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ラブをQBとしたパッカーズの再建について「どんな形であれシーズンをやり遂げる」とLTバクティアリ

2023年04月25日(火) 13:21


グリーンベイ・パッカーズのデービッド・バクティアリ【AP Photo/Jeffrey Phelps】

現地24日(月)、グリーンベイ・パッカーズはクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースをニューヨーク・ジェッツにトレードすることに合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報じた。

パッカーズのスターレフトタックル(LT)デービッド・バクティアリは最近、ロジャースからQBジョーダン・ラブへ移行する可能性を正直に論じ、それを再建のフェーズと定義づけたことが波紋を呼んでいる。

バクティアリは週末に公開されたマイク・シルバーのポッドキャスト番組『Open Mike(オープン・マイク)』に出演した際、どのチームも将来の殿堂入りが確実なクオーターバックから移行するとき、それは常に「再建」になると強調した。重要なのはチームとクオーターバックがそのシフトにどう対処するかだという。

「俺たちは殿堂入りが確実なクオーターバックから先に進もうとしている。まさに今日そのことをジョーダンと話したばかりだ」とバクティアリは切り出し、こう続けた。

「パッカーズはこれまでもブレット・ファーブからアーロン・ロジャースに移行したときに再建を行っている。だから、今回についてだって同じことだろう?それとも再建ではないというのか?現実を受け入れるしかない。それに、まったく問題ないことだ。これからチームが悪い方向に向かうとは言っていない。良くなるとも限らない。分からないからこそいいんだ。自分たちがどれくらい良いかなんて誰にも分からない。シーズンが始まって全員が勝率1.000なら勝ちも負けもない。どんな形であれシーズンをやり遂げるしかない」

外野の期待は高くないかもしれないが、それはシーズンに向けて準備する選手に何も影響はないとバクティアリは指摘した。また、パッカーズはロジャースが先発した最初のシーズンに6勝10敗を記録したが、2年後にスーパーボウルで優勝していることにも言及した。

「1回目の投票で殿堂入りが決まるであろう――そして、俺にとっては史上最高のクオーターバックでさえ、最初の年は6勝10敗だったということを言っておきたい」とバクティアリは話している。「その時期はまだ移行期間なんだ。そこから自分のチームを作らないといけない」

実際の問題はパッカーズがラブを司令塔に据えて「再建」するのかどうかではなく、もしその過程で失敗することがあれば、どれだけの痛手を被るかだ。これでパッカーズはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区を支配することをあきらめたと確信している者もいるかもしれないが、少なくともフロントオフィスは2023年にディビジョンで戦えると信じているような動きを見せているのは間違いない。

昨年のニューヨーク・ジャイアンツのように、移行や再建の年にプレーオフ進出を果たしたチームもいる。強豪チームが比較的少ないNFCにおいてパッカーズの可能性を全面的に否定するのは早計と言えよう。

バクティアリ自身のパッカーズでの将来についてはさまざまな憶測が飛び交っているが、本人は今シーズンに引退するつもりはないと述べている。

「年齢を重ねるにつれて引退を考えるようになったのは確かだ」とバクティアリは語った。「でも今は、自分の気持ちに従えば、去年よりも長くプレーしたいという気持ちが強い。2年前よりも強くそう思っている。大きなケガは確かに怖いけど、そういう心配を捨ててしまえば、“なんだ、いい感じじゃないか。俺はまだ若手と同じようにやれる”と思えるんだ」

健康な状態のバクティアリは今でもNFLで最高のレフトタックルの一人だが、2019年以降は負傷によってフルシーズンを戦いきれていない。2022年は11試合に出場しており、その前の2021年シーズンの出場は1試合にとどまっていた。

31歳のバクティアリは、自分のキャップナンバーが4,060万ドル(約54億5,453万円)にふくらむ2024年が、グリーンベイでの未来における重要な年になるだろうと指摘。

「パッカーズと一緒にやった再構築によって、俺をカットするか、延長するかという窮地に俺たちは立たされている。それはお互いの合意で決められるだろうし、今日の話じゃなく、近いうちの話でもない。今推測しなきゃならないとしたら、俺がどこにフィットするかという問題はシーズンを通してプレーしていく中で行き着くものだろうし、そこから俺の方としてどこで自分のキャリアや人生を進めていきたいかという話になる」

『Barstool Sports(バースツール・スポーツ)』のポッドキャストである“Bussin’ With The Boys(バッシン・ウィズ・ザ・ボーイズ”が先月放送したインタビューの中で、バクティアリはパッカーズの未来について“俺たち”ではなく”彼ら”と表現したことでNFL界をざわつかせていた。シルバーに対し、バクティアリは“彼ら”という言葉はフロントオフィスを指すものであり、パッカーズが自分にとって過去のものになったわけではないと説明している。

「ちょっと気まずいところがあったと思うし、それは理解不足とか、俺が説明しなければならないという事実からきている」と言うバクティアリはこう続けた。

「これはそれをやるためのプラットフォームだと思う。“彼ら”っていうのはフロントオフィスのことだ。俺はフロントオフィスじゃない。前にも言ったように、俺が合意的に振る舞い、自分の感情を取り除いてビジネスの見地から考えるときは、第3者の視点から見ている。だから、俺がそれを説明しなきゃならないという事実自体がうっとうしいくらいだ。そのために、俺にはツイッター(Twitter)や、自分の声を使う能力がある。だから、これに関して応えるときには、信頼性が生み出され、もっとリアルになるように感じている。ただ人々が本線から外れて、言葉のささいな部分にこだわってるってだけだ。だからどうしたって話さ」

【R/A】