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プレー続行の意志を示すQBウェンツ、多様な役割にオープンな姿勢

2023年03月05日(日) 17:29


カーソン・ウェンツ【AP Photo/Jed Jacobsohn】

カーソン・ウェンツは4シーズンで4つ目のチームを探している。

キャリア続行の意志を固めているクオーターバック(QB)のウェンツは、チームを助けられるならさまざまな役割を引き受ける考えだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地4日(土)、伝えた。

ラポポートによると、ウェンツは3日(金)の夜に代理人たちとインディアナポリスにいたとのことで、8年目のNFLシーズンをプレーする次の場所を探していたという。

ウェンツは2月27日(月)にワシントン・コマンダースからリリースされた。元全体2位指名の彼が前シーズンにプレーしたチームから捨てられるのはこれで3年連続のこととなる。

30歳のウェンツはフリーエージェントで、いつでもサイン可能な状態だ(リリースされているため、15日の新リーグイヤーを待つ必要がない)。

このオフシーズンがこれまでと違う点は、2016年に未来のフランチャイズQBとしてドラフト指名されたフィラデルフィア・イーグルスから、2021年のオフシーズンにインディアナポリス・コルツにトレードされ、前回のオフシーズンにワシントンへとトレードされていたウェンツがリリースされたことだ。

コマンダースがまき餌をするのではなく、ばっさり切り捨てたのを見て分かるとおり、ウェンツを希望するチームは3シーズン連続でどんどん減っている。

さまざまな役割にオープンだというウェンツの姿勢は、彼が自身のキャリアの状況を理解しており、バックアップになることや、場合によっては特定のパッケージでQBらしき立場からチームを助けることも受け入れるということだ。身長196cm、体重108kgのウェンツはラッシングタッチダウンがキャリア通算で10回、ファーストダウンでのラッシングは337回のキャリーで123回あり、あまり知られていないがショートヤードのランナーとしてなかなか優れている。波瀾(はらん)万丈のそのキャリアで多くのアップダウンを経験してきたことから、若手QBの助言役としては向いているかもしれない。

ケガで短縮された2017年シーズン中のウェンツはどこから見てもフランチャイズQBの素質を発揮し、イーグルスがスーパーボウルにたどり着く道を開拓した。

その後もケガに悩まされ続け、プレーにも陰りが見られるようになり、悪夢のような2020年シーズンをもってフィラデルフィアでの日々は終わった。

そうした苦戦はコルツに移った2021年にも続いたが、2022年にコマンダースが彼のキャリアに救いの手を差し伸べた。しかし再び、ケガと粗悪なプレーが彼のシーズンに影を落とした。

ワシントンの先発として、2022年にウェンツは2勝5敗の成績を残し、パスヤードは1,755ヤード(1試合平均219ヤード)、タッチダウン11回でインターセプトは9回だった。

キャリア通算の93試合では2万2,129ヤードを投げ、タッチダウン151回、インターセプト66回で、先発としての戦績は46勝45敗1分となっている。

先発としてのウェンツの日々はほぼ終わったに等しいが、彼はまだキャリアを終えるつもりはなく、次に契約を与えてくれたクラブではどんな形であっても貢献する考えを持っているようだ。

【M】