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心停止から回復後、初めて動画で感謝のメッセージを出したビルズSダマー・ハムリン

2023年01月29日(日) 22:13

ダマー・ハムリンをサポートする意思表示として「3」の数字とハートマークを掲げるバッファロー・ビルズの医療スタッフ【AP Photo/Jeffrey T. Barnes】

シーズン第17週の試合中に心不全を起こしたバッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンが、チームと共同で動画を公開し、インシデント後初めて公の場でコメントした。

「オレにとって、しばらく待ってから適切な時に公に話をすることが大事だったんだと思う。自分自身の中で、メンタル的、フィジカル的、さらにスピリチュアル的にも多くのプロセスを経てきた。長いプロセスだったよ」と動画の始めにハムリンは言っている。「でも、多くの愛情、多くのサポート、そして俺に向けられた全てについてどれほど感謝しているかはうまく伝えられない。マンデーナイトフットボールで俺に起きた出来事は、神が俺を人として使役し、俺の情熱と心からの愛を世界に共有しようとした直接的な例だと感じている。それを最も必要としている世界中の子どもたちとコミュニティーにお返しができることを示すためなんだと思う。ずっとそれが俺の夢だったし、俺はそのために戦い、これからも戦い続けるはずだ」

ハムリンは2つの病院で9日間を過ごした後、現地11日(水)にバッファロー総合医療センターを退院。先週22日(日)にはハイマーク・スタジアムで行われたビルズのディビジョナルラウンドゲームを観戦した。試合前にはチームメイトたちを激励しにロッカールームを訪れ、第2クオーターにはスタジアムの大スクリーンにその姿が映され、観戦中のファンに声援を送られていた。

ハムリンはビルズの医療関係者、トレーニングとアスレチックスタッフへの感謝から話しはじめ、最初に治療に関わったシンシナティ大学医療センターとバッファロー総合医療センターの医療関係者に感謝をしている。続いて、“ひとときもそばを離れずにいてくれた”という家族、そしてビルズの組織としての幅広いサポート、ビルズ・マフィア、ベンガルズとそのファンベース、またNFL全体に謝意を表明している。

「俺がバッファロー・ビルズの一員となってからずっと、ここには偽りのない愛と支援があった。俺だけじゃなく、誰がどんな状況にあろうと同じだ。状況に関係なく、すぐに後ろに回り、110%のサポートと愛を示しくれたのはビルズ・マフィアだった。あの出来事が起こったときも、俺は一切愛情に不足を感じることなく、それがつらい瞬間や時期を乗り越える勇気を与えてくれたんだ」とハムリンは話した。「どんな状況でも毎日俺の様子を気にしてくれて、電話やメールで連絡を続けてくれたビルズの組織全体、俺をスピリチュアル的に、メンタル的に、可能な限りあらゆる方法で気持ちを奮い立たせてくれたブラザーたち――俺はこのチームの一員であることを誇りに思うよ。みんなを俺のブラザーと呼べることが誇らしい」

「たった1人の命のためにいったん忠義を置いて応援してくれて、バッファロー・ブルーを着た選手のために人間性を見せてくれたシンシナティの町、ベンガルズ、そしてNFL全体――あなたたちは忠義より人間性を重んじた。分裂ではなく結束を世界に示したんだ。それに驚きはないけど、深く感謝している。俺はそのことを決して忘れないし、恩義を持ち続ける」

ハムリンの回復を願う人々は、1つの支援の形として彼の『Chasing M’s Foundation Community Toy Drive(チェイシング・エムズ・ファウンデーション・コミュニティ・トイ・ドライブ)』に寄付を行っており、彼が倒れて以来900万ドル(約11億6,888万円)の支援金が集まっている。

「これほどのサポートが得られるなんて、もう本当にびっくりだよ。このサポートの大きさに感謝を示す言葉が見つからない」とハムリンは言っている。「これは俺がNFLに入るずっと前から始めたことなんだ。俺の故郷であるマッキーズ・ロックスの小さなコミュニティーに貢献できればと思って始めた小さな活動だった。俺はただ、NFLで夢を追いかけることになったときに、自分のコミュニティーで役割と責任を果たしたいと思っただけなんだけど、みんながそれを後押しして、とんでもないことになった。これを使って国中の子どもたちに考えているいろんな計画を実行できると思うとすごくワクワクする」

最後にもう一度全員にお礼を言い、ハムリンは手をハート型に掲げて動画を終えている。それは彼をサポートするために集まった人々がいつも見せ、今や彼の回復と同義となったシンボルマークだった。

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