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「本質が変わることはない」とOLに負傷者を抱えながらポストシーズに臨むベンガルズ

2023年01月13日(金) 11:37


シンシナティ・ベンガルズのアレックス・カッパ【AP Photo/Jeff Dean】

シンシナティ・ベンガルズはこの週末を前にして既視感を覚えていることだろう。

ベンガルズは2シーズン連続でプレーオフの試合をホームで主催する。そして、2021年シーズンと同じく、先発のオフェンシブラインの一人(またはそれ以上)を欠いてプレーすることになる。

今回は不運なタイミングでガード(G)のアレックス・カッパが足首を痛め、二人の選手が欠場することになった。カッパはベンガルズがシーズン第18週にボルティモア・レイブンズに勝利した際に負傷し、ヘッドコーチ(HC)のザック・テイラーは現地11日(水)に、日曜日に行われるレイブンズとのスーパーワイルドカードウィークエンドでの再戦にカッパを出場させないことを正式に決定している。

カッパの他にオフェンシブタックル(OT)ラエル・コリンズもシーズン終了となる膝のケガに見舞われおり、ベンガルズがポストシーズンで複数の試合を戦うことを望んでいる中で、チームは欠場する先発選手を二人抱えることになった。コリンズと違ってカッパはこのままシーズン終了になるとは限らないが、彼らの欠場によって、ベンガルズは右側の先発が両方ともいない状態で試合に臨むことになる。

ベンガルズは昨年、12月半ばにベテランOTのライリー・レイフを失い、競争が激しくなるに連れて彼の不在が重みを増すようになった。オフェンシブラインの右側をなんとかして埋めようとベンガルズはあらゆる手段を講じ、スーパーワイルドカードウィークエンドとディビジョナルラウンドでOTハキーム・アデニジーをライトガードに起用。苦しい状況にもかかわらずチームは両試合とも勝つことができたが、カンザスシティ・チーフスとのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームにはアデニジーに加えてルーキーGのジャクソン・カーマンも投入している。今はベンガルズの練習チームに置かれているOTアイザイア・プリンスもライトタックルを任された。

この間にベンガルズはオフェンシブラインに投資する必要があることを痛感させられた。ジェネラルマネジャー(GM)のデューク・トビンはそれに応じ、カッパとセンター(C)のテッド・カラスとコリンズに目をつけて契約を成立させ、チームの最も弱いポジションを効果的に再編成すると、2022年のドラフト4巡目でガードのコーデル・ヴォルソンを獲得した。しかしながら、またしても負傷者が出たことでクオーターバック(QB)ジョー・バロウとベンガルズはおなじみのプレッシャーにさらされている。

もちろん、プレッシャーはバロウにそれほど影響を与えない。彼はテネシー・タイタンズに9回サックされながらもプレーオフで勝利しているのだ。

バロウには、オフェンシブラインの最も重要な部分を担っていると言っても過言ではないセンター(C)のテッド・カラスが残されている。カッパの代わりを務める4年目のベテランG、マックス・シャーピングがベンガルズの一員として初めての先発を全うできるようにすることがカラスの任務になるだろう。

「Oラインは継続する力と再起する力のあるポジションだ」とカラスは『Associated Press(AP通信)』に述べている。「俺たちはシーズン中ずっと練習してきた。それでも俺たちの関係を考えると、アレックスの代わりを務めるのは、ディフェンスをどう読むか、ブロッカーをどう配置するかといった点で難しくなるだろう。彼はシーズン中に絶大な助けとなっていたし、何度かカバーしてもらったことがある。だから、今度は俺が頑張らないといけない。全員がそうだ。マックスは大きなチャンスを手に入れたから、彼のパフォーマンスに期待している」

シャーピングが昨年のアデニジー役を務めることになる。そしてアデニジー本人が、コリンズのシーズン終了の負傷によって空いた右タックルのポジションを担当し、シャーピングのすぐ隣でプレーしていることだろう。

攻撃コーディネーター(OC)のブライアン・キャラハンはこう話している。「彼らは皆、すべてのプレーやそれをどうやって形にするかを練習する機会を与えられてきた。この時期になると、本来の自分たちを劇的に変えられるような斬新なものをいろいろと取り入れるのは難しい。オフェンスとしての本質が変わることはなく、これまでに成功したことをやり続けるだけだ」

このような変更にはこれ以上ないほど悪いタイミングだ。それでもベンガルズにとってせめてもの救いは、前回このようなことが起きたときに彼らはスーパーボウルに出場しているということだろう。

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