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この1年を経て「今後の方向性に自信を持てるようになった」とジャガーズQBローレンス

2023年02月06日(月) 11:38

ジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンス【AP Photo/Charlie Riedel】


クオーターバック(QB)トレバー・ローレンスとジャクソンビル・ジャガーズにとって、状況は確実に好転している。

現地4日(土)午後、ローレンスはAFCのコーチであり、殿堂入りを果たしたレジェンドでもあるペイトン・マニングのもとでプロボウルゲームズに向けての準備をしていた。その数週間前、彼とジャガーズはダグ・ペダーソンHC(ヘッドコーチ)の指揮下で、ディビジョナルラウンドで見事な逆転勝利を収めている。

1年前のこの時期にジャクソンビルにいたローレンスは、アーバン・マイヤー前HCの短くも波乱に満ちた在任期間中に翻弄され、悲惨な結果となったルーキーシーズンを終えたばかりで、将来の見通しをほとんど持っていない状態だった。

現在のローレンスはこれから待ち受けていることについて十分な見通しを持っており、その展望に向けて大いに意気込んでいる。

ローレンスは土曜日にラスベガスで行われたプロボウルゲームズの練習で『NFL.com』に対して「多くのことが変わった。これから目指す方向が少しだけ分かりやすくなった」とコメントした。「もちろん、毎年違うし、毎年新しいから、ゼロから始めなきゃいけないものだ。でも、俺たちがジャクソンビルで築き上げた文化に関しては、去年の今頃と比べたら、これからの方向性に大きな自信を持てるようになった。自分たちのコーチがいるし、オフェンスにもディフェンスにも多くの仲間が戻ってくる」

ローレンスのルーキーシーズンに、マイヤーを採用するという新たな試みに失敗し、シーズンを通して精彩を欠いていたジャガーズは、3勝14敗という結果に終わった。現在まで話を進めると、ジャガーズはペダーソンHCが指揮官に就任した初年度に2017年シーズン以来の勝ち越しとプレーオフでの勝利を実現させている。ローレンスはその成功の中核を担い、徐々にプロボウルレベルのクオーターバックへと変貌を遂げていった。

ペダーソンHCの存在は誇張してもしすぎることはない。結果が出せないものと見なされる可能性が高い最初の1年を経て、ローレンスと彼の新しいヘッドコーチは最初から落ち着きを見せている。

23歳のローレンスは「俺たちは本当に性格が似ているんだと思う。それに、俺たちの関係はすごく良好だ。それは序盤から明らかだった」と語った。

クオーターバックとヘッドコーチのコンビはすぐに打ち解けたものの、ゲームアクションを通じて相性を高める必要はまだまだあるとローレンスは指摘している。早くから改善は見られたものの、一時的に2勝6敗、その後に4勝8敗と振るわない時期もあったのだ。

「シーズン半ばくらいまでは毎週、コンスタントにベストな状態でプレーできなかった」と振り返ったローレンスは「だから、毎週、毎試合、少しずつ好転して、オフェンス内の相性が良くなっていくところを見てもらえたと思う。俺やコーチも同じだ。実際に自分たちが見てきたように、どんどん息が合うようになってきたし、こうしてまとまるようになったんだと思う」と続けている。

シーズン第13週にデトロイト・ライオンズに敗れた後、ジャガーズは前述した通り4勝8敗となっていた。

多くの人の目には、ジャガーズにとってプレーオフ進出は夢物語のように映っていた。成長を見せてはいたものの、ポストシーズン進出候補になるには少なくともあと1シーズンはかかると見られていたのだ。しかし、ジャガーズのロッカールーム内は違った。雄叫びをあげることもなければ、シーズンを締めくくるスピーチもない。ローレンスによれば、ペダーソンHCの一貫したリーダーシップと模範があったからこそ、一戦一戦を大切に戦ってこられたのだという。

ローレンスは「4勝8敗で、プレーオフに進出するには残りの試合にどうしても勝たなきゃいけないのは分かっていた。俺たちはそれをやってのけたんだ」と強調している。「俺たちは常に自分たちのことを信じていたけど、やっぱり最高なことさ。驚くようなことだったとは言わないけど、自分が思い描いたとおりの展開になって、その思いが報われるのは本当に最高だ」

ジャガーズの成長はAP通信年間最優秀コーチ賞の最終選考に残っているペダーソンHCの功績によるところが大きい。

「彼は本当に毎週同じで、それが俺たちを支えてくれたんだと思う」とローレンスは話している。「ただ入ってきて、自分の仕事をする。あまり多くのことをやろうとしてもだめだ。俺たちはただ、1試合ごとに、1プレーごとに困難から抜け出していくだけ。シーズンを通してそういうマインドセットで臨んでいた。とうとう勢いに乗って勝利を重ねられるようになると、それを糧にしてどんどん積み重ねていくことができたんだ」

そのようにしてジャガーズはいくらか明確さを手に入れている。

1年前のこの時期、ローレンスは間違いなくプロボウラーではなく、ジャガーズは3シーズンで3人目となるフルタイムのヘッドコーチを迎えて再出発を図ろうとしていた。しかし、そこからの1年でデュバルでは著しい変化が起きている。

「将来がただただ楽しみだ」と期待を口にしたローレンスはこう続けている。「去年の今頃は、これから何が起こるのかよく分かっていなかった。誰がコーチになるのかも知らなかったしね。もちろん、素晴らしい1年でもなかった。だから今は自信を持って前に進むことができる。このチームは久しぶりにプレーオフで勝てた。それを次の年につなげていくことを、俺たちは楽しみにしている」

【RA】