“勝てる可能性”を理由にバッカニアーズを選んだQBメイフィールド
2023年03月21日(火) 12:22変化に富んだNFLキャリアを過ごしているクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドが、次に向かう場所はタンパベイ・バッカニアーズだ。そこでは伝説的な選手の後を継ぎ、競争力を維持することが求められている。
後者はメイフィールドがフリーエージェント期間に最も重視していた点だ。
現地20日(月)、メイフィールドは入団記者会見で「自分にとっては、安定していて、勝ち方やその方法をきちんと分かっているところに身を置くことが重要だった。すぐに勝てるところに行きたかったし、ここはそういうところだ」と話している。
そのタスクをやり遂げるために、メイフィールドは過去2シーズンの大半で見せていたパフォーマンスを上回る活躍をしなければならないだろう。クリーブランド・ブラウンズでケガと騒動の中でパフォーマンスが低下していたメイフィールドは、カロライナ・パンサーズでも本格的に軌道に乗ることはなく、2022年シーズン中にウェイバーにかけられている。
メイフィールドは少なくとも、プレーオフ争いから脱落していたラムズで先発の座を引き継いだ2022年シーズン最後の1カ月では調子を取り戻していた。シーズン最後の5試合では、パス成功率63.6%、850ヤード、タッチダウン4回に対してインターセプト2回を記録。戦績は2勝3敗だった。そのうちの1勝は、入団から48時間足らずでラムズを見事な逆転勝利に導くという、理解しがたい形でもたらされている。
メイフィールドはショーン・マクベイHC(ヘッドコーチ)率いるチームでの1カ月間について「めまぐるしかった」と振り返った。「間違いなく、自分が思い描いていたものじゃなかった。そこからは、ただ柔軟に対応して忍耐強くあるべきだということを学んだ。俺はまたプレーすることを楽しんでいたと言えるし、彼らのおかげで楽しかった。もちろん、俺が加わったときはすでにプレーオフから脱落している状況だったから、失うものは何もなかったし、プレーして、楽しもうという感じだった。短期間でチームメイトのことを知るのも楽しめた。俺たちはその思い出を一生、共有すると思う」
そのようなパフォーマンスは、メイフィールドの最も優れた資質である、回復力、冷静さ、そして不利な状況に置かれたときでさえも勝利するという、持って生まれた能力を示していた。これらはまさに、ブラウンズの前ジェネラルマネジャー(GM)であるジョン・ドーシーが2018年NFLドラフトでメイフィールドを全体1位指名した理由であり、不本意な退団をする前にメイフィールドがクリーブランドで慕われていた理由でもある。
メイフィールドが2023年に先発の座にふさわしいことをバッカニアーズファンに証明するためには、そうしたスキルを発揮し、引退したトム・ブレイディのクローンにならないようにすることが必要だろう。
月曜日、『NFL Now(NFLナウ)』に出演したメイフィールドは「俺はトムじゃない。トムになろうとするつもりはない」と強調し、こう続けた。「彼はゲーム史上最も偉大なクオーターバックで、その評価に値する存在だ。トムは彼らしくやっていたし、俺も自分らしくやるつもり。偉大な選手たちは皆、自分なりの方法でやろうとすると思う。だから、彼がやったことはすべて尊敬している。もちろん、ここにいる人たちは彼と一緒に仕事をしていたから、彼がどういうふうにやっていたか、どうやって違いを生み出すようなことを成し遂げていたのかを知るために、知恵を借りるつもりだ。それを楽しみにしている。後任になるのは重責が伴うけど、自分なりにやろうと思っている」
メイフィールドはこの1年半で多くのことを経験してきたが、そのおかげでより良くなったと信じているようだ。現在は、マイク・エバンスやクリス・ゴッドウィンといった一流のワイドレシーバー(WR)がそろっているチームに加わり、彼らと共に勝利に向けて取り組もうとしているところだ。2024年にメイフィールドはタンパ――あるいは他の場所――で、さらに良い機会を得ることになるかもしれない。
「彼らは歴史的に成功を収めてきたし、もちろん、ここ数年でもそうだ」と語ったメイフィールドは次のように続けている。「ここに加わり、競争し、キャリアの次のチャプターに向けて自分の才能を示したい。すべての出来事には理由があると思っているから、この旅がどうなるのか楽しみだ」
【RA】