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レイダースでマクダニエルズHCとの再会を喜ぶQBガロポロ

2023年03月18日(土) 23:31

サンフランシスコ・49ersのジミー・ガロポロ【NFL】

ジミー・ガロポロのサンフランシスコ49ers離脱は、チームがトレイ・ランスを獲得するためにトレードアップした瞬間から予想されていた。

しかし、彼の次の行き先は、現実になるにはあまりにも合いすぎると思えたほどの場所だった。

サンフランシスコで6年半のシーズンを過ごしたガロポロが契約したのは、ラスベガス・レイダース――49ersのベイエリア時代のライバルで、現在ガロポロの元攻撃コーディネーター(OC)ジョシュ・マクダニエルズがヘッドコーチ(HC)を務めている場所だ。3,400万ドル(約44億8,273万円)の保証を含む3年で7,275万ドル(約95億9,172万円)の契約だ。その最も重要な要素は、なじみやすさだろう。

フリーエージェンシーを迎えるにあたって、レイダースは探知範囲に入っていたかと聞かれ、「そりゃあ、もちろん」とガロポロは現地17日(金)に答えた。「実際には最初からだよ。俺の代理人たちがチームの最初のリストをくれたんだ。レイダースの名前は真っ先にあった。ジョシュやデイブ(ジーグラー/ジェネラルマネジャー)とは顔なじみだ。そういう全てが役割を果たした」

彼の49ersからレイダースへの移籍は星の定めだったかのように思える。だが、NFL界は引退間近だったトム・ブレイディというはるか遠くの惑星探索に忙しく、そのメッセージを無視していた。ニューイングランド・ペイトリオッツの伝説的クオーターバック(QB)と組む代わりに、マクダニエルズは彼がよく知るもっと若いシグナルコーラーに照準を合わせていたようだ。

今から思えば、マクダニエルズがQBデレック・カーを下げて、元ペイトリオッツのジャレット・スティッドハムに投げさせたのは、“ジミーをゲットしろ”というオフシーズンの彼の意向を示していたのかもしれない。

2014年のドラフトで2巡目指名を受け、ペイトリオッツでNFLデビューしたガロポロは、最初の2シーズンをブレイディの後ろで過ごした。ブレイディが出場停止になった2016年に彼は4試合の予定で先発代理を務める予定だったが、それは結局2試合に終わった。

せれでも、2試合の先発(タッチダウン・インターセプト比率4対0、先発として2勝0敗)だけを見て十分にガロポロの実力を把握した49ersは、その年の最終期限を前にトレードで彼を獲得。マクダニエルズと2年半のシーズンを過ごしてニューイングランドを離れたガロポロは、サンフランシスコのフランチャイズQBとなる。ただし、それは2021年までの話だ。49ersはドラフトでトレードアップしてランスを指名し、ガロポロ時代の終わりのカウントダウンが始まった。

入団会見に臨んだガロポロは、カイル・シャナハンのオフェンスから頭を切り替え、マクダニエルズのシステムに再接続するのに少し調整時間が必要だと説明している。だが、それほど時間はかからないだろう。

「カイルのオフェンスとジョシュのオフェンス、その背景には違う思考法がある」とガロポロは言う。「だから、俺の思考をそれに合わせて修正するのが最初のステップだ。それから言語をもう一度学び直す。基本的にはスペイン語からフランス語に切り替えるような感じさ。そんなに時間はかからないけど、ジョシュのオフェンスはこの数年で間違いなく進化しているはずだ。できるだけ早く追いつかなきゃならないけど、そんなにはかからないよ」

マクダニエルズとジーグラーはカーやタイトエンド(TE)ダレン・ウォーラーを放出し、ガロポロや元ペイトリオッツの一流レシーバー、ジャコビ・マイヤースと置き換えることで、急速に自分たちの思い描くレイダースへと再編しつつある。それは、正確にニューイングランドの西ではないが、少しばかりマサチューセッツ州フォックスボロで作られたものと似てきている気がする。

自分にはまだまだ証明することが山ほどあると会見でガロポロは明言した。NFCチャンピオンシップゲームに2度進み、スーパーボウルも経験した彼だが、先発としてリングを獲得したことはない。昨シーズンのレイダースもまた期待に応えられず、6勝11敗でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区で3位と目標に遠く及ばず終わった。

これから明るい日々が待っているとガロポロは信じており、マクダニエルズの存在はそれに大きく関わっている。

「まず、彼はとてもスマートだ。とてもスマートな人だよ」とガロポロはHCを評した。「俺にNFLでフットボールのゲームについて教えてくれたのが彼だ。でも彼はゲームのことを考えていて、勝つことを考えている。彼と話すだけで、勝利がすごく重要なことが分かるんだ。NFLにいる全員にそれが当てはまるとは言わない。そういう機会が巡ってきたら、見過ごすのは難しいよ」

「ジョシュはプレッシャーをかけてくるだろう。でも最後にはそれをありがたく思うようになる」

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