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全体1位指名権を持つベアーズGMポールズ、「欲張るつもりはない」がQB不足のチームには「期待以上のもの」を求める

2023年03月07日(火) 11:21


シカゴ・ベアーズのライアン・ポールズGM【AP Photo/Kamil Krzaczynski, File】

シカゴ・ベアーズのジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズが2023年NFLドラフトの全体1位指名権をトレードするのかという疑問は、そのトレードがいつ行われるかという疑問に変わってきている。

ポールズGMは『Football Morning In America(フットボール・モーニング・イン・アメリカ)』のコラム向けにピーター・キングと話した際、その思考過程をより明確にし、プロセスの早い段階でトレードを行おうとするチームはトップピックを確保するために法外な投資を行う必要があると示唆した。

「フリーエージェンシーの前に行うべきか? それとも待つべきか?」とポールズGMはキングに述べている。「私には分からない。他のチームにはそう伝えている。こちらはドラフト前夜のギリギリまで待つこともできる一方で、ある程度の保証を望むチームもいる。なぜなら、“クオーターバック(QB)を切望しているなら、デレック・カーのような選手が獲得できるうちにトレードに踏み切るべきか?”という考えが出てくるからだ。今やるとなれば、相手は相当の出費を覚悟できているということだ」

「欲張るつもりはない。ただ、今すぐに取引を締結させたいチームには期待以上のものを提示してもらわなければならない」

注目のカーの行き先はもう決まっている。過去には、オフシーズンの間に全体3位以内にトレードアップするチームがあった。

2016年にロサンゼルス・ラムズは4月14日にトレードで全体1位の指名権を手に入れ、その7日後にフィラデルフィア・イーグルスが全体2位に順位を上げた。2018年にはニューヨーク・ジェッツがドラフトの一カ月以上前となる3月17日に全体3位に浮上。そして、2021年にサンフランシスコ・49ersは3月26日に全体3位の指名権を獲得し、上位3つの指名権すべてがクオーターバックに使われるようにした。49ersは最終的にQBトレイ・ランスを指名している。

ドラフト当日に行われるトレードはより活発で、指名が進むに連れて頻繁になる。2017年にベアーズがQBミッチェル・トゥルビスキーを獲得するのに全体3位から全体2位に順位を上げたのは有名な話だ。その時と同じドラフトでカンザスシティ・チースフはトレードアップで手に入れた全体10位の指名権でQBパトリック・マホームズを手に入れている。

QBジャスティン・フィールズを引き続き司令塔に据える予定のベアーズにとって、全体1位指名権を使ってQBを必要としているチームとトレードするのが最も賢明な選択肢と言えよう。チームが特定のQBに対してどういう感触を持っているかによって、ベアーズが2回トレードバックを行い、将来に向けてさらに多くのドラフト指名権を確保することもあり得る。たとえば、ヒューストン・テキサンズがQBを確保したい場合、全体1位の指名権のためにトレードし、その後、インディアナポリス・コルツやカロライナ・パンサーズなど他にもQBを必要とするチームが全体2位に躍り出る可能性がある。

ポールズGMが手札をどう使うかによって、彼は今後2、3年の指名権をさらに増やした上で今年のドラフトでもトップ6の選手を手に入れることができかもしれない。これはイーグルスがスーパーボウル級のチームを築いたやり方と似ている。ひとまず、ポールズGMは自分の望む内容とタイミングで全体1位の指名権を手放す意志があることだけは明確にした。

「私は誰にも急かされることはない」とポールズGMはキングに話している。「2024年と2025年の指名権を手に入れられることは分かっている。今後2年間は1巡目指名権を2つ手に入れられると言うなら、それは優秀な選手が4人いるということ、あるいはチームが順調ならトレードバックの可能性も残されている」

全体1位指名権で取引すればベアーズは今後数年間にわたって若い才能を加え続けることができる。あとはドミノ倒しが始まるのを待つだけだ。

【R】