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歴史的な大型契約を締結し、前に進む準備を整えるレイブンズQBジャクソン

2023年05月05日(金) 16:17


ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソン【AP Photo/Nick Wass】

現地4月27日(木)、ボルティモア・レイブンズのスタークオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンは5年2億6,000万ドル(約348億5,183万円)の契約に合意し、NFL史上最高額の報酬を得る選手となっている。

2年以上もの間、代理人を立てていないジャクソンと、レイブンズのジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタは紆余曲折を経ながら交渉を進めてきた。ジャクソンは今年3月にトレードを要請したことを公表。また、レイブンズはジャクソンに対して非独占的フランチャイズタグを指定していた。

最終的に、そうした騒動はすべて過去のものになっている。

今週木曜日、デコスタGMはジャクソンとの契約を発表した記者会見で「良いことは待つ者のところに訪れると言うだろう。私たちはしばらく待って、今に至るのだ」と述べている。

非独占的フランチャイズタグの性質上、ジャクソンは他チームと交渉することが可能だった。2019年にMVPに選出されたジャクソンは木曜日、他チームから連絡を受けていたものの、ボルティモアを離れることに興味を抱くことは一度もなかったと明かしている。

「正直なところ、他チームには本当に興味がなかった」と語ったジャクソンは「俺はただ、ここで何かを実現させたかった。ここにいたかったんだ。他チームもまあクールだとは思っていたけど、俺はレイブンズの一員でいたかった。時間が切れてどこかに分岐してしまう前に、何よりもまずこれを実現させたかった。俺はここでキャリアを終えて、ここでスーパーボウルを制覇したいと本当に思っている」と続けた。

ジャクソンは交渉を進めてきた数カ月間で変わった点や、以前のオファーに加えられた調整など、具体的な内容については触れていない。一方で、自身の契約より10日前に発表されたジェイレン・ハーツ(フィラデルフィア・イーグルス)の契約から影響を受けることはなかったとつけ加えている。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによると、ジャクソンの契約にはノートレード条項およびノーフランチャイズタグ条項、7,250万ドル(約97億1,830万円)のサインボーナス、トータルで1億8,500万ドル(約247億9,842万円)の保証金が含まれているとのこと。ジャクソンは年平均で5,200万ドル(約69億6,974万円)を稼ぐ予定だ。

トレード要請やこれまでの交渉について質問されたジャクソンは「今日は未来の話をしようぜ。過去に起きたことはあまり気にしていない。この先5年のこと、今日起こったことについて話そう」と答えている。

ジャクソンは選手としてレイブンズと再契約を結ぶことを常に望んでいた。しかし、ビジネスマンとして、適切だと思う契約を粘り強く待ち続けていたのだ。

「これはビジネスだ。最終的にはビジネスなんだ」と強調したジャクソンは「自分で代理人を務める場合は、強い心を持たなくちゃいけない。自分の気持ちをぶつけろとは言わない。気持ちの問題じゃないからな。結局は大人の問題なのさ。だから、ビジネスをやるなら大人にならなきゃいけない」とつけ加えた。

プロセスを通して、デコスタGMとジョン・ハーボーHC(ヘッドコーチ)から現在と将来のクオーターバックは自分だと一貫して言われ続けたことで、レイブンズの一員であり続けたいという思いがより明確になったとジャクソンは話している。

「自分を必要としてくれて、自分がフットボールやNFLのフットボールにおける究極の目標を達成するために貢献するはずだと信じてくれているヘッドコーチやGMがいるのは、とても意味のあることだと思う。他の場所には行きたくなかった」

新契約を締結したことで、ジャクソンは2023年シーズンに集中できるようになった。ジャクソンはシンシナティ・ベンガルズに敗れたプレーオフゲームを含むシーズン最後の6試合を欠場することにつながったPCL(後十字靭帯/こうじゅうじじんたい)のケガに関して、完治した気がすると話している。

今オフシーズン、オフェンスの改革を進めているレイブンズは、トッド・モンケンを攻撃コーディネーター(OC)として採用したほか、スターワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムと契約したり、WRゼイ・フラワーズをドラフト1巡目で指名したりと、さまざまな手を打ってきた。

新しいプレーブックや追加された選手を見て、フィールドに立つことに興奮しているジャクソンは次のようにコメントしている。

「正直、待ちきれない。誰かに言ったと思うけど、うちの武器と一緒に6,000ヤードを投げたいと思っている。俺は個人賞が欲しいタイプでも、スタッツを見るタイプでもない。誰も成し遂げたことがないことがないからやってみたいだけ。うちにはそれを実現するための武器がそろっている気がするしな。うちには爆発力のあるヤツらがいる。コーチが言っていたように、新しくゼイやOBJ(ベッカム)も加わったし、(WRラショッド)ベイトマンも100パーセント健康なはずだ。マーク(アンドリュース、タイトエンド/TE)のことも忘れちゃいけない。マークもそうだし、(TEアイザイア)ライクリーもそうだな。早く始めたくて仕方ない」

【RA】