QBランスを指名したことに後悔はないと49ersヨークCEO
2023年03月30日(木) 10:072021年ドラフトを前に、サンフランシスコ・49ersはクオーターバック(QB)トレイ・ランスを全体3位で指名するために、3つの1巡目指名権を手放した。このクオーターバックこそ、チームをチャンピオンシップに導く選手だと信じて。
実際のところ、そうは進んでいない。ルーキーとして控えめにプレーした後、ランスは昨シーズンの第2週で負傷し、そのままシーズン終了となった。
2022年シーズンの終盤にかけて活躍したのは、こちらも負傷したQBジミー・ガロポロの代役として登場した、ドラフト7巡目指名選手のブロック・パーディーだった。パーディーはプレーオフを含め、先発した最初の7試合で勝利している。
その働きを見るに、オフシーズンに受けた肘の手術から完全に回復したとすれば、パーディーが2023年のQB1の筆頭候補になるだろう。大きなものを投げうって獲得した1巡目指名のランスと、2022年ドラフトの1番最後で指名された選手として“ミスター・イレレバント“の称号を与えられたパーディーの間には、はっきりとした違いがある。
ランスのアクションが限られたものになっているにもかかわらず、49ersのCEOであるジェド・ヨークは現地29日(水)に、ランス獲得のための動きを後悔していないと話した。
『NBC Sports Bay Area(NBCスポーツ・ベイ・エリア)』によれば、ヨークCEOは年次リーグミーティングの場で「トレイをめぐってわれわれが下した決断について、私は何も変えないだろう」と述べたという。
「トレイには素晴らしい選手になるチャンスがあると思う。だが、7巡目で指名した選手が結果としてチームに大きな影響を与える選手だったのは思いがけない恩恵だった」
フィールドに立てないのはランスの責任ではないとしたヨークCEOは、コスト管理されたルーキー契約の性質がチームにとって価値を持っていることを示唆している。
「それを気にかけてはいられない。トレイはわれわれが望むほど多くの試合でプレーしなかった。それは彼の責任ではない。ケガをしたのだから」とヨークCEOは話し、こう続けた。
「彼をドラフトしたときのことを考えれば、われわれはルーキー契約を結んだ若手クオーターバックが確実にいて、“よし、ジャボン(ハーグレイブ)はボーナスだったな“と言えるようにしたかった」
ランスとパーディーが2023年のサラリーキャップで占めるのは合わせて1,019万ドル(約13億5,167万円)――ランスが930万1,000ドル(約12億3,375万円)、パーディーが88万9,253万ドル(約1億1,535万円)――であり、たとえばQBミッチェル・トゥルビスキーがピッツバーグ・スティーラーズの2023年のキャップに占める数字よりも低い。
「自分たちがクオーターバックに費やすのと、他の誰かがクオーターバックに費やしているものの間には差がある。彼ら3人の誰かがいずれかの時点でサンフランシスコ・49ersと非常に大型の延長契約に至ることを願っている」
「だがそれまでは、チームにとって実に好ましい契約のある一人の若手クオーターバックと一緒にこれを築いていくつもりだ」
49ersが有しているチームフレンドリーな契約が、彼らに柔軟性をもたらしている。オープンマーケットで1億ドル(約132億6,450万ドル)以上を空振りするより、その方が好ましい。一方で、その合理化の考えは、ランスのためのトレードによって、他に3人の選手をコストが管理された契約で取り込むチャンスを失わせてもいる。
パーディーが負傷したことで、ランスがオフシーズンの間に自分の場所を取り戻すチャンスが生じた。だが、パーディーが健康状態を取り戻せば、シーズン第1週にセンターの後ろにいる可能性が最も高いのは、昨年に先発に指名されたランスではないだろう。
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