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NFLがヘルメットの誤使用禁止ルールおよびガーディアンキャップの着用期間を拡大

2023年03月29日(水) 12:10


NFLロゴ【AP Photo/Kyusung Gong】

2022年シーズンに脳しんとうと診断された件数が増加し、その多くをクオーターバック(QB)が占めていたことから、NFLは選手の頭部をさらに保護することを目的とした2つの安全関連措置を現地28日(火)の年次リーグ総会で発表した。

詳細は次の通りとなる。

1. 最も大きな変更点はヘルメットを武器として使ってはいけないというルールが拡大された点だ。選手が頭を下げて相手に対してヘルメットを無理やり接触させた場合、15ヤードのペナルティが課される点は変わらない。しかし、これからはヘルメットやフェイスマスクの一部を使って相手の頭や首の部分を突いたり、無理やり接触したりした場合もペナルティの対象となる。反則がディフェンスの選手によって行われた場合、オフェンスチームが自動的にファーストダウンを獲得し、選手の失格もあり得る。通常のブロックやタックルの過程でフェイスマスクやヘルメットが偶然接触してしまうことは認められる。ほとんどのペナルティはスクリメージライン付近でプレーしている選手ではなく、広いスペースにいる選手に課せられるとリーグは予想している。

新しいルールはフィールド上ですぐさま適用されるか、事後的に確認されたものは罰金という形で施行されることになるが、いずれにしてもいまだに見られる危険行為が少しでも減ることが期待される。リーグは今回の変更を、ゲームから頭部に関する懸念を取り除くための新たな一歩と捉えている。

コミュニケーション・広報および政策担当副社長のジェフ・ミラーは「これが最も長く続く影響となるだろう。ヘルメットで誰かの頭を殴ることは許されない」と述べている。

「カルチャーを変えることが目的 だ」

2. 昨シーズンのトレーニングキャンプで着用が初めて義務づけられたガーディアンキャップは、プレシーズンの練習はもちろん、レギュラーシーズンおよびポストシーズン中の接触を伴う練習でも着用が義務づけられることになった。頭部への接触が多いポジションの選手にはガーディアンキャップの着用が義務づけられ、これまで対象となっていたラインマンとラインバッカー(LB)に加え、ランニングバック(RB)とフルバック(FB)が追加された。キャップを着用する必要のないポジションはキッカー(K)、パンター(P)、QB、ワイドレシーバー(WR)、ディフェンシブバック(DB)のみとなる。

昨シーズンはプレシーズンの第2戦までしか着用が義務づけられていなかったが、いくつかのチームはシーズン中も着用していた。リーグが集めたデータによれば、ヘルメットによるヒットを受けた際にどちらかの選手がガーディアンキャップを着用していた場合、衝撃の11から12%を吸収できることが分かっている。両選手がキャップを着用している状態でヘルメット同士が衝突した場合の衝撃は約20%減少するという。

3. リーグによれば他のタックルに比べて負傷の割合が20倍になり、より深刻な下半身の負傷につながるというヒップドロップタックルについては、5月に行われるオーナーのミーティングに向けてさらなる調査の対象となる。リーグは何がヒップドロップタックルの構成要素となるかの定義についてコーチと合意することを求めており、ルールが定まれば、オフィシャルと選手たちへの教育に時間を費やすべきとの意向。一つ懸念されるのが、オフィシャルがそのタックルを正確に特定し、リアルタイムで反則をコールするのが非常に難しくなるのではないかという点だ。ルールが定められ、承認された後は、初期段階の施行としては警告と試合終了後の罰金という形を取ると予想され、ほとんどのペナルティはスペースに出ている際のタックルについてコールされる見込みだ。

【R/A】