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トレードは“突然のこと”だったが“これ以上ないほど幸せ”とブラウンズWRムーア

2023年03月24日(金) 13:00

ニューヨーク・ジェッツのエライジャ・ムーア【Winslow Townson/AP Images for Panini】

ワイドレシーバー(WR)エライジャ・ムーアがニューヨーク・ジェッツに所属していたとき、ある時点でムーアを取り巻く楽観論は無視できないものとなっていた。

そのような時代はとっくに終わっているが、朗報がある。ムーアはクリーブランド・ブラウンズで新たなスタートを切ることになったのだ。ブラウンズにトレードされたことで、かつてジェッツからドラフト2巡目指名を受けたムーアは、キャリア最初の2シーズンよりも多くの出番を得て、これまでよりも大きな役割を果たす機会を手にしている。

今回起こった突然の変化により、ムーアが2022年シーズン中に初めて口にした願いがかなっており、ムーア本人はそれが今後の成功につながると考えているようだ。

トレードされることを予想していたかという質問に対して「いや、してなかったよ。突然のことだったんだけど、めちゃくちゃ楽しみだ」と答えたムーアはこう続けている。

「(クオーターバック/QB)デショーン(ワトソン)や(ワイドレシーバー/WR)クープ(アマリ・クーパー)がいて、チーム全体がとてもうまくかみ合っていると思うし、ここに来られてこれ以上ないほど幸せだ。本当にうまくいくような気がしている」

今回のムーアの移籍はそこに至るまでの経緯を語らずには説明できない。2021年ドラフトでジェッツから全体34位指名を受けたミシシッピ大学出身のムーアは、すぐに練習での活躍が話題となり、低迷するジェッツにとっての新たな希望の象徴となった。しかし、ケガが原因で完全に飛躍を遂げられなかったムーアは、2シーズンの通算でレシーブ100回を突破することができなかった。大きな活躍がなかったことからデプスチャートでも下位に追いやられたムーアは、昨年10月にトレードを要請している。

ジェッツはこの要請に応じる代わりに、後にオフェンス部門年間最優秀新人賞に選ばれたWRギャレット・ウィルソンや、以前にフリーエージェントで契約したWRコーリー・デイビスに頼ってパスプレーを展開していた。2022年シーズンが終了した後、クオーターバック(QB)のアップグレードが必要だと考えたジェッツは、グリーンベイ・パッカーズのQBアーロン・ロジャースを口説くことに成功しており、すぐに勝つことに焦点を移しながらフリーエージェントのWRメコール・ハードマンを今週、新たに迎え入れている。

突然、ハードマンが充実しているWR陣に加わったことで、ムーアが獲得可能になり、ブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーはドラフト全体42位指名権をジェッツに送る代わりにムーアおよびドラフト全体74位指名権を獲得した。

ムーアのニューヨークにおけるチャプターは終了した。ムーアはそこでの経験から、逆境を乗り越え、いつかはより良い環境を手に入れられると信じるための貴重な教訓を得ている。

ブラウンズがその環境にあたるかどうかを判断するには、いくらか時間がかかりそうだ。ムーアにとって、それは交代要員になるよりましなことだろう。ブラウンズは現在、WRアマリ・クーパーやWRドノヴァン・ピープル・ジョーンズ、タイトエンド(TE)デイビッド・ジョクを擁しているものの、スロットのスピードスターを切実に必要としている状態だ。

「未来は予測できないけど、最初から自分のベストを尽くす」と話しているムーアは次のように続けた。「理由があってここに来ていると思うから、どんなことがあってもそれに備えるつもりだ。人は経験を通して学ばなきゃいけない。自分は失敗から学ぶタイプだと思っている。俺の言っていることが分かるだろ? 俺たちは人間なんだ。だから、俺はこれからどんなポジションにつくとしても、去年もっとうまくやれたんじゃないかと思うところに取り組んでいくだけだ」

【RA】