IPPプログラムの8名がロースター入り、NFC北地区およびAFC西地区が受け入れ
2023年05月05日(金) 03:03ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は現地4日(木)、NFLインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)プログラムを通じて2023年シーズンのNFLロースターに加えられた8名の選手を発表した。2023年のIPPからはオーストラリア出身1名、フランス出身1名、ナイジェリア出身6名がそれぞれNFLチームに割り当てられており、プログラムをスタートさせて以来、単年度では最多の人数となった。
2017年に設立されたIPPプログラムは、各国の優秀なアスリートたちにNFLのロースターでスポットを獲得するチャンスを提供し、リーグの国際的な選手の数を増やすことを目的とするものだ。
NFLクラブ事業およびリーグイベント担当副社長のピーター・オライリーは「これだけの非常に才能にあふれた選手たちがNFLロースターに割り当てられたことに、とても興奮している。国際的なアスリートのためにNFLが取り組む世界的なフットボール育成プログラムが成功した証だと感じている。インターナショナル・プレーヤー・パスウェイは世界中のアスリートを発掘し、支援し、活躍してもらうための重要なプログラムであり、各選手がNFLのグローバルアンバサダーとして活躍する姿を楽しみにしている」とコメントした。
昨シーズン中にイギリスのトッテナム・ホットスパー・スタジアムで実施したインターナショナルコンバインには13カ国から38名の選手が参加、今年は13名の才能ある若手アスリートが2023年IPPプログラムに招へいされていた。
2023年IPPは今年はじめに選手たちが10週間にわたってアメリカでトレーニングに励んだあと、2023年NFLドラフトに先だって、南フロリダ大学のプロデーに参加し、NFLクラブのスカウト担当者に自分の才能をアピールする機会が与えられた。
今年はIPP選手の受け入れ先としてNFLの8つのディビジョン(地区)から、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区と、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区が無作為に選ばれている。IPP選手を受け入れる地区としてはそれぞれ7番目と8番目のディビジョンとなる。
NFC北地区およびAFC西地区ともIPPから4名の選手が割り当てられたことで、2023年度のプログラムからロースターに登録されるIPP選手はプログラム史上最多の合計8名となり、2017年のIPP開始以降、全32チームがIPP選手を獲得したことになる。
選手名 | 年齢 | 出身国 | ポジション | NFC北地区チーム |
ロイ・ムバエテカ | 23 | ナイジェリア | OL | シカゴ・ベアーズ |
パトリック・マタ | 23 | オーストラリア | TE | デトロイト・ライオンズ |
ケネス・オドゥメグ | 22 | ナイジェリア | DL | グリーンベイ・パッカーズ |
ジュニア・アホ | 24 | フランス | DL | ミネソタ・バイキングス |
選手名 | 年齢 | 出身国 | ポジション | AFC西地区チーム |
ハッガイ・チソム・ンドゥブイシ | 22 | ナイジェリア | DL | デンバー・ブロンコス |
チュクウェンブカ・ジェイソン・ゴドリック | 22 | ナイジェリア | OL | カンザスシティ・チーフス |
デビッド・エブカ・アゴハ | 21 | ナイジェリア | DL | ラスベガス・レイダース |
バジル・チジョケ・オコイェ | 21 | ナイジェリア | DL | ロサンゼルス・チャージャーズ |
オウシ・ウメニオーラが主催する『The Uprise(ジ・アップライズ)』の取り組みで発掘されたナイジェリア出身の6名は、昨年ガーナで実施されたインターナショナルコンバインに招待され、IPPプログラムの参加資格を得た。
英国にてナイジェリア人の両親のもとに生まれ、スーパーボウル制覇を2度経験し、アフリカでフットボール発展の陣頭指揮を執るウメニオーラは、「ナイジェリアの素晴らしい若者たちがNFLのロースターに入る夢をかなえたことは本当にワクワクすること。彼ら一人ひとりがこの瞬間を手に入れるために信じられないほど努力したことを誇りに思う。来シーズン、そしてこの先の数年間にわたり、彼らがどのように成長していくのか楽しみであり、ナイジェリアの誰もが誇りを持って彼らの成長を見守ることだろう」と述べた。
オーストラリア出身でフィラデルフィア・イーグルスのオフェンシブタックル(OT)を務めるIPPプログラム卒業生のジョーダン・メイラタは、8名の選手にエールを送るとともに、次のようにアドバイスしている。
「これから参加する選手たちに伝えたいアドバイスとしては、そのプロセスを楽しみ、尊重することだ。自分の力をすべて発揮してほしい。チャンスを最大に生かし、そして無駄にしないこと。ハードワークは常に才能にまさる」
NFC北地区の4チームとAFC西地区の4チームはトレーニングキャンプ終了まで、各選手をロースターに登録する。キャンプ終了時点で8名はインターナショナルプレーヤー練習生免除の対象となり、チームは練習生を1名増やすことが可能だ。また、各チームはシーズン中に当該選手をアクティブロースターに昇格させる機会もある。
プログラム開始以降、配属された選手、ドラフト指名やフリーエージェントとして契約した者も含めて、37名のインターナショナルプレーヤーがNFLチームと契約している。現在は13名のIPP選手がNFLロースターに名を連ね、うち4名、
フィラデルフィア・イーグルスのオフェンシブタックル(OT)ジョーダン・メイラタ(オーストラリア)、ワシントン・コマンダースのディフェンシブエンド(DE)エフェ・オバダ(イギリス)、ラスベガス・レイダースのランニングバック(RB)ヤコブ・ジョンソン(ドイツ)、ワシントン・コマンダースのDEデビッド・バダ(ドイツ)はアクティブロースターに登録されている。
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