「レジェンドがいるぜ…」とQBロジャースの存在にいまだ慣れないジェッツの選手たち
2023年05月05日(金) 00:47アーロン・ロジャースのためにアットホームな雰囲気を作り出そうと、彼の元チームメイトがニューヨークに多数集められているが、ジェッツの新チームメイトたちは4度のMVPがそこにいることをまだ信じ切れていないようだ。
現地3日(水)、オフシーズンのプログラムに取り組んでいるジェッツの選手たちは、先週のドラフト前にようやくトレードが決まったロジャースの加入によって変化した点や期待について口にした。
「現実だと受け止めるだけでも少し時間がかかる」とワイドレシーバー(WR)ギャレット・ウィルソンは話している。「彼から最初のボールをキャッチするまでは、本当に実感できたとは言えない。何たってレジェンドがそこにいるんだから。殿堂入り確実な人と一緒にやれるなんて、今から20年、30年たったときに自分の子供に俺はアーロン・ロジャースとプレーしたんだって自慢しなきゃな。今はあんまり考え過ぎないようにしているんだ。これから一緒に仕事をするチームメイトなんだし、そう考えなきゃいけない。でも現実だと思うとやっぱり感動するよ。そんな人が施設にいるなんて最高だ。これからの仕事が待ち切れない」
ロジャースはウィルソンのことをWRデイバント・アダムスに似ていると評価しており、彼はこれから元グリーンベイ・パッカーズのQBと誰よりも多く成果を挙げることになるかもしれない。2022年に4人の違うQBを先発させ、タッチダウンパスがわずか15回という苦しいオフェンスでNFLキャリアをスタートしながらも、ウィルソンはその活躍でオフェンス部門年間最優秀新人賞を獲得した。
2022年に全体10位で指名された彼は83回のレシーブで1,103ヤード、タッチダウン4回と、パスでのチーム得点の4分の1以上を稼いだ。ロジャースとの連携がうまくいけば、1年目以上の爆発的な活躍もあり得るだろう。
ロジャースが加入した今、希望的観測ではなく、自分とオフェンス全体のプレー向上が期待されていることをウィルソンは知っている。特にジェッツは12年連続ポストシーズン進出を逃しており、それを断ち切って2015年以来の勝ち越しを目指さねばならない。
「ここにいるみんなの力は分かっている」と彼は言う。「今までも分かっていた。そこにあれだけの栄誉と実力を持つ人が仲間に加わった。俺たちはリーグ全員と戦い、リーグ全員を倒し、リーグの強豪チームになるつもりだ。そうするつもりでいる」
「アーロン・ロジャースほどの人がいながら、期待値が上がらないなんて言ったらうそになる。それがこの業界さ。だから彼が来てくれてワクワクしているし、それに伴うものも理解している。突然みんなに注目され、練習だろうとゲームだろうとフィールドに出るたびにそれに応えなきゃならない。それを毎週証明してみせる。自分たちの実力は分かっている。世界にそれを毎週証明するのが楽しみだ」
ロジャースがいるだけでもたらす違いの大きさを認めるのは彼とハドルを組む者だけではない。
守備側の選手たちも突然、毎日練習で未来の殿堂入りQBと対峙(たいじ)することになった。加えて、ランキング4位に浮上したスコアリングディフェンスに対してオフェンスが不安材料だった昨年と違い、ロジャース率いるユニットはディフェンスに匹敵し、機会さえあればゲームで勝利できる力を持っている。
「うそはつけねえ。最初に横に並んでウオームアップしたときは電撃を受けたみたいになった」とラインバッカー(LB)クインシー・ウィリアムスは記者団に打ち明けた。「“ちょっと待って、コーチ。この状況を受け止めるまで1分くれ。何度かスローを見て、彼の姿に慣れるまで待って”って感じだった。落ち着くまで少しかかって、その後は、“よし、じゃあ仕事をしようか。彼にもっとボールを投げてもらわなきゃ”ってなったけどな」
別のディフェンダーはチーム施設の外で早くもQBの思考を読もうとしている。ロジャースは週末にランニングバック(RB)ブリース・ホールとWRアレン・ラザードとニュージャージー・デビルス対ニューヨーク・レンジャースのNHLプレーオフを見にいった後、2日(火)に今度はコーナーバック(CB)ソース・ガードナーとニューヨーク・ニックス対マイアミ・ヒートのNBAプレーオフを見にいっている。
昨シーズンの守備部門年間最優秀新人賞に輝いたガードナーは待ち望まれるチームの復活に向けたアプローチについてロジャースと話し、絆を深めたという。
「プレッシャーなんかじゃない」と2023年に向けた期待について彼は話した。「ニューヨークでプレーするためには、“俺はこのために生まれた”と言い聞かせなきゃならない。俺とアーロンは昨日、お互いに“俺はこのために生まれた”ことを確認し合った。彼はこのために生まれたんだと言ったよ。夕食を食べに出掛けたときに2人だけで話す機会があったんだ。それが全てだ。俺はただニューヨークでプレーすることになったときの自分の経験を共有し、このために生まれたんだっていうメンタリティでニューヨークの文化と向き合ったことを伝えたかったんだ。ニューヨークのメディア、ニューヨークのファン、ニューヨークの全てに向き合う方法がそれだ」
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