがっかりさせたくなかった。大変なことだと分かっていても、結局のところ、自分にはやるべきことがあると思っている」

月曜夜に恐ろしい出来事が起きてから、多くのチームメイトや、リーグ中の仲間たちがヒギンズの味方についている。ビルズのQBジョシュ・アレンは木曜日に臨んだ記者会見の最後に、ヒギンズへの支持を表明し、ヒギンズに寄せられている批判の声を非難した。

アレンは「ティーには連絡していない。今日、いくらかホッとできているといいなと思う」と話している。「“Twitter(ツイッター)”でいろいろと見た。何があっても人々は彼を攻撃すべきではないし、ダマーの家族が出てきてああ言ってくれたのはよかった。彼が今日、少しでも楽な気持ちになっていたらいいなと思う。だってほら、あれはフットボールのプレーであって、俺は彼に抱え込んでほしくはないから。なぜなら、あの状況で彼にできることは他になかったからだ。だから、俺はこのことも言いたかった」

バロウは水曜日にチームメイトのヒギンズについて「彼は元気だ。彼は俺たちみんなと同じようにかなり動揺している。すでに言ったように、あんな状況は見たことがない。残念なことではあるけど、それもゲームの一部だ。二度と起こってほしくないことだけど、月曜日の夜に見たように、それは起こり得ることだし、また起こるだろう」とコメントしている。

木曜日の病院からの発表では、ハムリンが目覚めたときに最初に尋ねたのが「俺たちは勝ったのか?」という質問だったことも明かされた。それに対し、医師は「そうです、ダマー。勝ったんです。命の闘いにあなたは勝ったんです」と答えたという。

「実は、それを聞いたとき、思わず笑ってしまったんだ。たぶん自分も同じ質問をすると思うからね」と明かしたヒギンズはこうつけ加えた。「“どっちが勝ったんだ?”って。でも、これで彼が集中していることや、全力でやる準備ができていることが分かっただろ。でも、それが分かってよかったよ」

「彼は間違いなくそれで命の闘いに勝ったんだ。だって、それはクレイジーだろ」

【RA】