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レイブンズがQBハントリーに優先交渉権テンダーを提示へ

2023年03月16日(木) 12:43

ボルティモア・レイブンズのタイラー・ハントリー【AP Photo/Darron Cummings】

クオーターバック(QB)タイラー・ハントリーが思いがけないプロボウル選出を果たしたことで昇給されることはなかった。しかし、ボルティモア・レイブンズは彼を引きとめることに興味を持ち続けている。

レイブンズが制限付きフリーエージェント(RFA)のハントリーにROFR(優先交渉権)テンダーを提示すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。

ハントリーは制限付きであるため、レイブンズはハントリーに提示されたいかなるオファーにも対抗することができる。一方、レイブンズのハントリーに対するテンダーオファーが低度であるため、ハントリーがオファーシートにサインし、自分たちが同じ条件の提示を拒否した場合、レイブンズは補償を受けることができない。

QBラマー・ジャクソンとの契約交渉に取り組んでいるレイブンズの今後は、今回のような判断を含めてどのようにも解釈できる状態だ。レイブンズが本当にジャクソンを失うことを懸念しているのであれば、他チームがハントリーを獲得するのに貴重な指名権を手放すことになるようなテンダー(1巡目テンダーや2巡目テンダー)を提示することで、ハントリーを確保することは賢明な判断になるだろう。とはいえ、より高いラウンドのテンダーであれば、レイブンズはより多くのキャップスペースを使うことになるため、それは絶対に確実な方法とは言えない。より高いテンダーを提示すれば、ハントリーに過剰な支払いをすることになり、およそ2倍のスペース(ROFAテンダーの262万7,000ドル/約3億4,902万円に対して430万4,000ドル/約5億7,182万円から600万5,000ドル/約7億9,831万円)を使わなければならない可能性があるのだ。後者は、レイブンズがジャクソンとの新契約にかかる莫大な費用に備えていることから、より重大な意味を持つだろう。

重要な選手により高いテンダーを提示した例は最近にもある。2020年、ニューオーリンズ・セインツはオフェンスの武器であるタイトエンド(TE)テイサム・ヒルに1巡目テンダーを適用したのだ。それはQBドリュー・ブリーズの引退を1年後に控えていた当時、ヒルがフランチャイズの計画にとっていかに重要な存在であるかを示していた。

ハントリーはここ2シーズン、レイブンズにとってそれと同じくらい重要な存在となっている。2022年シーズンには負傷したジャクソンに代わって指揮を執り、チームがプレーオフに進出できるほどの競争力を維持するのに貢献した。また、2021年シーズンもプレーオフ進出まであと一歩のところまでチームを導いている。ハントリーのケガにより、レイブンズはドラフト外ルーキー(オレゴン大学出身のアンソニー・ブラウン)しか起用できないという現実に向き合うことになり、このポジションの重要性がさらに強調されることになった。

他チームがハントリー――プロボウルの補欠選手に選出されるほど高く評価されている優秀なバックアップ選手――をレイブンズから引き抜こうとするかは注目を集めるはずだ。どちらかと言うと、ハントリーにとっては低いテンダーで提示された数字を超えるような市場が設定されることが理想的だろう。

【RA】