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セインツがQBデレック・カーと4年204億円の契約に合意

2023年03月07日(火) 09:58


ラスベガス・レイダースのデレック・カー【AP Photo/Butch Dill】

2023年オフシーズンのクオーターバック(QB)ドミノが倒れはじめている。

ニューオーリンズ・セインツとQBデレック・カーが総額1億ドル(約135億9,490万円)の保証金を含む4年1億5,000万ドル(約203億9,235万円)の契約に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとマイク・ガラフォロが現地6日(月)に状況を知る人物の話を元に報じた。

その後、チームはこのニュースを正式に発表している。

ラポポートとガラフォロによると、カーは実質7,000万ドル(約95億1,472万円)の完全保証を受け、6,000万ドル(約81億5,547万円)を契約時に得る一方、3年目に受け取る1,000万ドル(約13億5,895万円)は1年目終了後に権利が確定されるという。カーの新契約には、ラスベガス・レイダースと直近まで結んでいた契約と同様にノートレード条項も含まれているとガラフォロは伝えている。

セインツのジェネラルマネジャー(GM)ミッキー・ルーミスは声明で「デレック・カーをニューオーリンズ・セインツに迎え入れることを楽しみしている。デレックの経験やリーダーシップ、スキルセットはわれわれのオフェンスにとって価値のあるものとなるだろう」とコメント。

カーは2月14日にレイダースから放出される前にセインツと面談していた。ベテランQBであるカーは先週も、インディアナポリスで行われていた2023年NFLスカウティングコンバインの場でセインツ幹部と面談しており、他にもニューヨーク・ジェッツやカロライナ・パンサーズとも面談していた。

セインツは早い段階でカーを獲得する兆しを見せていた。最終的に、セインツは資産を手放すことなくプロボウルに4回選出されたことのあるカーを手に入れている。

今回の契約により、31歳のカーはデニス・アレンHC(ヘッドコーチ)と再会を果たす。アレンHCはレイダースでヘッドコーチを務めていたときに2014年ドラフト2巡目で指名した新人のカーを先発に起用した。レイダースはそのシーズンの4試合を終えた時点でアレンHCをリリース。2人は今、ニューオーリンズで仕事をやり遂げようとしている。

アレンHCは声明で「デレックとは、彼がプロフェッショナルとしてフットボールキャリアを始めたときに一緒に仕事をする機会があった」と述べ、次のように続けた。「才能だけではなく、彼のキャリア形成期におけるゲームへの取り組み方、仕事への姿勢、日々向上していく姿勢にも感心していた。遠くから、そして対戦相手として彼と対峙するときに、デレックがナショナル・フットボール・リーグで最も生産性の高いクオーターバックの1人に成長していくのを見てきた。デレックはニューオーリンズ・セインツにとって素晴らしい新戦力であり、このオフシーズンに彼やチームの他のメンバーと一緒に仕事をするのが待ち遠しい」

セインツは常に、カーにとって論理的な移籍先のように見えていた。アンディー・ダルトンがフリーエージェント(FA)になり、ジェイミス・ウィンストンが放出の候補になっている中で、カーは獲得可能な最高のベテランオプションだったと言えよう。カーは若手選手にある勢いを出すことはできないかもしれないが、適切な環境下でオフェンスを動かせることは証明済みだ。その環境がニューオーリンズにあるかはまだ分からないが、セインツにとって戦力を維持するために取るべきルートはそれほど多くなかった。

カーはレイダースでの9シーズンで3万5,222パスヤード、タッチダウン217回、インターセプト99回をマーク。レイダースはカーが先発した142試合で63勝79敗という成績を収めている。

オフシーズンに向けて、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区にはクオーターバックに関する質問が相次いでいた。その中でセインツは最初に大きな動きに出ている。

カーがセインツに移籍したことで、QBを必要とするチームにとってベテラン選手の選択肢が1つ消えた。ジェッツはMVPに4度選出された経歴のあるグリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャースが獲得可能にならなかった場合の予備のオプションとしてカーを検討していた。そして今、ギャンググリーンはそうした頼みの綱を失っている。

【RA】