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QBのドラフト指名に前向きなシーホークスQBスミス、「誰とでも競うつもり」

2023年03月10日(金) 12:48

シアトル・シーホークスのジーノ・スミス【AP Photo/Marcio Jose Sanchez】

2022年シーズン、シアトル・シーホークスのクオーターバック(QB)ジーノ・スミスはチームから信頼を寄せられるに値することを証明した。そして、シーホークスは3年1億0,500万ドル(約142億7,213万円)の契約延長を実現させることでそれに報いている。

しかしながら、それはシーホークスが2023年ドラフトでクオーターバックの指名を検討しないということを意味しているわけではない。結局のところ、スミスの契約は2025年シーズン末までだ。そして、今年の10月には33歳になる。つまり、スミスは全盛期の頂点にいるわけではない。

この現実を認識しているスミスは、ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーとヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルがドラフト1巡目でクオーターバックを指名することを決めた場合に、もう1人のクオーターバックの加入を受け入れる準備ができている。

「競うことが大好きだ。だから、誰とでも競うつもりさ」と語ったスミスはこう続けた。

「できる限りその選手を手助けするつもりでもある。ドリュー(ロック)のときと同じようにね。うちのQBルームはすごく結束が固い。強いつながりがあるから一体となって動いている。だから、若い子でも、別の誰かでも、チームの他の選手と同じように、その選手がベストな状態になれるよう手助けするつもりだ。それがリーダーとしての自分の仕事だからな。根はそういう人間なのさ。知識を提供しないなんてことは絶対にしない。常に、みんながより良くなれるよう手助けしようとしている。だから、それが自分のしたいことだし、もしそれが実現したら、自分はそういう存在になるつもりだ」

2022年、非常に有能なプロフェッショナルであることを証明したスミスは、退団したラッセル・ウィルソンの後任としてロックと競わなければならないという事実を受け入れ、シーホークスの新しいスターターになると多くの人が信じていた新参者に勝利した。スミスにとって先発争いに勝利したことは始まりに過ぎず、そこからパス成功率約70%、4,282パスヤード、タッチダウン対インターセプト比で30対11をマークし、キャリアで最も素晴らしいシーズンを送っている。そして、ほとんどすべての人から最下位になると予想されていたシーズンに、シーホークスがプレーオフ進出を果たすのを後押しした。

シーホークスがスミスにコミットし、その努力に報いるという決断を下したことで、ベテラン選手であるスミスはここまで歩んできた長く曲がりくねった道のりを振り返っている。そして、カレッジレベルでもプロレベルでもチームを大きな成功に導いてきた、楽観的でエネルギッシュなキャロルHCの指揮がなければ、ここまで来られなかったと認めた。

現地9日(木)、スミスはこれまでのことを「信じられないような旅だったと思う」と振り返っている。

「ドラフトを思い返すと、自分はじっと待っているしかなかった。それから(ニューヨーク)ジェッツに行ったけど、うまくいかなかった。チームを転々としなきゃいけない中で、自分の道を見つけようとしていた。そして、この場所に出会って、自分の何かが変わったんだ。キャロルコーチは気持ちを高め、鼓舞し、自分をもっと信じられるように促してくれるような人だ。その結果として今の自分たちがある。ここまで来るのに10年かかったけど、そのすべての道のりに大きな意味がある。一番やりがいを感じるのは、そういうことを経験してきて、それでもなお、自分がより良い選手になれたと言えるところだ。ここまで来られたのは信じられないほどやりがいのあることだ」

スミスにとって、今回の契約は少なくともこれまでのキャリアの中で最高水準のものとなっている。それは、彼がNFLに足を踏み入れたばかりではないことを考えると、少し特殊な状況でもある。しかし、それでもシュナイダーGMはスミスに報いることをやめなかった。シュナイダーGMは木曜日、シーホークスがスミスの報酬を最大化することと、長期的な成功を目指すことの両方を望んでいたと認めた。その“長期的な成功”には、3年後から4年後にスミスを含む可能性もあれば、含まない可能性もある。

スミスはシーホークスの中心的存在としての将来に固執するのではなく、チームに組織的な柔軟性を与えることを選択した。それを踏まえると、シーホークスが新人クオーターバックを獲得することにスミスが抵抗していない理由が理解しやすくなるだろう。

「ものすごく重要なこと。俺はチームを信じている」とスミスはコメントしている。「俺は、誰もが機会を得ることがどれだけ重要かを理解している。だから、彼らを信頼している。彼らがチャンピオンチームを築こうとしていることを理解しているし、それこそが俺たちがここで目指していることだ。自分もその一部になりたいと心から思っていたし、バランスがよく、誰にとっても都合のいい落とし所を見出せて、とにかくうれしい」

2022年に活躍したスミスは、即座に組織からの強い信頼と、成果に見合った昇給を得ている。シーホークスは4月に将来のスターQBを迎え入れられたとしても、数年後に不利益を被るような契約を結んでいるわけではない。そして、ウィルソンをデンバー・ブロンコスにトレードした後のクラブの展望を踏まえると、シーホークスは最終的に自分たちの状況を喜ばずにはいられないだろう。

キャロルHCは「ジョン(シュナイダー)たちが、トレードの決断に至る瞬間から今の状況をもたらすまでにやってきた仕事は、まさに見事なものだったと思う」と述べ、次のように続けた。「それを認識せずにはいられないはずだ。そして、すべての成果はまだ残っている。これからドラフトに臨み、その前にはフリーエージェンシーがある。彼の仕事のおかげで、私たちはチャンスを得ることができた。ジョン、私たちが一緒に仕事をしてきたすべての年月に心から感謝している」

「だが、今は私たちにとって本当に高揚感のある瞬間なのだ。私たちは皆、この瞬間を楽しんでいる。楽しい時間を過ごしている。これから起こることが待ち遠しい。シナリオやそういったものについて話し合うとき、ジョンはそのすべてにおいて本当に素晴らしいリーダーシップを発揮してくれていた。素晴らしい例となってくれているのだ。だから、私たちは本当に感謝している」

【RA】