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フランチャイズタグ指定前にRBバークリーに提示していたオファーを検討の対象から外すジャイアンツ

2023年03月29日(水) 09:51


ニューヨーク・ジャイアンツのセイクワン・バークリー【AP Photo/Matt Slocum】

ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーにフランチャイズタグをつけ、オープンマーケットへの流出を防いだニューヨーク・ジャイアンツは、7月17日(月)までにバークリーを長期的にチームにとどめておくための解決策に合意する必要がある。

現地27日(月)に行われた年次リーグミーティングで、そうなることを願っていると語ったオーナーのジョン・マーラは次のようにコメントした。

「セイクワンにはこう言った。可能であれば、キャリアのすべてを一人のジャイアントとして過ごしてほしいと思っていると。彼にはそうしてもらいたい。リーダーシップを発揮してくれる、素晴らしい選手だから、いずれは彼と何かを実現できたらいいなと思っている。ランニングバック市場は今、ああいう感じだ。いずれかのタイミングで合意に至ることを今も期待している」

ランニングバック市場は下降気味で、これからも下降していく一方だろう。フリーエージェント(FA)になる予定だった上位3人のランニングバック――バークリー、ダラス・カウボーイズのトニー・ポラード、ラスベガス・レイダースのジョシュ・ジェイコブス――は、いずれも1,009万1,000ドル(約13億2,422万円)のフランチャイズタグをつけられた。トップフリーエージェントのマイルズ・サンダースはカロライナ・パンサーズと1,300万ドル(約17億0,642万円)が保証されている4年2,540万ドル(約33億3,408万円)の契約を結んだ。この契約では年平均635万ドル(約8億3,352万円)が支払われるが、サンフランシスコ・49ersのクリスチャン・マカフリー(1,601万5,000ドル/約21億0,218万円)やニューオーリンズ・セインツのアルビン・カマーラ(1,500万ドル/約19億6,898万円)といった選手が受け取る額を大きく下回っている。堅実な活躍を見せているアーロン・ジョーンズでさえ、カットされて市場に出るリスクを冒すのではなく、グリーンベイ・パッカーズに残るためにペイカットを受け入れた。

もちろん、ジャイアンツはバークリーと関係を続けていきたいと思っている。しかし、行動は言葉よりも雄弁だ。

ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンはバークリーが2023年にフランチャイズタグでプレーすることをクラブは「構わない」と思っていると発言している。

「つまり、リーグのランニングバックの中で、彼はどの位置にいるのだろうか?」とシェーンGMは述べた。

その答えは8位タイだが、この発言からはジャイアンツがランニングバックに1,009万1,000ドルを支払うのは十分に高いと考えていることがうかがえる。

シェーンGMはバークリーの代理人と連絡を取り合っているものの、バークリーにフランチャイズタグをつける前に提示していたオファーについてはもはや検討していないとつけ加えた。

「今は目立ったオファーはない。フランチャイズタグをつけた時点で一歩引いた。交渉を通して、合意に至らなければフランチャイズタグをつけるタイミングが来るだろうと思っていたし、実際にそうした」とシェーンGMは話している。

バークリーを長期的に引きとめたいと主張するクラブが、タグ指定前のオファーを検討の対象から外すのは興味深い動きだと言えよう。

このような提案を引っ込める動きはバークリーが1年テンダーでプレーすることにジャイアンツが満足していることを示唆している。とはいえ、7月中旬までに再び交渉の席につく時間は残されている。何と言っても、ジャイアンツは期限を迎える直前にクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズとの契約をようやく成立させたような組織だ。

【RA】