ニュース

QBプレスコットはキャップヒットが高まるにつれて影響力を増す可能性があるとカウボーイズオーナー

2023年03月06日(月) 12:44


ダラス・カウボーイズのダック・プレスコット【AP Photo/Godofredo A. Vasquez】

ダラス・カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズはチームとクオーターバック(QB)ダック・プレスコットが成功を収めることに、これまでと同様に自信を持っている。

チームがどれほどの成功を収められるかは、これからさらに大きな負担を負うプレスコットにかかっていると言えよう。

現地3日(金)、ジョーンズはNFLスカウティングコンバインの場で「ダックには能力があると、かなり前から感じていた。ダックや私、あるいは誰に対してもあえてこのようなことをしたいわけではないが、キャリアを重ねるごとにどんどん良くなり、(チームの)勝利に影響を与えるようになった(トム)ブレイディのような資質をダックも持っていると私は思っている。彼はもっと良くなることができると思うのだ」と述べている。

プレスコットの影響力が強調されるのは、カウボーイズのシグナルコーラーであることを踏まえると自然なことかもしれないが、近年の成績と今後発生するキャップヒットを考慮すると、プレスコットにはさらなるプレッシャーがかかっていると言える。

プレスコットは2022年シーズンに5試合を欠場したにもかかわらず、インターセプト数でリーグ最多タイの15回を記録。また、2年連続でディビジョナルラウンドより後にコマを進めることができなかった。ディビジョナルラウンドは1995年以来、カウボーイズが越えられない壁となっている。

『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、この1年であまりにも多くの無理な投球をした一方で結果を残せなかったプレスコットのキャップヒットは、1,970万ドル(約26億7,787万円)から4,910万ドル(約66億7,308万円)まで跳ね上がり、カウボーイズのサラリーキャップスペースの21.5%を占めるという。

支出の抑制を迫られていることにも言及したジョーンズは次のようにコメントした。

「あのポジションにあのレベルの報酬を払い、使えるお金の中からあれほどの額を使った上で、彼の周りに完ぺきな人材を配置するのは無理がある。ダックがここに来たとき、私たちは屈指のオフェンシブラインを抱えていて、長期間それをフィールドにとどめておけたと思っている。彼はそれを享受していた。つまり、特にオフェンス面で、私たちは彼の周りにスキルを持ち合わせた人材をそろえられていた」

「まあ、今日のような形、つまり一流のクオーターバックに対する投資と同じ形でクオーターバックに投資するとき、それは自動的に減らさざるを得ないだろう。だから、彼をサポートするメンバーについて聞かれても、彼がキャリアを始めた頃のようなサポートメンバーを確保するのは難しいだろうね」

プレスコットの新人契約の最終年にあたる2019年シーズンのように3名の選手がプロボウルに選出されなかったとしても、カウボーイズのオフェンシブラインは2022年シーズン、サック数がリーグで4番目に少なく、ラン攻撃の成績ではリーグで8位につけていた。また、現時点でカウボーイズのオフェンシブラインには屈強なガード(G)ザック・マーティンおよびオフェンシブタックル(OT)タイロン・スミスが残ることになっている。2023年に向けてマーティンは1,980万ドル(約26億9,015万円)、スミスは1,760万ドル(約23億9,105万円)の契約を結んでいる状態だ。

しかしながら、スミスの契約は議論の対象になる可能性がある。カウボーイズは6月1日(木)までに彼をカットすることで960万ドル(約13億0,407万円)、それ以降に離別することで1,360万ドル(約18億4,743万円)を節約できるようになるのだ。プロボウルに8回選出されたことのあるスミスをカットするという動きは、ジョーンズが懸念していることと一致している。前回のオフシーズンには同じような形でワイドレシーバー(WR)アマリ・クーパーがスキルポジションにおける契約額の肥大化を避けるためにトレードされた。

また、バックフィールドのコストも上がっている。ランニングバック(RB)トニー・ポラードはフランチャイズタグを指定される見込みで、それには1,010万ドル(約13億7,206万円)がかかる予定だ。さらに、RBエゼキエル・エリオットの2023年におけるキャップヒットは1,670万ドル(約22億6,863万円)に及ぶ。

アウトサイドラインバッカー(OLB)マイカ・パーソンズやコーナーバック(CB)トレボン・ディッグスといったディフェンス面の新進気鋭のプレーメーカーたちが2度目の契約を目前に控えていることからも、カウボーイズはどこかで何かを諦めなければならない状況だ。カウボーイズは最終的に、以前は強力だったポジションで安価な人材か実績のない人材をあてにすることが必要になるだろう。

プレスコットは2023年――そして、ジョーンズの意向に沿えば当分の間――そうした不足を補うことを期待される基礎的な要素のひとつになるはずだ。

ジョーンズは「ダックの先を見据え始める必要があることを論理的に悟らせるような出来事がフィールドで起こることを想像したとき、そういうことがこれからの数年間で起こるとは思えない。私は“数年”と言っている」と話している。

【RA】