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余力があると分かっていながらも引退する道を選んだとカーディナルスDEのJ.J.ワット

2023年01月10日(火) 09:35

アリゾナ・カーディナルスのJ.J.ワット【AP Photo/Jed Jacobsohn】

殿堂入りが確実視されているアリゾナ・カーディナルスのディフェンシブエンド(DE)J.J.ワットは、現地8日(日)に行われた試合でサック2回という素晴らしいパフォーマンスを見せたにもかかわらず、引退の意向を変える気はないようだ。

チーム公式サイトによると、ワットは「まだ自分が(プレー)できるのは分かっている。単純にそうしないことを選んだ」と語っているという。

日曜日にサンフランシスコ・49ersに敗れた試合で、ワットは実際にまだプレーできることを示した。ワットは49ersのクオーターバック(QB)ブロック・パーディーに2回のサックを決めた他、タックル5回(うちフォーロス3回)、パスディフェンス1回をマーク。12年のキャリアを締めくくる最後の試合で、絶えずバックフィールドまで迫っていたワットは、5回のQBプレッシャーを記録している。これはカーディナルスの他のどの選手よりも多い。

健康状態が良好なとき、33歳のワットはまだプレーする力が残っていることを示しており、2022年シーズンには通算でサック12.5回を積み上げてきた。シーズン第6週以降、ワットは43回のQBプレッシャーを決めており、これはフィラデルフィア・イーグルスのノーズタックル(NT)ジャボン・ハーグレイブおよびインディアナポリス・コルツのディフェンシブタックル(DT)ディフォレスト・バックナーと並んでNFLで最も多い数字だ。

日曜日、オフィシャルはスターディフェンダーのためにプレーをストップさせた。これを受け、ワットはツーミニッツウォーニングの際に、サンタクララにいたファンからスタンディングオベーションを受けながらフィールドを離れている。

49ersのヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンはワットについて「彼は私たちにとって、ランゲームでもパスゲームでも、試合を通してずっと厄介な存在だった」と述べ、こう続けた。「だが、最後に落ち着いて彼が立ち去るところを見守る時間をとることができた。この国の誰もが、彼がフィールド内外で成し遂げたことに対して尊敬の念を抱いていると思う。彼は史上最高の選手だ」

ワットは本人が望めばまだプレーできる上に、彼のリーダーシップや能力は多くのチームにとって有益なものだろう。しかし、ディフェンス部門年間最優秀選手賞を3度受賞した後、ケガに悩まされて停滞せざるを得なくなったワットは、余力を残した状態で引退しようとしている。偉大な選手はこうして自分の意思で旅立つべきなのだ。

【RA】