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CBギルモアのカウボーイズへのトレードは「お互いにとって良かった」とコルツGMバラード

2023年04月24日(月) 12:32

スティーブン・ギルモア【Cooper Neill via AP】

昨年の今頃、インディアナポリス・コルツの周りには楽観的な見方が広まっていたが、コルツは最終的にわずか4勝という惨憺(さんたん)たる結果でシーズンを終えている。そして、2022年に加えられた多くのベテラン選手は現在、再建中のコルツにとって不必要な存在となってしまった。

そうした選手の中にはコーナーバック(CB)スティーブン・ギルモアも含まれている。コルツは3月、フリーエージェント(FA)期間が始まる前日に、2023年ドラフト5巡目指名権と引き換えにギルモアをダラス・カウボーイズにトレードした。

現地21日(金)に行われたドラフト前記者会見の場で、コルツのジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードはギルモアのトレードについて「お互いにとって良かったと思っている」と述べている。「彼はキャリアの終盤にさしかかっている。ディフェンスにそこそこフィットしているとは思っていた。だが、彼の契約最終年に指名権を得るチャンスがあった。契約金を少し削ることもできた。彼をダラスに送ることができたのは、お互いにとって良かったと思っているし、ダラスは彼にとって良い場所であり、ディフェンス面でもフィットしていると思う。それが今回のトレードにつながった」

フランチャイズが流動的である以上、できるだけ抜け目なく指名権を蓄え、コストを削減することは肝心だと言えよう――たとえ、これまでの適合具合を“そこそこ”と表現することで、ギルモアの貢献度を低く見積もることになったとしてもだ。

33歳のシーズンを迎えるギルモアは、2019年ディフェンス部門年間最優秀選手賞を受賞したときほどの勢いはない。とはいえ、コルツで過ごした1シーズンでは、プロボウルに5回、オールプロに2回選出された選手として、まだまだ余力を十分に残していることを証明した。

2022年シーズンに『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によるカバレッジグレードで81.1をマークし、9番目に優れたコーナーバックと評価されたギルモア。シーズンを通して2回のインターセプトと、チームのコーナーバックの中で最多となる66回のタックルを決めたほか、ディフェンスの中で唯一、2桁のパスディフェンス(11回)を記録し、その多才さを発揮した。

それでも、守備面で精彩を欠いていたコルツは被得点で、2018年シーズン以降で最も低い28位となっている。スーパーボウルを追い求める場合、ギルモアのトレードによってドラフト指名権を獲得することは、ベテラン選手がチームでの2年目を終えることよりも、多くの利益をもたらすだろう。

現在、ギルモアはチャンピオンシップを狙えるチームに所属している。そこはギルモアにとって、この4年で4つ目のチームだ。ギルモアはボールホークのパラダイスになると見込まれているカウボーイズで、CBトレボン・ディッグスと対になる役割を果たすことになるだろう。

一方、ドラフト全体4位指名権を保有しているコルツは、フランチャイズクオーターバック(QB)を獲得するためにそれを使用あるいはトレードアップするだろう。コルツはそれ以外にもロースターを補強するための指名権を8つ持っている。CBポジションの重要性と、オールプロに選出された経歴を持つギルモアが抜けたことによってあいた穴が存在しているという事実を認識しているバラードGMは、持っている資本の一部をCBポジションの補強に使う可能性があることを認めた。

「それは常に、できる限り多くのカバーマンを抱えておきたいポジションだと思う」と述べたバラードGMは「だがそうだな、私たちはそのポジションに目を向けている。必要となれば私たちの助けになってくれるフリーエージェントもまだ残っていると思う」と続けている。

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