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QBウィルソンに関する計画について語るブロンコス新HCペイトン

2023年02月07日(火) 13:42


デンバー・ブロンコスのショーン・ペイトンHC【AP Photo/David Zalubowski】


現地6日(月)、ショーン・ペイトンはコロラド州イングルウッドにあるチーム本部で正式にデンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)として紹介された。その後、クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンに関する質問が生じるまでにそう時間はかからなかった。

ブロンコスは昨年、ウィルソンにかなりの報酬を支払っており、今度はペイトンとも大型契約を結ぶと報じられている。また、両者を獲得するのに多くのドラフト資本も手放してきた。2022年シーズンに得点数で最下位に沈み、5勝12敗という成績に終わったウィルソンとブロンコスオフェンスを悩ませていた問題を解決するために、ペイトンがチームに連れてこられたことは――少なくともある程度は――間違いないと言えよう。

では、ペイトンはウィルソンの軌道を修正できると考えているのだろうか?

ペイトンは月曜日に「いいか、とても注意深く吟味されるポジションが2つほどある。クオーターバックはこのリーグにおいてその1つであることは間違いない。(昨シーズンは)明らかに、彼が望んでいたようなものではなかった。この数週間は私たちが期待していた、あるいは慣れていたものをより多く見たような気がしている」と述べている。

ペイトンはウィルソンとチーム全体の指導計画について話すとき、古くからあるコーチングの原則に立ち返った。

「私たちコーチが選手を評価する上で最初にやるべき仕事は、彼らが得意なことを見極めることだ。それから、それに見合うポジションに配置しようということになる」と語ったペイトンはこう続けている。「少なくともそれが出発点であり、長所を際立たせると同時に短所を最小限に抑えることが重要だと思っている」

ペイトンは2006年から2021年までニューオーリンズ・セインツでヘッドコーチを務め、そこでは主にQBドリュー・ブリーズと共にチームを率いていた。セインツが獲得ヤードあるいは得点で12位を下回ったのはそのうちの1シーズン、ブリーズの引退後に迎えた2021年シーズンだけだった。

2022年にシアトル・シーホークスからトレードされた後、ブロンコスで17試合中15試合に先発出場したウィルソンは、過去最多となるサック(55回)を浴び、タッチダウンパス数(16回)とパス成功率(60.5%)でキャリア最低値を記録した。

ペイトンは「私に分かっていることがある。それはウィルソンが努力家だということだ。彼がとんでもない努力家であることは分かっている。それが重要なのだ。彼には経験もあるし、シアトルで多くの試合に勝ってきた。話はそこから始まる」と強調している。

ブリーズとウィルソンはカリフォルニアで近所に住んでおり、会話を交わす仲だ。ブリーズと同じくらいウィルソンと話していると明かしたペイトンは、ブリーズから電話やメールで「ラッセルには消耗させられる」と言われたという冗談すらも飛ばしている。

しかし、ウィルソンがデンバーに到着した際に受けた特典――ウィルソンは施設内に自分のオフィスを持ち、個人的なパフォーマンスチームをチーム本部内に置くことを認められていると報道されている――に話題が移ると、ペイトンの答えは真剣なものに変わった。これはすべての物事が彼の監視下にあるということを示唆しているのかもしれない。

『Denver Post(デンバー・ポスト)』のパーカー・ガブリエルによると、ペイトンは「それは私にとって異質なものだ。それはここでは行われない。詳しくないのだが、スタッフがここにいて、選手たちもここにいて、それですべてだ」と述べたという。

ペイトンは2021年シーズンを最後にセインツのヘッドコーチを退任し、昨秋から『FOX Sports (フォックス・スポーツ)』のアナリストとして働いていた。セインツとブロンコスは彼がブロンコスに加入する前にトレードを成立させる必要があり、ブロンコスのジェネラルマネジャー(GM)ジョージ・ペイトンは、取引に補償の要素がなければショーン・ペイトンをもっと早くチームに加入させられていただろうと語っている。

ペイトンをデンバーに迎え入れるために巨額の投資が必要だったにもかかわらず、初めてヘッドコーチの採用にあたったブロンコスのオーナー兼CEOであるグレッグ・ペナーは、何よりも仕事に適した人物を得ることがチームにとって重要だったと強調した。

「ショーン・ペイトンは傑出したリーダーであり、スーパーボウルのチャンピオンであり、優れた攻撃マインドを持っている」とペナーはコメントしている。「彼はブロンコスカントリーのためにチャンピオンシップを勝ち取るという私たちのコミットメントを共有しており、彼を新ヘッドコーチとして迎えることに興奮している」

「ショーンは高い期待が寄せられる中でチャンピオンシップの文化を構築する方法を知っている。彼は高い基準を設定して維持しながら、強さと細部へのこだわりを持って指導できる人だ。ショーンは準備、創造性、ゲームへの純粋な愛情をもって、勝利のために心血を注いでいる」

また、ペナーはブロンコスがペイトンと面談している間、最終的にヒューストン・テキサンズのヘッドコーチに就任したデミコ・ライアンズや他の候補者を同時に勧誘していたことについても質問されている。ペナーはこうした報道を軽視しつつ、トレードが成立するまでの1週間ほどはペイトンに照準を合わせていたと明かした。

「そうじゃなかったのだ。プロセスを通して何人かの素晴らしい候補者と会ったが、セインツとのトレードが成立する5、6日前にショーンと決めてからは彼のことだけに集中し、それを実現させた」

今回のオフシーズンにヘッドコーチ候補として4つのNFLチームと面談したペイトンも、組織の体制に懸念を抱いていたという考えを否定している。オーナーの誰に対しても、ジェネラルマネジャーに対しても、疑念はなかったという。

「4つのクラブと交流する機会があった。真剣に関心を持ってもらっていることは分かっていた。他のチームと話した内容に基づき、私が探していたものはある場所(デンバー)に存在していたのだ」とペイトンは説明している。

12月26日にナサニエル・ハケットを1シーズンで解雇してから、2月3日にペイトンの取引が成立したと発表するまで、ブロンコスがHC探しにかけた日数は39日間だった。リーグの規則と“セインツでのショーンの状況の複雑さ”によってサーチに時間がかかったものの、最終的にはフランチャイズにとって理想的な結果を得られたと述べたペナーは、次のように話している。

「私たちが最終的に行き着いた先にはデンバー・ブロンコスにとって最適なコーチがいた」

【RA】