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QBロジャースのような選手が加入を希望することはジェッツが“どれだけ進歩してきたかを示している”とサラーHC

2023年03月27日(月) 10:32

ニューヨーク・ジェッツのロバート・サラーHC【Aaron M. Sprecher via AP】

グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースのトレードに関する話に進展はないが、それでもニューヨーク・ジェッツは行動を起こし続けている。

現地26日(日)に行われたリーグ年次ミーティングの場で、『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタの取材に応じたヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは、そうした選手の獲得と、話題にするのを避けられているロジャースについて言及している。

サラーHCはロジャースがジェッツに加わる意思があると表明したことについて、「2年前、初めてあそこに加わったときの状況を考えると、私たちはどこまで進歩できたことか。彼のような選手がうちでプレーしたいと言ってくれるのはとてもクールだし、それは私たちがどれだけ進歩してきたかを示している。だが、まだまだ先は長いし、やるべきことはたくさんある」と述べている。

そうした発言をしながらも、サラーHCは「お伝えすることは何もない」として最新情報については深く語らなかった。

サラーHCがチームを引き継いだ2年前、ジェッツは2勝14敗という、1997年シーズン以降で最悪のシーズンを終えたばかりだった。サラーHCの就任1年目に勝ち星を2つ増やして4勝13敗となったジェッツは、2022年シーズンにプレーオフ進出に向けて順調なスタートを切っていた。しかし、終盤にかけて徐々に勢いを失っていき、7勝4敗という成績から一転、クオーターバックポジションの不安定さが原因でシーズン終盤に6連敗を喫している。

そうして困難な道のりを歩んできたことからAP通信年間MVP賞に4度輝いたことのあるロジャースを迎え入れる可能性が出てきたわけだが、QBポジションに関して現時点で何も実現していないにもかかわらず、ロースターは次のシーズンに向けて固められ、新戦力が加えられている。

最も注目すべき点は、ジェッツがワイドレシーバー(WR)ルームを再編して強化したことだろう。ジェッツはこれまでにロジャースのバディであるアレン・ラザードや元カンザスシティ・チーフスのメコール・ハードマンを加えてきた。一方で、2021年ドラフト2巡目で指名したエライジャ・ムーアについてはクリーブランド・ブラウンズにトレードしている。

昨季、リーグ屈指のブロッキングWRでありながらパスキャッチャーとしても活躍したラザードは、キャッチ60回で788ヤードを記録してキャリアハイを更新した。一方、ケガにより戦線離脱を余儀なくされ、8試合の出場にとどまったハードマンは、297ヤード、タッチダウン4回という成績だったが、健康を維持し、走る機会を与えられれば、魅惑的なポテンシャルを発揮するだろう。

「ダイナミックなルームだ」と強調したサラーHCはこう続けている。「ラザードとコーリー(デイビス)の2人は、ランゲームや大柄な選手のルート、ハードでミドル以上のコンセプトで多くの力を発揮できる、とても大きなレシーバーとなってくれている。また、スピードが魅力的なメコール・ハードマンもいる。そのスピードの要素がうちのグループに加わることになった。もちろん、ギャレット(ウィルソン)も戻ってくるし、彼がこれからも良くなり続けることを願っている。うちには多くの若手選手もいて、自分たちが進歩できることを本当に楽しみにしている。本当にエキサイティングなレシーバー陣だ」

ランニングバック(RB)ブリース・ホールといった選手たちにランニングゲームの機会が与えられるのと同じように、ロジャースのトレードが成立すれば、ジェッツのWRルームが持つポテンシャルはさらに大きな輝きを放つことになるだろう。

一方、ディフェンス面では、リーグに大きな変化をもたらすような取引をする必要がない。ジェッツはすでにそういう選手を抱えているからだ。

2022年ディフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞したコーナーバック(CB)ソース・ガードナーや、昨季にキャリアで初めてオールプロに選出されたディフェンシブタックル(DT)クイネン・ウィリアムスといった選手を礎に築かれたジェッツ守備陣は、2022年に被得点と被ヤードでどちらも4位につけている。

つまり、史上最高のQBの1人であるロジャースを獲得すれば、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)に存在する多くの優秀なクオーターバックに対抗するのがより簡単になるはずだが、サラーHCは相手を止めることに関しても自信を失っていない。

「あなたたちはクオーターバックを見ている」と述べたサラーHCは「だが、彼らはさらに私たちに対処しなければならない」と続けた。

【RA】