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QBハーツの新契約を“比較的早く”まとめる予定とイーグルスGMローズマン

2023年03月29日(水) 14:24


フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツ【AP Photo/Ashley Landis】

フィラデルフィア・イーグルスのジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンにとって、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツとの契約を実現させることはオフシーズンのアプローチ全体に影響を及ぼしている。

フリーエージェント(FA)になる選手を何名も抱えていた中で、ローズマンGMは多くの選手を引きとめることは困難だと理解していた。そうした中でローズマンGMは、1年であればクオーターバックが新人契約でチームにとどまるというアドバンテージを持っている。

チーム公式サイトによると、ローズマンGMは現地27日(月)に年次リーグミーティングの場でハーツについて「彼には長期にわたってここにいてもらいたいと思っている」と述べたという。「彼は契約の最終年を迎えるから、契約を延長することは私たちにとって優先事項となるだろう。彼とは素晴らしい関係を築いてきた。契約が1年残っているフランチャイズクオーターバックを失うつもりはないと思いながら、オフシーズンを過ごさなければならない。それがどういう意味であれ、2024年は違った様相を呈するということを意味している。クオーターバックをルーキー契約でプレーさせるつもりはない。状況をよく見極め、状況を一変させなければならないことを理解した上で臨むつもりだ。うちのチーム、特にオフェンスでは、多くの選手が長期契約を結んでいる。長期契約を結んでいない選手がたくさんいるわけではないのだ」

コーナーバック(CB)ジェームズ・ブラッドベリーやCBダリウス・スレイ、センター(C)ジェイソン・ケルシー、ディフェンシブエンド(DE)フレッチャー・コックス、DEブランドン・グラハムといった選手はまだチームに残っているものの、イーグルスはフリーエージェンシーでかなりの数の主力選手――ディフェンシブタックル(DT)ジャボン・ハーグレイブ、セーフティ(S)C.J.ガードナー・ジョンソン、ミドルラインバッカー(MLB)T.J.エドワーズ、アウトサイドラインバッカー(OLB)カイジーア・ホワイト、ランニングバック(RB)マイルズ・サンダース、ガード(G)アイザック・シウマロなど――を失った。また、フリーエージェントで追加した選手――RBラシャード・ペニーやSテレル・エドムンズ、Sジャスティン・エバンスなど――のほとんどはより安価な契約で獲得している。

ローズマンGMにとってハーツの契約状況は最重要事項であり、直接的に質問されることなく、自然とその話題になった。ガードナー・ジョンソンとの状況がどうなったのかについて質問されたとき、ローズマンGMはプロセスの重要な要素として“比較的早く”ハーツと契約することを挙げている。

「フリーエージェンシーが始まった頃、彼の代理人とは、彼をここに呼び戻すことについてや、私たちには限られたリソースしかないという事実について話をした」と明かしたローズマンGMは次のように続けている。

「私たちが比較的早い段階でクオーターバックの契約を延長したいと思っているのは周知の事実だ。つまり、私たちのロースター作りは、新人契約のクオーターバックから、できれば長期契約のクオーターバックへと、少しだけ変化することになるだろう。まだ何かを実現したわけではないが、言うまでもなく私たちの目標はジェイレンをここに長くとどめることだ。そして、ある時点でリソースは尽きてしまう。だから、ある時点で、別の方向に進まなければならないということは、はっきりと分かっていた。最初の数日間は(ガードナー・ジョンソンとの再契約を)試みたが、その後に方向転換した」

“比較的早く”というのは1週間後の話ではなく、このオフシーズンにという意味だと見られている。クオーターバックの大型契約は一般的に、トレーニングキャンプが始まる直前の7月に結ばれることが多い。NFLでは期限直前に動きがあることが多く、ハーツやシンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ、ロサンゼルス・チャージャーズのジャスティン・ハーバートといった、今オフシーズンに巨額の新契約を結ぶ予定のクオーターバックにとって、トレーニングキャンプは契約締結のきっかけとなる、最初の実質的な期限となるだろう。

もし、何らかの理由でイーグルスが契約満了前にハーツと長期契約を結べない場合、クラブは2年分のフランチャイズタグを使って、QBをどこにも行かせないようにすることができる。とはいえ、1年テンダーはキャップに大きな負担をかけ、クラブの柔軟性に影響を与えるため、ローズマンGMは従来、フランチャイズタグの使用を避けてきた。

2022年シーズン、MVP候補となっていたハーツは3,701ヤード、タッチダウン22回、インターセプト6回、760ランヤード、タッチダウンラン13回をマーク。ニック・シリアニHC(ヘッドコーチ)のシステムで飛躍的な成長を遂げた。また、結果としては敗れたものの、スーパーボウルでも史上最高レベルの素晴らしいパフォーマンスを披露している。

24歳のハーツは間もなく報酬を手に入れるだろう。そして、ハーツのキャップチャージは今後、2022年の164万3,000ドル(約2億1,618万円)よりもずっと高いものになるはずだ。それは宝くじで大当たりしたときの税金のようなものだと言えよう。そして、ローズマンGMは今後、その現実を踏まえた上でチームを構築していく必要がある。

【RA】