ゆっくり考えをまとめるというQBブレイディに、別れの気配を感じる仲間たち
2023年01月22日(日) 22:05タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)トム・ブレイディは、クリアな頭で選択肢を検討するため、時間をかけて去就について考えるつもりだ。
しかし、数人の選手たちはすでに彼がどちらに傾いているのかを感じ取っている。シーズンを終えた彼らは、ブレイディとの最後のやりとりの際に、彼がもうタンパに戻ってくることはないのではないかと感じたという。
ある選手は言う。「戻ってきたら驚きだよ」
別の選手はこう言っている。「まるで最後の別れを言っているみたいだった」
現地16日(月)の最後の記者会見でも、ブレイディはメディアメンバーに同様の印象を残している。「今年の全てについて、みんなにありがとうと言いたいんだ」と話したブレイディは、組織への愛情、人々が示してくれた敬意への感謝を口にした。
何も確定してはいない。だが、真剣に聞けば聞くほど、それは別れのあいさつのように聞こえた。
彼に近しい人々によると、ブレイディはオープンな考えでこれから数週間の時間を取り、考えをまとめるつもりだという。子どもたちと過ごし、自身の感情を受け止め、選択肢を検討するようだ。
与えられている選択肢は次のようなものだ。
■ 再びバッカニアーズでプレーする。さまざまな証言に基づいて考えると、この可能性はどんどん低くなっている。
■ 以前から計画していた通りに45歳で引退する。彼にはすでに『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』と10年で3億7,500万ドル(約485億8,312万円)の契約があるとも言われている。
■ 2020年のオフシーズンと同様にフリーエージェントとして契約し、他のチームでプレーする。行き先として考えられるのはラスベガス・レイダース、サンフランシスコ49ers、テネシー・タイタンズ等だ。
チームが屈辱的なプレーオフ敗退を喫し、ブレイディはまだ何も決めないことを決めてロッカールームを去った。もしかすると、彼が『SiriusXM(シリウスXM)』のポッドキャスト“Let’s Go!(レッツ・ゴー)”でアーロン・ロジャースに向けて言った自身のアドバイスに耳を傾けるつもりかもしれない。
「一番大事なのはシーズンが終わった次の日だと思う」とブレイディは言っている。「そこで僕は間違いを犯した――将来について翌日に決断するものじゃない」
この週の初めに、バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズはブレイディが気に入っている攻撃コーディネーター(OC)のバイロン・レフトウィッチを解雇した。それがブレイディの決断にどれほど影響するかははっきりしない。オフェンスへの全体的ないら立ちがあるのは明らかだったが、タンパはオフェンシブラインも含めてあちこちに問題を抱えている。
最後の試合でブレイディはシーズン最多の66回のパスを投げて35回を成功させ、351ヤード、タッチダウン2回とインターセプト1回と苦戦したが、それをほとんどランゲームなしでやっている。彼の腕の強さは、速度に関する限り、まだ衰えていないという見解もある。
いずれにしても、ブレイディがタンパに戻らないとすればバッカニアーズの状況は劇的に変わる。新しいOCが来るだけでなく、3月15日(水)に彼の契約が改定されずに自動的に無効となれば、3,510万ドル(約45億4,738万円)というNFL史上2番目に高いキャップヒットが生まれることになる。加えて、彼らにはクオーターバックが必要だ。
引退の方がまだ受け入れやすい。タンパベイはブレイディと新たな契約を結び、6月1日(木)以降にいくらか金額を繰り越せばいい。
ブレイディが時間をかけて考えをめぐらせる中、バッカニアーズは新しいOCを見つけ――そして待つ。
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