長期契約の話し合いはまだ先のこととイーグルスQBハーツ
2023年02月15日(水) 14:42クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツにはやがて大型契約が待っているかもしれない。ただ、ハーツにはまだその議論の準備はできていないようだ。
ハーツとフィラデルフィア・イーグルスが第57回スーパーボウルでカンザスシティ・チーフスに38対35で敗れてから2日、ハーツはこのオフシーズンに長期契約を結ぶ可能性について質問された。その答えには、試合の結果に対する苦しみがにじみ出ていた。
『Philadelphia Inquirer(フィラデルフィア・インクワイアラー)』のジョシュ・トレンティーノによれば、ハーツは「俺が一番集中しているのは、勝つことだ」と話したという。
「俺が気にかけているのは勝利だけだし、最終的にはチャンピオンシップで勝つこと。だから、その議論はいつかはするけれど、今日はその日じゃない」
ハーツは敗戦の中でも輝きを見せ、パス38回中27回成功、304ヤード、タッチダウン1回と、ランによる70ヤード、タッチダウン3回をマークしている。ファンブルがチーフスのニック・ボルトンによる36ヤードのリターンダッチダウンにつながり、重要な得点を相手に挙げさせてしまう場面もあったものの、イーグルスが勝っていればMVPに選ばれていてもおかしくなかった。
チャンピオンシップ戦を逃してしまうのはハーツにとって新しいことではなく、アラバマ大学のフレッシュマン時代にも、クレムソン大学とナショナルチャンピオンシップ戦を争ったものの、ハーツはデショーン・ワトソンがクレムソン・タイガーズを決勝点に導くのをただ見つめるしかなかった。
日曜日にハーツに対して同じことをやったクオーターバックが、パトリック・マホームズだ。ハーツの最後のヘイルメアリーは一番近いターゲットまであと少し届かなかった。モチベーションはそのときもこれからも変わらないとハーツは話している。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のザック・バーマンによれば、ハーツは「18歳の俺はあそこで“俺の2年目は明日始まる”と話していたのを覚えている。今も、何も変わらない。4年目を迎えて、俺は今まで以上にハングリーで、今まで以上にガツガツしている」と語ったとのことだ。
契約延長はいずれやってくるはずだ。そして、待ち時間はそれほど長くないかもしれない。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが第57回スーパーボウルのキックオフ前に、勝利しても敗北しても、イーグルスには交渉の構えがあると報じていた。
「(第57回スーパーボウルが)終わり次第、イーグルスは彼らの素晴らしいフランチャイズQBを大型契約で確保することに注意を向けるだろう」とラポポートは述べている。
2020年NFLドラフト2巡目で指名されたハーツは、自分の前である1巡目に指名されたジョー・バロウやトゥア・タゴヴァイロア、ジャスティン・ハーバート、ジョーダン・ラブらの選手にある5年目オプションがない。つまり、ハーツは契約の最終年に入り、そのベースサラリーは420万ドル(約5億5,899万円)を超える程度、ボーナスはトータルで60万ドル(約7,984万円)近くになる。
このオフシーズンに契約が延長されれば、サラリーは大幅に上昇するだろう。
年平均額ではグリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャースがクオーターバックのトップであり、その額は5,000万ドル(約66億5,480万円)を超える。デンバー・ブロンコスのラッセル・ウィルソンが4,900万ドル(約65億2,170万円)で2位、アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー(4,610万ドル/約61億3,462万円)が3位であり、クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン(4,600万ドル/約61億2,131万円)、チーフスのマホームズ(4,500万ドル/約59億8,824万円)がそれに続く。
ハーツがどういったプレーをしたかを考えれば――スーパーボウルだけではなく、MVPに選ばれたマホームズの次点につける活躍をした昨シーズンでも――契約の最低ラインは年額4,700万ドル(約62億5,422万円)ほどになると見られる。レギュラーシーズンからプレーオフで、ハーツはタッチダウンパス25回、インターセプトは6回、タッチダウンラン18回をマークした。
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