サラリーキャップに苦しむミネソタ・バイキングスが、生産性の高いベテラン選手を手放すプロセスを開始した。

バイキングスがラインバッカー（LB）エリック・ケンドリックスを放出すると『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロが現地6日（月）に状況を知る人物の話を元に報道。

チームは後にこのニュースを正式に発表した。

バイキングスのジェネラルマネジャー（GM）クウェシ・アドフォ・メンサは声明で次のように述べている。

「プロボウラー、チームキャプテン、ウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤーの候補者、そしてバイキングスの社会正義への取り組みのリーダーとして、エリックは私たちの組織とミネソタのコミュニティに強力で永久的なレガシーを残している。プレーメーカーとして知られ、リーグ全体から尊敬されているラインバッカーであると同時に、エリックの私心のなさと社会問題の解決に対する揺るぎない献身のおかげで、彼のバイキングスへの貢献はフィールドの外にも広く及んでいた。私はエリックを心から尊敬している。次の章における、エリックと（妻の）アリー、そしてご家族の皆さまのご健勝をお祈りしている」

ケンドリックスは契約最終年を迎え、保証金が残っていない状態だった。31歳のケンドリックスを放出することで、バイキングスはサラリーキャップ上で950万ドル（約12億9,297万円）を節約できる。

『Over The Cap（オーバー・ザ・キャップ）』によると、ケンドリックス移籍前のキャップ閾値が2,442万4,000ドル（約33億2,433万円）だったというバイキングスは、3月15日（水）に新リーグイヤーが開始するまでにサラリーを削減しなければならない。

ケンドリックスのカットはバイキングスファンにとって受け入れ難いことだろう。ドラフト2巡目指名を受けて以来、ケンドリックスは8シーズンで113試合に先発出場してきた。ピーク時のケンドリックスはNFLで最も破壊的なオフボールラインバッカーの1人であり、2019年にはオールプロのファーストチームに選出されている。2022年にはカバレッジで少し調子を落としていたが、それでも17試合に出場してタックル137回、パスディフェンス6回を記録している。

バイキングスはこれからの1週間でケンドリックス以外にも生産性の高い有力な選手を手放す可能性がある。

ケンドリックスは来週から始まるフリーエージェンシーで有利なスタートを切るだろう。頭脳明晰かつ確実なベテラン選手でフィールドの中央を固めたいディフェンスにとって、彼は選択肢の1つになるはずだ。31歳のケンドリックスが大金を手にする上で主な障害となるのは、来週から数名の若手選手が獲得可能になる中で、オフボールラインバッカーが今シーズンの市場で最も充実したポジションになる可能性があることだろう。

【RA】