ブレイディというオーラが失われても成功できないわけではないとバッカニアーズHCボウルズ
2023年03月27日(月) 11:54タンパベイに変化が訪れている。
タンパベイ・バッカニアーズのヘッドコーチ(HC)であるトッド・ボウルズには、その変化に直面する準備ができている。うまく事が運べば、今オフシーズンの移行によってより大きな成功が導かれるというのがボウルズHCの考えだ。
ボウルズHCは年次リーグミーティングの場で『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタに対し、攻撃コーディネーター(OC)のポジションでの動きから、トム・ブレイディの引退を受けてまもなく起こるはずのベイカー・メイフィールドとカイル・トラスクのクオーターバック(QB)争いについてまで、引き続き偉大なものになるはずとの期待を語っている。
現地26日(日)、ボウルズHCはブレイディの離脱について「あれだけ偉大な選手を置き換えるとなると、そもそも、彼を誰かと交代させることはできない」と話した。
「オーラが失われる。偉大なものであるという期待を失う。偉大になれないというわけではない。ただ、それをもっと一つのチームとしてやらなければならないということだ。彼がそこにいたとき、われわれはチームとしてやっていたが、彼はあれだけ素晴らしい選手で、素晴らしい人物だったから、そこにすべてのフォーカスが当たっていた。それがなくなり、実際はそんなことはないのに、すべてが失われたような認識になっている」
「われわれのチームには、ボールの両サイドにたくさんの優れた選手がいる。埋めなければならないピースはいくつかあるが、われわれのチームには優れたフットボール選手がたくさんいる。それを理解し、いわゆる外部の話に流されず、自分たちがボールゲームに勝つために必要なことをやらなければならない」
ブレイディのラストイヤーではバッカニアーズのパフォーマンスは優れなかったとは言え、8勝9敗でプレーオフに進出し、ダラス・カウボーイズと対戦したスーパーワイルドカード週末で敗れた。ブレイディがいた3年間が、フランチャイズの歴史上、最も良いときの一つだったことは間違いない。
バッカニアーズは2020年に2度目のスーパーボウル制覇を遂げており、1999年から2002年にかけて以来の、3シーズン連続ポストシーズン進出を果たした。それも1万4,643ヤード、タッチダウン108回をバッカニアーズで記録したブレイディが今はもういないことを考えればそれほど大きな意味を持たないのかもしれないが、だからといって、カップボードが全くの空になったわけではない。
フリーエージェンシーの最初の段階でメイフィールドと契約したバッカニアーズには、まだ実力を証明したわけではないものの、信頼できる選手であるトラスクという選手もいる。ボウルズHCは今後の行方について満足しているようだ。
元全体1位指名選手であるメイフィールドを獲得すると決めたことについてボウルズHCは「彼が出てきたときからベイカーが気に入っていた」とし、次のように続けている。
「私がジェッツにいたとき、彼とちょっと意気投合するところがあった。私がオクラホマに行ったときに、通じ合うものがあったんだ。最強の腕やすべてを持っているというわけではないが、彼はリーダーだ。彼はフットボールゲームを深く理解している。フットボールをどこにやるべきか分かっている。そして、彼には活力がある。彼は男の中の男だ。選手たちは彼の周りにいることを喜び、彼がウイナーであるからこそ、彼のために戦うだろう」
「彼はさまざまなレベルで勝利したし、彼が入ってくるのはうれしいものだ。今年にわれわれがどうオフェンスを動かそうとしたか、どういうスタイルのオフェンスをやろうとしたかを思えば、彼はそこにパーフェクトにフィットしたと思う。だから、彼とトラスクの間で、一人が成功することに疑いを持っていない」
QB変更が最も懸念される要素に見える一方、オフェンス全体が一新されようとしている。以前は3年連続でトップ3に入っていたにもかかわらず、バッカニアーズの2022年のユニットは、得点で25位に急落。ランゲームは非常に悪く、バッカニアーズはすべてのチームに遅れをとる1,308ヤード(試合平均76.9ヤード)にとどまっていた。
それがバイロン・レフトウィッチの解雇や、元シアトル・シーホークスQBコーチのデイブ・カナルスの新OC就任につながった。チームにはその他にも、プレーオフのヒーローであるレナード・フォーネットのリリースなどの変化があった。
「われわれは十分なポイントを獲得できず、それをうまく動かせなかった。また、うまく投げられないときもあった」とボウルズHCはバティスタに述べている。
「その見地からすれば、継続性を求めるものだ。チームの見地からすれば。そして、われわれが昨年にやっていたことが、私たちに本当に少し追いついてきた。それはコーチたちだけではなく、選手もだ。私を始めとしてね。何か問題があるところが見つかれば、それを直すために努力しなければならない。彼らとは長くつきあっているから、厳しい決断だった。だが、変化を起こさなければならないと感じていたし、そうやって変化を起こした。われわれは選手の部分で、もっと良くしようと取り組んでいる」
そういった生産性主導の変化が、タンパベイや他のQBの椅子取りゲームが起こっているNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区に訪れている中、ボウルズHCはTB12が舵取りをしていたときにバッカニアーズファンがしていたのと同じやり方で成功をはかるつもりだ。
「目標は変わっていない。成功はもちろん、まずはディビジョンで優勝し、プレーオフでダメージを与え、スーパーボウルで優勝しようと努力することだ」とボウルズHCは話した。
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