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カーは「多くの条件を満たしている」とQBを検討中のパンサーズHCライク

2023年03月02日(木) 11:44


ラスベガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/Mark J. Terrill】

カロライナ・パンサーズも2023年にクオーターバック(QB)を探しているチームの一つだ。

パンサーズは才能ある選手が発掘されることを期待して、起用できる選手をくまなく試すことに精通しており、昨年だけでもベイカー・メイフィールド、サム・ダーノルド、そしてP.J.ウォーカーを次々に先発させている。チームはさらにQBマット・コラルをドラフトしているが、レギュラーシーズンが始まる前に負ったケガにより、コラルは昨シーズンのすべてを棒に振った。

2023年にパンサーズと契約しているクオーターバックは今のところコラルだけとなる。ヘッドコーチ(HC)のフランク・ライクとジェネラルマネジャー(GM)のスコット・フィッタラーはその事実を変えるため、ベテランクオーターバックであるデレック・カーの訪問を皮切りに手を打ち始めている。カーとの面談を終えたライクHCは、ラスベガス・レイダースからリリースされ、新しいリーグイヤーを前に初めてフリーエージェント(FA)となった4度のプロボウラーに好印象を持ったようだ。

「デレックは素晴らしいリーダーで、パサーとしても卓越している」とライクHCは現地1日(水)にNFLスカウティングコンバインで述べている。「彼は非常に優秀だ。後はわれわれのチームやロッカールームの雰囲気に合うかというところだが、彼は間違いなく多くの条件を満たしている。だからこそ、彼は相応のキャリアを築いているわけで、彼のような選手としても人としてもレベルの高い人と話をするのはまたとない機会だと思っている。だから、そのことを軽んじるつもりはない」

パンサーズのクオーターバック問題の中心には二つの相反する考えがある。上位のドラフト指名権で新人パサーを獲得し、質の高いオフェンス陣で周りを固めることで彼が長期的な解決策として成長することを願うか、あるいは、チームにとって即戦力にはなるが、長くプレーすることは期待できない実績のあるベテラン選手と契約するかだ。

パンサーズは理論的には両方を行うことができるが、フィッタラーGM が水曜日に述べていたように、同じオフシーズンにベテラン選手の獲得と貴重な資本をルーキーに使うことは財政的に賢明な判断とは言えない。パンサーズはいずれかを選ぶことになるだろう。

ライクHCがクオーターバック問題に直面するのは今回が初めてではない。元NFLのシグナルコーラーであるライクHCはインディアナポリス・コルツでの5年間で、アンドリュー・ラックが突然引退してからジャコビー・ブリセット、フィリップ・リバース、カーソン・ウェンツ、マット・ライアンという複数のクオーターバックを登用している。その成果は驚くほど生産的なもの(2020年のリバース)から、信じられないほど失望させられるもの(2021年のウェンツ、2022年のライアン)までさまざまだった。最後の判断によってライクHCは2022年シーズンの途中で職を失うことになったが、NFLで再びヘッドコーチの機会を得ることができて幸運だと水曜日にコメントした。

今回はコルツでの教訓を生かして可能な限りそれを応用し、再び悲惨な結果を招かないようにするだろう。ライクHCにとってカーが有力な選択肢であることは確かなようだ。

「われわれがどのような決断をしても、それはその時にベストだと考えたもので、今年だけでなく将来を見据えてのことになる」とライクHCは述べている。「当然、選手をドラフトすれば彼との将来はかなり長くなるだろう。たとえば、デレック・カーのようなフリーエージェントを選べば、彼が32歳になるという点が有利になる。クオーターバックとしては一番脂が乗っている時期だ。ここからさらに5年の活躍は期待できるだろう」

「もちろん、われわれも他のチームと同じで、次の年にはディビジョンで優勝したいと思っている。だが、実際にはその先にまで意識を向けなければならない」

カーはパス成功率60.8%で3,522ヤードとタッチダウン対インターセプト比は24対14という、2017年以来となる最悪のシーズンを終えたばかりだ。総合的に見てもカーの生産量はレイダースをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区のプレーオフに導くには不十分だった。そして、レギュラーシーズンの最後の1カ月を迎えた頃、カーを見切ったジョシュ・マクダニエルズHCは彼をベンチに下げ、代わりにジャレット・スティッドハムを先発させたことで、レイダースでの居場所がないことをカーに突きつけている。

だからといって、カーがプロボウルに選ばれていた頃の輝きを取り戻せないわけではない。ライクHCも過去にベテラン選手と成功を収めた経験があり、リバースがコルツを2020年のプレーオフに導いてから引退するのを見届けている。しかしながら、その翌年にライクHCが痛感した通り、クオーターバックのポジションにベテランを連れてきてプレーさせることはそう簡単なことではない。その選手が前のチームにリリースされたために獲得できる状況であるならなおさらのこと。

カーはウェンツやライアンとはまた違った選手だ。彼はライアンよりは若く、コルツに移籍する前のウェンツよりは高いレベルでのプレーを維持してきた。当然のことながら、クオーターバックだけの問題ではないが、パンサーズはこのポジションをクリアしない限り先には進めない。

この先、数日から数週間でパンサーズの将来について答えが出ることだろう。それが短期的な対策になるか長期的な対策になるかはまだ分からない。

【R】