レイブンズが6シーズンを共にしたOCグレッグ・ローマンと離別
2023年01月20日(金) 10:51ボルティモア・レイブンズが2シーズン連続でコーディネーターの1人を変更している。
ワイルドカードゲームでシンシナティ・ベンガルズに敗れた後、レイブンズと攻撃コーディネーター(OC)のグレッグ・ローマンが袂を分かつことになったと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが現地19日(木)に報じた。
その後、レイブンズはヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーの声明と共にローマンとの離別を正式に発表している。
声明の中で「グレッグは数シーズンにわたり、ボルティモアで記録的なオフェンスの発展と成功をリードしてきた」と述べたハーボーHCはこう続けた。「彼は素晴らしいフットボールコーチであると同時に、家族思いの人でもある。グレッグは私たちのオフェンスを考案し、NFLやフランチャイズにおける26もの歴史的偉業を達成するよう導いてくれた。彼は私たちのオフェンスのアイデンティティを確立してくれた」
「グレッグの素晴らしい仕事と能力に感謝している。そして、彼とその素晴らしいご家族のご多幸をお祈りしている」
2017年から2018年にかけてレイブンズでアシスタントを務めていたローマンは、2019年に攻撃コーディネーターに就任。そのシーズンにはクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンと相性のいいスキームをもたらし、レイブンズがヤードと得点で1位に、ジャクソンがMVPを獲得するのに貢献している。
しかし、レイブンズは今シーズンに攻撃面でたびたび苦戦を強いられてきた。ジャクソンが膝を負傷したシーズン第13週のデンバー・ブロンコス戦は特にそうだったと言える。ブロンコス戦におけるレイブンズの得点はわずか10ポイント。そして、それ以降の試合で17点を超えることはなかった。レイブンズはジャクソンが健康だったシーズン最初の11試合中9試合で20点以上を獲得していた。
ベンガルズに敗れたプレーオフゲームの転換点となったのはタイラー・ハントリーによるQBスニークの失敗だ。このプレーは結果的にファンブルにつながり、ベンガルズに98ヤードのリターンタッチダウンを決められている。レイブンズのランニングバック(RB)J.K.ドビンズは後に、このプレーコールに関して自分の使い方に対する不満をあらわにした。
ハーボーHCは木曜日に報道陣に対し、チームはローマンの後任探しに“広い網”をかけると述べている。また、ジャクソンが採用プロセスに関与し、彼がそれに“後れを取らない”ようにするともつけ加えた。
「これは世界でもトップクラスのフットボールコーチ職だ。誰もがこの仕事を望むだろう」とハーボーHCは語っている。
12月中旬にクリーブランド・ブラウンズに13対3で敗れ、レイブンズファンが試合中も試合後も“グレッグ・ローマンを解雇しろ”というサインを出していた中、ハーボーHCはローマンの将来に関する質問を腹立たしげに遮っていた。
試合に敗れた後、ハーボーHCは月曜日に「そういうことには触れないつもりだ。あなたたちはそれについて何を話してもいいし、私はそれを尊重する。話せることを何でも話すファンを大切に思っている」とコメントしている。
ローマンの立場が危うくなったのは今回が初めてではない。2021年シーズンにもチームが終盤にかけて調子を崩したことを受け、ローマンがチームを離れるのではないかとの憶測が飛び交っていたのだ。しかし、レイブンズは驚くべきことに守備コーディネーター(DC)のドン・マーティンデールとの離別を選択。マーティンデールは現在、ニューヨーク・ジャイアンツで同じ職に就いている。
2017年にレイブンズにアシスタントとして加わる前、ローマンはバッファロー・ビルズの攻撃コーディネーターを務めていたが、2016年シーズン中に就任から2年足らずで解雇された。ローマンは数シーズンの間、スタンフォード大学とサンフランシスコ・49ersでジム・ハーボー(ジョン・ハーボーの弟)のスタッフとして働いていたこともある。ヘッドコーチを務めていたデービッド・ショーが昨年12月にスタンフォード大学を離れたことで、ローマンには現在、その後任候補として声がかかっている。
ローマンがチームを離れたことで、今後は彼の後任と3月にフリーエージェント(FA)になる予定のジャクソンの将来に注目が集まるだろう。
【RA】