ナショナル・フットボール・リーグ（NFL）が“2022年NFLミュンヘンゲーム・インパクトアセスメント”レポートの結果を公表し、初めてドイツで実施されたレギュラーシーズンのインターナショナルゲームが経済的にも社会的にもスタジアムを超えた成功を収めたことが判明した。

『The Sports Consultancy Group（ザ・スポーツ・コンサルタンシー・グループ）』がまとめた調査によると、この試合はミュンヘン市に対してトータルで7,020万ユーロ（約104億6,420万円）の経済効果をもたらし、そのうち3,220万ユーロ（約47億9,998万円）が直接支出だったという。

2022年11月13日、FCバイエルン・ミュンヘンの本拠地であるアリアンツ・アレーナで行われた歴史的な試合では、タンパベイ・バッカニアーズがシアトル・シーホークスを21対16で破った。

NFLジャーマニーのジェネラルマネジャー（GM）であるアレクサンダー・シュタインフォースは「ミュンヘンゲームはドイツにおけるNFLの重要な瞬間となり、それはスタジアムにいた人たちや世界中から観戦した人たちの心に、これから先もずっと残っていくことだろう」と述べている。最初のレギュラーシーズンゲームから生み出された経済的、社会的インパクトは素晴らしく、このゲームがミュンヘン市とその周辺にポジティブな貢献をしたことを強調するものであり、今後数年のうちにこの国でゲームを行うことを楽しみにしている」

また、NFLクラブ事業および大規模イベントならびに国際部門副社長のピーター・オライリーは次のように語った。「“2022年ミュンヘンゲーム・インパクトアセスメント”レポートの結果はミュンヘンでの大会がいかに素晴らしい成功を収めたかを裏付けるものだ。ミュンヘン市、バイエルン州、バイエルン・ミュンヘン、アリアンツ・アレーナ、そして参加したNFLチームであるタンパベイ・バッカニアーズおよびシアトル・シーホークスが、スタジアムにいるファンや世界中の視聴者のためにこの歴史的な試合を実現し、後世に残るレガシーを築くために協力してくれたことに感謝している」

NFLファンは試合が実施された週末にミュンヘンで1日平均333ユーロ（約5万円）を消費。ミュンヘン観光客の平均消費額である225ユーロ（約3万4,000円）を大きく上回った。

全世界でこの試合を観戦したのは820万人に及ぶ。また、米国内では『NFL Network（NFLネットワーク）』の最も視聴されたインターナショナルゲームとなり、視聴者数は580万人（タンパとシアトルでのOTA視聴は含まない）以上となった。さらに、試合当日のグッズ売り上げ記録も更新し、アリアンツ・アレーナでの売上は米国外のNFLの試合としては過去最高額となっている。

試合に先立ち、NFLはミュンヘン市と連携し、地域社会の関心を高めるために一連のイベントや活動を実施。学校でのNFLフラッグフットボール・プログラムが全国で導入された結果、ドイツ全土で4,000人以上の若者がゲームをプレーする機会を得て、その多くが初めてそれを経験することになった。このプログラムは2022年5月から11月にかけて153の学級で実施され、NFLフラッグフットボールが全国で普及する中、2023年も引き続き実施されている。

ドイツで初めてとなるNFLフラッグフットボールの全国大会も試合当日までの1週間にミュンヘンで実施され、5都市（デュッセルドルフ、ベルリン、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルク）から12校300人以上の選手が出場。この大会で優勝したフランクフルトのチームは、2023年にラスベガスで開催されたプロボウルゲームズでNFLフラッグ国際部門に参加した。

ミュンヘン市長のディーター・ライターは「ナショナル・フットボール・リーグをミュンヘンに迎え、初めてドイツで行うレギュラーシーズンゲームを実施できたことは光栄だ。特に観光産業やホスピタリティ産業における、経済的、社会的な影響に喜びを感じている」とコメント。「このイベントのおかげで、ミュンヘンの美しく活気のある街を世界中の何千人もの観光客に紹介することができたと同時に、ミュンヘン市民にもこの素晴らしいNFLイベントを体験してもらうことができた」

2023年シーズンはドイツでレギュラーシーズンゲームが2回実施されることになっており、出場チームにはカンザスシティ・チーフスとニューイングランド・ペイトリオッツが指定されている。これらの試合の対戦相手や日程、場所については、今月、全日程が公開される前に発表される予定だ。

【RA】