ニュース

ライオンズの“無礼な”オファーに、「俺にいてほしくなかったんだろう」とセインツRBジャマール・ウィリアムス

2023年03月19日(日) 18:10


デトロイト・ライオンズのジャマール・ウィリアムス【AP Photo/Nam Y. Huh】

ジャマール・ウィリアムスは昨シーズン、デトロイト・ライオンズのレコードブックに名を記した。

しかし、彼が近々彼らに礼状を書くことはなさそうだ。

現地17日(金)、ニューオーリンズ・セインツの最新メンバーとして紹介されたランニングバック(RB)のウィリアムスは、デトロイトを去った理由について、ライオンズからの尊大と感じられる契約オファーのためだと言っている。

「俺との関係を終わらせたかったんだ。それは分かった」と会見で彼は記者団に説明した。「彼らが出した俺へのオファーは、とにかくすごく無礼だと感じたし、彼らが俺にいてほしくないと思っていることが表れていた。だけど愛情はある。デトロイト・ライオンズにいる俺のチームメイトたちがみんな俺を愛してくれているのは分かっているんだ。でも同時に、どうしても条件が整わなかった。まあ今じゃ笑い話さ」

ウィリアムス――そしてライオンズの再興――という心温まる物語にとって、不運な結末だった。

デトロイトを舞台とした2022年の『Hard Knocks(ハード・ノックス)』でファンに大人気となった情熱的選手のウィリアムスはこの日、ポケモンの帽子をかぶって会見に臨んでおり、この1年で多くの支持を集めた気まぐれなキャラクターは健在だった。

彼はまた、2022年にフランチャイズ記録とリーグ首位となる17回のタッチダウンを決めている。エンドゾーンへの嗅覚だけでなく、彼はキャリア初の1,000ヤードシーズンを達成した。昨年のライオンズでウィリアムスが手にしたのは375万ドル(約4億9,442万円)のベースサラリーだ。ニューオーリンズとは800万ドル(約10億5,476万円)が保証された3年1,200万ドル(約15億8,214万円)で契約しており、これは昨シーズンのデトロイトでの報酬とそれほど大きくは変わっていない。

ライオンズのオファーが何だったにしろ、ウィリアムスが機嫌を損ねている間に、チームは元シカゴ・ベアーズのRBデビッド・モンゴメリーと3年1,800万ドル(約23億7,321万円)で契約した。25歳のモンゴメリーは27歳のウィリアムスより若く、4シーズン連続で800ヤード以上を記録している。ウィリアムスがそれを超えたのは昨年だけだ。さらに引っかかるのはウィリアムスの17回のタッチダウンのうち13回が3ヤードラインかそれより近い位置からのものだったことだ。

しかし、ウィリアムス本人は彼の成功のただし書きを聞かされるのにうんざりしているようだ。

「人生最高のシーズンを過ごしたとしても、人々はネガティブな何かを見つけるだろう」と彼は『Detroit News(デトロイト・ニュース)』のジャスティン・ロジャースに言っている。「別に気にしちゃいないよ。だって、最終的には俺が自分自身の最大の批評家だし、もっと良くなるために何を改善できるか分かっているんだから。俺はそれを続けるだけ。他の人たちの言うことは気にしちゃいない。気付いてはいるし、エリアに入れて、周囲に気を配ってはいるけど、人としての俺に影響させることはない」

それでもウィリアムスは彼らしく方針を変えたように見える。ベテランテールバックはそうしたネガティブ要素を発奮剤にしているようだ。

「個人的には受け止めるよ。自分がもっと良くなるための個人的なチャレンジだと思っている」と彼は話した。「結局のところ、俺はそういう人たちが間違っているってことを証明するのが好きなんだ。俺のことを分かっているつもりだろう。でもあんたは俺を知らない。そいつを見せてやるってな」

ニューオーリンズに行ったウィリアムスはかつてディアンドレ・スイフトやアーロン・ジョーンズにしていたように、RBアルビン・カマーラを補佐するつもりだ。

「チームが気に入ったんだ」と彼は話した。「正直言ってちょっと唐突だったけど、彼らが俺に関心を持ってくれて、俺にここへ来てほしいと思っていることが感じられてすごくうれしかった。本当に、こんな偉大なチームの一員になれてとにかく誇らしいよ。ベテランがそろっている。プレーオフを知り、スーパーボウルで勝つことがどんなものかを知っている選手が多くいるチームだ。ここにいられること、勝ち方をすでに知っていて、何をすべきか知っているチームにいられることにただ感謝している」

ライオンズは昨年、見どころたっぷりで波瀾(はらん)万丈な9勝8敗のシーズンを戦い、勝ち方を学んだ。その成功の過程で主役級の働きを見せたウィリアムスだが、彼は前に進んだ――モータウンの仕打ちを少しばかりのモチベーションにして。

【M】