キングスベリーHCの去就が定まらない中でHC候補の下調べをしていたカーディナルス
2023年01月09日(月) 14:26アリゾナ・カーディナルスはここ数週間で、ヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーの将来を検討しながら、コーチの変更を視野に入れて準備を進めていたと情報筋が明かしている。しかし、その準備が変化につながるかどうかは依然として不明だ。
情報筋によると、オーナーのマイケル・ビッドウィルは現地8日(日)に実施されたサンフランシスコ・49ers戦の前にいかなる判断もキングスベリーHCに伝えていなかったという。先週、自分の将来について質問されたキングスベリーHCは、毎日ビッドウィルと話していると述べた一方で「それに集中するのは日曜日以降だ」と強調していた。
キングスベリーHCが就任3年目にチームをプレーオフ進出に導いてから1年しか経っていない中で、ビッドウィルは水面下で候補者の情報を集め、変化を起こす場合にどのようにプロセスを進めていくかを考えていたようだ。
万が一に備えて計画を立てることは、決して珍しいことではない。とはいえ、カーディナルスの状況は複雑だ。長年ジェネラルマネジャー(GM)を務めてきたスティーブ・カイムが先月、健康上の理由で無期限の休職に入っており、仕事に復帰する可能性は低いと言われているからだ。カイムGMが不在となったことで、ビッドウィルは相談相手として長年頼りにしてきた人物を失っている。そのため、ヘッドコーチ候補を探す場合にも、ビッドウィルは助けを必要とするはずだ。
カーディナルスがヘッドコーチを変更する場合、その候補としてはニューオーリンズ・セインツの元HCショーン・ペイトンや、カーディナルスの守備コーディネーター(DC)バンス・ジョセフが挙げられる。ペイトンはカーディナルスでヘッドコーチに空きが生じた場合に備えて下調べをしているとされているが、彼は簡単に手に入る存在ではない。一方、かつてデンバー・ブロンコスでヘッドコーチ(HC)を務めていた経歴を持つジョセフはチーム内で高い評価を受けている。
昨シーズンのチームの進歩に十分な手ごたえを感じていたカーディナルスは、キングスベリーHCおよびカイムGMと2027年シーズン末まで続く契約を結んだ。また、クオーターバック(QB)カイラー・マレーとも2028年シーズン末までの大型契約を締結している。しかしながら、それ以降は何もかもがうまくいかなかった。
11勝6敗という好成績を収めて2015年シーズン以来のプレーオフ進出を果たした1年後、カーディナルスはシーズン最終戦で49ersに敗れたことで4勝13敗という成績でシーズンを終えた。12月12日に右膝のACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)と半月板を断裂したマレーは、2023年シーズン開幕までに復帰できない可能性がある。さらに、マレーがこのケガに見舞われた2日後、カーディナルスはカイムGMが休職することを発表した。
ビッドウィルは暫定的に選手人事を担当している幹部のクェンティン・ハリスとエイドリアン・ウィルソンを気に入っているため、両者ともジェネラルマネジャーの候補として浮上する可能性はある。しかし、2人とも過去にジェネラルマネジャーを務めた経験はない。
コーチの変更は組織にとって、あまりにも過度な変化となるのだろうか? ビッドウィルがアップグレードする決断を下す場合を除いて、キングスベリーHCに残りの契約金額を支払う価値はあるのだろうか? オフシーズンを迎えるカーディナルスには整理すべきことが山積みだ。
【RA】