ニュース

ビルズ共同オーナーのキム・ペグラは昨年6月の心停止から回復、娘が公表

2023年02月08日(水) 11:17


バッファロー・ビルズのキム・ペグラ【AP Photo/Michael Ainsworth】


バッファロー・ビルズの共同オーナー兼社長であるキム・ペグラは2022年6月に自宅で心停止に陥り、現在も回復途上にあると、現地7日(火)に『The Players Tribune(プレイヤーズ・トリビューン)』に掲載された記事の中でジェシカ・ペグラが明かしている。

キムの娘で現在女子テニス世界ランキング4位のジェシカ・ペグラは、心停止になってからキムは「重度の表現性失語症と記憶障害を抱えている」と話している。ジェシカはキムがベッドで無反応だった時に妹のケリーが心肺蘇生を行い、命を救ってくれたことに感謝していると述べた。

「今も母は回復の途上にあり、聞かれるたびに同じ答えになってしまうけど、日々良くなっているのは確か」とジェシカ・ペグラはつづっている。「母は読むことも書くこともでき、こちらの言っていることは理解できるけど、自分の思いを伝えるのにとても苦労している。彼女とのコミュニケーションは大変で、忍耐が必要だけど、それでもコミュニケーションが取れることを毎日神に感謝している。当初の状況を考えると、医師たちは彼女の回復ぶりに驚かされ続けている。母の強い意志がその原動力になっているんだわ」

火曜日の発表はキム・ペグラの身に起きたことを初めて具体的に公の場で認めたものとなる。ビルズは以前、2022年6月28日にペグラが不特定の健康問題から「順調に回復している」と発表していた。

ジェシカ・ペグラは母親の心停止とその後の回復が家族に与えた打撃について、また、2022年のウィンブルドン選手権への出場を決めたのは、「このことを理由に欠場したら母に怒られる」と思ったからだとエッセイの中で語っている。

ペグラはウィンブルドンの3回戦でクロアチアのペトラ・マルティッチにストレートで敗れたが、昨年11月には女子ツアーのマスターズ1000大会のシングルスで初優勝を果たした。

「私はその時の受賞スピーチを母に捧げた」とペグラは述べている。「私は母に、つらい6カ月の後でも私は彼女のおかげで毎日戦うことができたことを知ってほしかった。もし母があの状況と闘うことができるのなら、私も戦えると思ったの」

ペグラはビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリンがシーズン第17週のシンシナティ・ベンガルズ戦で心停止となったことについても個人としての思いを語った。

「ダマーと彼の家族がこれから経験することを考えたら、胸が痛んだわ」と、当時全豪オープン出場のためにオーストラリアに滞在していたペグラは振り返っている。「時間がいかに重要かを私は知っていたから、時間のことだけを考えていた。対応が間に合って、彼が無事に回復してくれることを願っている。あの夜、救助に当たった医療スタッフやトレーナーたちは彼の命を救い、回復に多大な貢献をしてくれた」

ペグラは準々決勝にまで勝ち進んだ全豪オープンでハムリンに敬意を表して3番のワッペンをつけていた。

キムと夫のテリー・ペグラは2014年にビルズのフランチャイズを購入し、NHLのバッファロー・セイバーズのオーナーでもある。キムは2018年からビルズの社長を務めており、セイバーズの球団社長と『Pegula Sports and Entertainment(ペグラ・スポーツ・アンド・エンターテインメント)』の社長/CEOも兼務している。

【R】