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大学時代の対戦を振り返るイーグルスQBハーツと49ersのQBパーディー

2023年01月27日(金) 16:05

サンフランシスコ・49ersのブロック・パーディーとフィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツ【NFL】

サンフランシスコ・49ersのクオーターバック(QB)ブロック・パーディーも、フィラデルフィア・イーグルスのQBジェイレン・ハーツも、これまでのフットボール人生で今週末に挑むほどの大舞台に立ったことはない。しかし、2人は思い出深い試合で対戦したことがある。

アラバマ大学とオクラホマ大学の両方でスタークオーターバックだったハーツは、NFLの5名のMVPファイナリストの1人としてチャンピオンシップサンデーに臨む。そこでハーツとイーグルスが対戦する相手が、パーディー率いる49ersだ。

最後に2人が対峙した2019年シーズン、ハーツの方が優れたシグナルコーラーであることは容易に分かっていた。現在のダラス・カウボーイズのスターであるワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムとチームメイトだったハーツはランキング9位だったオクラホマ・スーナーズを率い、ランク外のアイオワ州立大学サイクロンズを相手に序盤からリードを築く。しかし、こちらも引けを取らないパーディーは、現ニューヨーク・ジェッツのランニングバック(RB)ブリース・ホールと共に、猛烈な反撃に出る。21ポイント差をつけられていたところから1ポイント差にまでつめより、スリリングな試合を42対41で終えた。

現地26日(水)に2019年の対戦について聞かれたハーツは「当然、違う2チームで、2つの違った時間だ。俺たちは最初から飛ばして、前半でタッチダウン5回とかだったように覚えている。ハーフタイムで35対14くらいだったんじゃないかな。彼らがそこから追いついてきて。いいゲームだった。勝ててうれしいよ」と話している。

当時、パーディーは未熟であり、オクラホマ大学との試合までにおよそ1シーズン分の経験を積んだ状態だった。一方のハーツはオクラホマ大学が2つ目の大学だった。少なくともハーツに関しては、今週の日曜日も同じようなストーリーと言えるかもしれない。ハーツはNFLで個人に与えられる最高の賞の候補者としてホームでの試合に臨む。チームはカンファレンスのトップシードであり、これまでにかなりの好調ぶりを見せてきた。

一方、2019年とは異なって、パーディーも自分の名声を確立させている。2022年ドラフトのミスター・イレレバント(最下位指名選手)だったパーディーが49ersの先発ラインアップに加わったのは、他のクオーターバックたちが負傷したためだった。しかし、パーディーは勝っている。もう1勝加われば、おそらく最もそれがあり得ないと思われていたクオーターバックが、スーパーボウルの舞台に立つことになるのだ。

ロンバルディトロフィーを夢見る前に、パーディーと49ersは敵地であるフィラデルフィアのリンカーン・ファイナンシャル・フィールドへ向かわなければならない。そこでは、自分たちの翼がスーパーボウルの高みに到達できると信じるイーグルスファンたちが、これ以上ないくらいの緊張感をみなぎらせているだろう。

パーディーはスーナーズとサイクロンズの一戦について「ああ、あれは勝負だった」と言い「ポイントの取り合いになったし、ほぼボールを持つ度に得点しているような感じだった。日曜日とは状況もシナリオも違うけれど、楽しいカレッジゲームだったよ」と続けている。

「ジェイレンと対決できたのは素晴らしい経験だったし、彼らは素晴らしいチームだった。彼はプレーを決めていて、彼らに追いつき、勝ち目を残すためには自分たちも同じことをしなきゃって感じだった。でも、今回は状況が違うし、シナリオが違う」

ビッグ12にディフェンスがないというのはよく言われることだ。それについては議論があるかもしれないが、少なくとも日曜日に実施されるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦について同じことを言うのは不可能だろう。

2人のクオーターバックがそろって今回の試合を「違う時」にプレーされる「違う状況」だと言うとき、彼らが想定しているものの中にディフェンスが含まれるのは確かだ。

NFLでもトップクラスのディフェンスを誇る2チームが今週末に対決する。ハーツとパーディーの双方がほぼ同等の困難に直面するだろう。先週末、49ersのトップクラスのディフェンスはダラス・カウボーイズを12ポイントに抑え、ディビジョナルラウンドで7ポイント差での勝利を収めた。

一方のイーグルスはニューヨーク・ジャイアンツを7ポイントに抑え、大勝を飾っている。

いずれにも自分たちが相手を倒すと信じるに足る理由はある。それぞれが困難に直面しながらも自分たちの攻撃陣に自信を持っており、水曜日に示したように、お互いに敬意を持っている。結局のところ、2人は一番大事なときにお互いに何ができるかを、その経験をもって知っているのだ。

ハーツはパーディーについて「俺は彼のことをすごく尊敬している。彼はいつも本当にいい選手だった。すごくやる気があるし、プレーを決め、そういうことを大学時代からやってきたから、チャンスさえあれば彼が今手にしているような成功をつかんでいるのも、全然驚きじゃない」と話している。

それは単なるリップサービスではない。フィラデルフィアで大きな困難が待ち受けているのは、ハーツもパーディーも同じなのだ。

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