チーフスQBマホームズが自分たちを疑った者を一蹴、「再建の年に俺たちはチャンピオンになった」
2023年02月16日(木) 12:35現地15日(水)のテーマは明確だった。若干の歴史修正主義を含みつつも、自分たちの2022年シーズンを疑った者たちが間違っていたことを証明するために、カンザスシティ・チーフスは公の場に姿を現している。
チーフスはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区を制してカンファレンス内トップのシード権を獲得すると、勢いそのままに4年振り2度目のスーパーボウルチャンピオンとなった。
この偉業は盛大な祝福にふさわしいと言えよう。カンザスシティで水曜日に行われた
パレードでチーフスはその栄光に酔いしれ、ロンバルディトロフィーを獲得するまでの道のりで、何が自分たちを突き動かしてきたかを恥じることなく語った。
「2022年の4月ごろまで遡ってみよう」とタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは祝典でのスピーチで切り出した。「あっちでもこっちでも選手が契約を結んでいた。チーフスがプレーオフに進出することはないだろう、チーフスはもう終わったとアンチチーフスのヤツらは言っていた。それでもチーフスがディビジョンで優勝すると思っていたなら“’Hell yeah!(当たり前だ!)”って叫んでくれ。もしチーフスが第1シードを獲得できると思っていたら“Hell yeah!”って叫んでくれ」
「俺たちも、ここにいるみんなも分かっていたけど、あいつらは分かってなかったんだ。クオーターバック(QB)パトリック・マホームズがMVPを取ると思っていたら“Hell yeah!”って叫んでくれ。カンザスシティ・チーフスがナショナル・フットボール・リーグで最高のオフェンスになれると思っていたなら“Uhhhhhh… na na nana”って言ってくれ。いいね、それだよ。ディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズが全米一のディフェンシブプレーヤーになると思っていたなら“Uhhhhhh… na na nana”って言ってくれ。よし、よし、よし」
チーフスはこの半世紀の間リーグのエリートチームとして君臨してきたが、2022年シーズンを前に彼らが尊敬されていないと感じたのにはそれなりの理由があった。爆発的なプレーメイカーとして知られるワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルをマイアミ・ドルフィンズに取られたことで、チームはレシーバー陣の再編成を余儀なくされ、打倒チーフスのためにオフシーズンに戦力を充実させたディビジョンライバルたちを取り巻く大げさな報道は嫌でも彼らの耳にも入ってきた。
レギュラーシーズンが終わった時点で、AFC西地区の他の3チームのうちプレーオフに進出したのは1チームだけだった。そのチームとなったロサンゼルス・チャージャーズはジャクソンビル・ジャガーズ戦の後半で相手に大逆転を許し、たった1試合でポストシーズンを終えている。
一方のチーフスは最初から最後まで自分たちの仕事に徹し、14勝3敗からジャガーズと、連敗を喫していたシンシナティ・ベンガルズを続けて倒し、第57回スーパーボウルに進出。チーフスがスポーツ界最大の舞台に立ったとき、残された課題は一つで、それはNFL第1シード(わずかに優勢)のフィラデルフィア・イーグルスに勝つことだった。
それを達成するためにチーフスは逆転劇を必要とし、水曜日に満足そうな笑みを浮かべながら将来のさらなるタイトルを約束したマホームズによる大胆なプレーも必要とした。
「俺たちがシーズンをスタートする前、AFC西地区は俺たちが再建中だって言っていた」とマホームズはファンに話しかけている。
「正直に言おう・・・俺には再建って言葉の意味が分かんないな! 再建の年に、俺たちはワールドチャンピオンになった。今日ここにいる全員に感謝しているって言いたい。アローヘッド・スタジアムは唯一無二で、チーフスキングダムは唯一無二だって言いたい。今日ここに立っている全員に拍手を」
「始まったばかりさ・・・まだ終わっちゃいない!」
今回の成功によって、ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードはキャリア2つ目のロンバルディトロフィーを獲得しており、それが元所属先を倒しての偉業だと思えば、なおのこと素晴らしい経験だろう。最後まで抗い続けるチーフスキングダムが手に入れた勝利だという点もまた、素晴らしい。
「アメリカには素晴らしい都市がいくつかある。だが、今ここ以上にいたい場所や、ここ以上に素晴らしい場所などないよ」とリードHCは発言した。
「このステージに上っているみんなが誇らしい。この組織をとても誇りに思っている。お前たちが世界で一番素晴らしいチームだと、世界で一番の選手たちがいるチームで、世界最高のオーガナイゼーションであり、ファンのみなさんは世界で最高だと、そう言える機会はあまりないね。私たちは皆さんが大好きだ!」
最後にケルシーが、殿堂入りが確実なキャリアにおいて最も忘れがたい年についてこう熱く語った。
「実際に、俺の人生の中で最高のシーズンだった」
「皆のおかげ、このステージにいる皆の、チーフスキングダムの、俺たちが創り上げてきた組織のおかげ。皆がここは王朝なのかと聞いてくる。――そう、ここは王朝だった。今まで知らなかっただけさ。それを信じて、感じてくれ。チーフスキングダムは永遠だ!」
【R/A】