ニュース

QBジャクソン獲得には動かないとコマンダースHCリベラ

2023年03月29日(水) 11:17


ロン・リベラ【AP Photo/Patrick Semansky】

ワシントン・コマンダースのヘッドコーチ(HC)であるロン・リベラは、ボルティモア・レイブンズがフランチャイズタグを指定したクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンの獲得を試みる可能性を引き続き否定している。

リベラHCは現地28日(火)に年次リーグミーティングの場で、2年目のシグナルコーラーであるサム・ハウエルの有望さを、広範囲の選択肢を退ける理由として改めて挙げた。

「われわれがサムで行く主な理由の一つは、われわれがサムは優れたフットボール選手になると考えているからだ。本当にそう思っている」とリベラHCは話し、こう続けている。

「彼が(2021年に)出てきていれば、1巡目か2巡目で指名されていただろう。われわれは幸運だった。皆が強い期ではないと考えたため、彼は5巡目まで下がった。思い出してほしいのだが、彼はあの年のハイズマントロフィーの最有力候補だった。ドラフトで3人のオフェンシブラインマンを失い、タイトエンドも1人ドラフトに行き、ワイドレシーバーのディアミ(ブラウン)も、2人のランニングバックもドラフトに行ってしまったシーズンを終えたときだ。振り返ってそれをリサーチし、そういったことを見てみれば、われわれが見たものが分かるはずだ。本当にそう信じている」

リベラはハウエルが2022年シーズンの後半に、テイラー・ハイニケに次ぐナンバー2として練習でのレップスが増えた際に見せた成長を指摘。当時ルーキーだったハウエルがより素早くものごとを吸収し、ミスを正していったと述べている。

ハウエルはダラス・カウボーイズに大勝を収めたシーズン最終戦に先発し、パス19回中11回成功、169ヤード、タッチダウン1回、レッドゾーンでのインターセプト1回を喫した。その堅実なパフォーマンスは、5巡目指名選手に先発職を勝ち取るチャンスを与えようとコマンダースに考えさせるだけのものだった。

リベラはサンフランシスコ・49ersが7巡目で指名した新人QBブロック・パーディーの存在を、コマンダースがハウエルの成功を信じる理由として挙げている。

「人々が思うほど見込みのないショットだとは思わない。その一つには、ブロック・パーディーのような若者が、昨年のようなシーズンを送ったことがある。“おお、同じタイプの能力とスキルセットのある選手がうちにはいるぞ”という具合だ」

パーディはQBに優しいカイル・シャナハンの攻撃陣でプレーしていた。ハウエルはコマンダースの攻撃コーディネーター(OC)であるエリック・ビエネミーの下、新たなスキームを学んでいくだろう。

ワシントンはこのオフシーズンに、ハウエルで進めていくプランの保険としてベテランのジャコビー・ブリセットと1年800万ドルの契約を結んだ。ブリセットは攻撃陣を指揮できること、そして、よきチームメイトであることを証明しており、今回の動きは素晴らしい契約だったと言えるだろう。

財政的、およびドラフト資本上のコストを考え、コマンダースがジャクソン獲得を検討したことはないとリベラHCは繰り返し語っている。ワシントンは現段階ではこのポジションについて出費を抑え、ハウエルという安価なオプションを中心にチームを築いていこうとしている。

ジャクソン獲得に向けた動きについて、リベラHCは「われわれはまったくそれをやっていない。率直に言って、まったくだ。彼にはとてつもない才能があると分かっている。彼はチームに影響を与えられる選手だ。そのことは考えなかったし、じっくり話し合った結果として、それが一つのフットボールチームとしてわれわれの進む方向だ」と語った。

コマンダースが保有している全体16位指名権の段階まで誰かが残っていた場合、リベラHCはそこでクオーターバックを指名する可能性を否定していない。一方で、今回のドラフトに参加するQBたちについて、まだしっかりと確認したわけではないともつけ加えた。

チームがクオーターバックを1巡目で指名する可能性は否定できるか尋ねられたリベラHCは、「いや。われわれはすべての道を検討しなければならない」と答えている。

多くの予想では全体16位でワシントンの順番が来るまでにトップQBがいなくなると見られているものの、チームが好む選手がまだいたとすれば、コマンダースは今後もQBポジションのコストを抑えて前進していくことができるだろう。

リベラHCが一つ明確にしているのは、このオフシーズンに大きな変化はないということだ。サム・ハウエルが2023年にコマンダースのQB1になるために、あらゆる扉が開かれている。

【A】