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QBジャクソンとの契約交渉について“両者とも状況の切迫感を把握している”とレイブンズGMデコスタ

2023年03月02日(木) 13:09


ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソン【Kevin Sabitus via AP】

クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンとボルティモア・レイブンズの間で行われている契約交渉に関して――依然として両者が対立しているといううわさが流れているにもかかわらず――良いニュースがあるとすれば、それは両者の間で話し合いが続いているという点だろう。

現地1日(水)、レイブンズのジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタはNFLスカウティングコンバインの場で「ラマーと私は話している。つい最近も会った。現在も話し合いは続いている。両者とも状況の切迫感を把握している」と述べ、こう続けた。

「良い対話、良い議論をしてきた。私はこれまで通り楽観的に考えているし、これからのことはいずれ分かるだろう」

1月にジャクソンがボルティモアに残る可能性は“200%”だと報道陣に語っていたジョン・ハーボーHC(ヘッドコーチ)は水曜日にも、契約を成立させられるという考えを繰り返し強調した。

ハーボーHCはジャクソンについて「私のクオーターバックであり、私の選手だ」とコメントしている。「彼のことが大好きだし、コーチとしてそれが実現するのを楽しみにしている。だが、簡単なことではないのだ。決して簡単なことではなく、ビジネスの側面でもある。でも、私は期待に胸を膨らませているし、ものすごく期待している。実現するのが待ちきれない」

レイブンズはジャクソンにフランチャイズタグ――独占的あるいは非独占的――をつけるかどうかをまだ決めていないとデコスタGMは明かしている。しかし、タグの指定期限にあたる3月7日(火)まで1週間を切っているため、決断を下すのに残された時間はわずかだ(クオーターバックに非独占タグをつける場合のコストは3,241万6000ドル/約44億1,739万円)。また、フランチャイズタグをつけられた選手は7月17日(月)の期限までに長期契約を結ぶ必要がある。

「そうなる前にラマーとの契約が成立することを期待している」と述べたデコスタGMは「だが確かに、大きな(フランチャイズテンダーの)数字だ。大きな数字であることは承知しているし、その覚悟もできている。この10日間で何が起こるかによって、私たちは4つか5つか6つのプランを持っている」と続けた。

デコスタGMは何が問題であるかを理解している。交渉が決裂し、ボルティモアにおけるジャクソンの将来がさらに不明確になった場合、それはレイブンズが一からクオーターバックを探す必要があるということを意味しているのだ。

デコスタGMは「このリーグでは強いクオーターバックがいなければ勝てない。それはすでに証明されている」と強調している。

「ラマーにはここにいてもらいたい。彼はこのリーグで最高のクオーターバックの1人だと思うし、うちの中でも間違いなく最高の選手の1人だ。彼にはここにいてもらいたい。クオーターバックのいない世界に住むのは、とても生きづらいはずだ。そういうふうに言うGMやコーチはきっと多くいると思う」

ジャクソンとレイブンズが契約交渉を検討し始めた2年前、給与や要求、その他取引に関する具体的な内容を公にしないことをジャクソンと約束したのだとデコスタGMは話している。水曜日、ジャクソンは――QBデショーン・ワトソンが昨年にクリーブランド・ブラウンズから受けとったような――完全保証の契約を要求しているのかと質問されたデコスタGMは、ジャクソンと立てた沈黙の誓いを尊重することを選んでいる。

交渉を複雑にしているのは、正式な代理人を持たないジャクソンが自ら交渉に臨んでいるという事実だ。それはこのプロセスを通じてデコスタGMとジャクソンが主に取引をしてきたということを意味している。そうした前例がないわけではない――レイブンズは今オフシーズンに、代理人を持たないラインバッカー(LB)ロクアン・スミスと契約を結んだ。しかしながら、デコスタGMがジャクソンにより多くの報酬を支払えない理由を説明する必要があれば、それは気まずい雰囲気になる可能性がある。

「何よりもまず、選手に対してはものすごく気を遣う」と述べたデコスタGMは次のように続けた。「代理人と取引するときは、とても自由に話せたり、自分の立場を明確に保ったり、あるいは選手には言わないようなさまざまな主張ができたりする。そういう部分はあると思う」

「多くのリスペクト、ものすごい量のリスペクトがある。毎日、(ジャクソンの)献身ぶりを見ていると、それらがどこから来るのか分かるはずだ。間違いなく普通ではないダイナミクスなのだ。難しいことかもしれないが、これまでに証明してきたように実行可能なことだと思うし、私たちは楽観的であり続けている」

【RA】