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レイブンズWRベイトマンがWR陣の問題を認めたデコスタGMに反論

2023年03月03日(金) 15:54

ボルティモア・レイブンズのラショッド・ベイトマン【AP Photo/Gail Burton】

ボルティモア・レイブンズは近年、ワイドレシーバー(WR)陣に優秀な選手をそろえるのに苦労しており、ジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタは現地1日(水)に行われたNFLスカウティングコンバインの記者会見でそうした苦境について率直に語った。それがチームのベストメンバーの1人に悪い印象を与えている。

デコスタGMがこれまでに何度もワイドレシーバーを指名してきたにもかかわらず、オールプロに選ばれるような選手を獲得できなかった悔しさを口にした1日後、2021年ドラフト1巡目指名を受けたWRラショッド・ベイトマンが『Twitter(ツイッター)』でその意見に反論した。このツイートは後に削除されている。

ベイトマンはクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンにも言及しつつ、「俺たちとか背番号8(ジャクソン)を指弾するのをやめて選手の強みを生かしたらどうかな。こういうふうにさせた人を非難しろよ。俺たちは24時間365日、非難に耐えている。俺たちを健康に保てよ。俺たちのことを考えてからどうなるか見てみろよ。何も約束はできないけどな。理由もなくプレイヤーに関するウソをつくのにはうんざりしている」と投稿した。

このツイートを削除した後、ベイトマンは「すまない」と新たに投稿している。

ツイートをしてから謝罪をするまでの間にベイトマンとチーム幹部が話し合ったのか、ベイトマンが自らツイートを削除したのかは不明だが、デコスタGMの考えに違和感を覚えたことが攻撃的なツイートにつながったようだ。

デコスタGMは水曜日に次のように発言したことで、ベイトマンの反感を買うことになった。

「いろいろな意味で評価するのが難しいポジションだ。答えがあるとすれば、それはつまりもっといいレシーバーを抱えることだと思う。私たちは試し続けている。あのポジションには多くのことが絡んでいる。時にはクオーターバックと関係している。耐久性のようなものと関係しているときもある。多くのことに関係しているのだ。私たちは今後も狙い続けるつもりだ。ドラフトで指名した選手で成功を収めた人は何人かいる。オールプロに選出されるような選手を獲得できなかったのは残念だと言える。だが、それは努力が足りなかったからではない」

「私たちは自分たちの行動を信じている。自分たちのスカウト活動も、自分たちが有しているスカウトシステムも信じている。これは異常なことの1つであって、今後も挑戦をやめないとしか言いようがない。これからも試し続ける。この4年間で少なくとも5、6人のレシーバーをドラフトで指名してきたと思う。今後も狙い続ける。いつか狙いが当たってうまくいくといいなと思っている。それが私たちの目標だ。このポジションの重要性を理解している。だからこそ、試し続ける」

レイブンズの攻撃陣にとってWRポジションは課題となっている。2021年には13位につけたものの、ここ3年中2年でレイブンズ攻撃陣はパスヤードで下位に沈んでいる。

また、契約面でもめていることもジャクソンが自分の武器とともに成長することを難しくしているようだ。フランチャイズタグを指定できる期限にあたる3月7日(火)が目前に迫る中、ジャクソンはいまだに契約交渉を続けている。そして、ベイトマンはジャクソンが不当に指弾されたとして、彼のことを取り上げた。

デコスタGMが言及したように、レイブンズはここ4年間で6人のワイドレシーバー――2019年にマーキス・ブラウンおよびマイルズ・ボイキン、2020年にデビン・ダバーネイおよびジェームズ・プロシェ、2021年にベイトマンおよびタイラン・ウォレス――をドラフトで指名している。

しかし昨年のドラフトでは、ブラウンをアリゾナ・カーディナルスにトレードしたにもかかわらず、ワイドレシーバーを1人も指名しなかった。8月後半に契約を結んだデマーカス・ロビンソンは昨季、レシーブ数(48回)とレシーブヤード(458ヤード)でレイブンズのワイドレシーバーの中でトップに立っている。

2022年、ブラウンがカーディナルスに移り、ボイキンがオフシーズン中にリリースされたことにより、ここ4年でドラフト指名されたワイドレシーバーでチームに残ったのは4人となった。その4人はキャリア通算で合計182回のレシーブ、2,014ヤード、タッチダウン10回をマークしている。

4人のうち、シングルシーズンでの成績が最も優れているのは、ルーキーシーズンにキャッチ46回、515ヤードを記録したベイトマンだ。

彼の才能は問題になっていないが、ケガに関しては問題になっている。ベイトマンは鼠径(そけい)部のケガでルーキーシーズン最初の5試合を欠場。そして、2022年にはリスフラン関節を負傷して手術を受けることになり、わずか6試合の出場にとどまった。

デコスタGMはワイドレシーバー陣の問題として耐久性に言及していたが、ベイトマン個人については熱く語っている。

「ラショッドは本当によくやっている」と述べたデコスタGMはこう続けた。「もちろん、かなり深刻なケガだった。ある程度は乗り越えられたと思っている。ラショッドとクラブは手術を受けることを決めたが、あの時点でやったのは良かったのではないかと思っている。ケガが悪化する可能性もあったからね。彼はよくやっている。私たちは連絡をかなりとっている。彼がオフシーズンプログラムに参加するのをものすごく楽しみにしていてウズウズしているのを知っている。選手として彼にとても期待している。彼が今年どんな活躍をするのか、早く見たくてたまらない」

ツイッター上で起きたいざこざを受け、デコスタGMとベイトマンは話し合いを重ねる必要がありそうだ。とはいえ、1巡目で指名したベイトマンが全体的な問題を解決するのを後押ししてくれるとレイブンズが想定しているのは明らかだ。

【RA】