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チャージャーズと良好な関係ながらもより良い条件を追求するRBエイケラー

2023年03月22日(水) 13:19

ロサンゼルス・チャージャーズのオースチン・エイケラー【AP Photo/Chris Carlson】

延長契約の交渉が頓挫したロサンゼルス・チャージャーズのランニングバック(RB)オースチン・エイケラーは先週、トレードの可能性を追求することを求め、チームから許可を得ている。

現地20日(月)に公開されたポッドキャスト番組『Green Light with Chris Long(グリーン・ライト・ウィズ・クリス・ロング)』に出演したエイケラーは、今回の要求はチャージャーズの組織とは関係なく、単に自分の価値に見合った報酬を得たいという思いからだと説明している。

「“チャージャーズが嫌いだからこの組織から去りたい、出ていきたい”という感じではないことを知ってもらうことが重要だと思っている」とエイケラーは述べている。「それが本心だ。条件が合えば俺は残りたい」

「もちろん、今の契約であと一年残っているから、契約上は次のシーズンもチャージャーズでプレーすることにはなっている。今年は保証が何もない状況で、俺はすでに契約を上回る活躍をしてきたから、もっと条件の良い他の選択肢を探る機会があるじゃないかと思っている」

エイケラーは現在、自身の報酬に対して二重の危機に直面している。一つはRB市場が落ち込んでいること。そして、二つ目はドラフト外の選手がドラフトの前のステータスを完全に脱し、高順位でドラフトされた選手たちと同額を稼ぐことはほとんどないということ。

2017年にウェスタン・コロラド大学を卒業したのちにドラフト外で入団したエイケラーは、2年目の2018年に958スクリメージヤードを積み上げて自分の価値を証明した。2019年には1,550スクリメージヤードにまで記録を伸ばし、933レシーブヤードとタッチダウン11回をマークしている。

エイケラーはドラフト外フリーエージェントとして3年間、年俸55万6,000ドル(約7,368万円)、総額167万ドル(約2億2,130万円)というわずかな報酬でプレーした後、2020年3月に4年2,450万ドル(約32億4,478万円)の契約を結んだ。27歳のエイケラーは過去2シーズンで合計3,195スクリメージヤードを稼ぎ、それぞれの年にランでも900ヤード以上を記録している。

エイケラーは自分がトレードされる期限は設けられていないとしているが、現実問題として、チャージャーズが今シーズンのトレードでチームの価値を取り戻そうとするのであれば、ドラフトが暫定的なデッドラインになるものと思われる。

「具体的な期限は決まっていないと思っている」とエイケラーはロングに話している。「契約内容がチームへの貢献度にまったく見合っていないから、今は妥協せずに他の機会を求めている。長期的な契約を結びたい。長い間俺にいてほしいと思ってくれるチームでプレーしたい。今の俺は絶好調だろう? ケガさえしなければ、俺はチームのためにタッチダウンを20回決められる。ランとキャッチでまた1,600ヤードを稼ぐさ。今は本来の半分の報酬しかもらえていない。長期的に俺のことを必要としてくれるチームをとことん追い求めるつもりだ」

契約した当時の状況を振り返れば、チャージャーズにとっては掘り出しものだったと言えるが、エイケラーがこれまで成し遂げてきたことを踏まえると、報酬が大幅に上がる契約にサインすることを非難するのは難しい。1年残っている契約のベースサラリー625万ドル(約8億2,798万円)は、おもしろいくらいに低い数字だ。年平均613万ドルという数字は、ランニングバック内で14位。クリスチャン・マカフリー(1,610万ドル/約21億3,309万円)やアルビン・カマーラ(1,500万ドル/約19億8,735万円)の報酬はその2倍以上だ。

チャージャーズがランニングバックに3番目の契約を与えることに前向きではないのも無理はない。歴史的にうまくいかないものだからだ。しかし、エイケラーはほとんどの部分で健康を保っているのと同時に、一般的なイメージにある重機のようなタイプのランニングバックではない。スペースでプレーする能力、特にパスゲームのときのその能力は、力の衰えをより緩やかなものにする可能性がある。

エイケラーのいないチャージャーズ攻撃陣を想像すると薄ら寒くなる。チームはバックフィールドのプレッシャーを弱めるべく、強力なナンバー2の存在を何年も必要としていたが、これまですべて空振りに終わってきた。4巡目指名のアイザイア・スピラーが2年目にプレッシャーを軽くすることは期待できる。ただ、パスゲームにおけるエイケラーのダイナミックな得点力がなければ、クオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートの成長も鈍るはずだ。

契約と価値を改めて見比べれば、エイケラーが昨シーズンにプッシュしなかったことがそもそも、驚きだと言える。契約の最終年に入り、エイケラーにとっては新たな報酬を求めるべきときだ。チャージャーズはハーバートにも仕払う必要があり、彼らの懸念の一部は十分に理解できる。

彼らが共に納得できる新契約に至るかは、フリーエージェントの第2波、第3波がやってくるこれから数週間の話題になるだろう。他のチームが介入してチャージャーズにドラフト指名権を引き渡すかは、まだ分からない。

【RA/A】